夢を売る男

著者 :
  • 太田出版
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感想 : 546
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778313531

感想・レビュー・書評

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  • とっくに読んでいる。いい原稿だった。282
    牛河原、荒木、飯島
    小説、丸栄社、狼煙舎、ジョイントプレス

  • 2014.06.09

    どんな種類の詐欺でもあるんやなと実感。
    自伝により「いかに自分はすごいのか」という自己顕示。SNSや本(しかも自費出版)という読む媒体でしか自分を他人に伝えられず、言葉や表情などの生のコミュニケーションを使って自分を表現できない。少し、現代の風潮を描写してるように感じた。
    そしてそんな勇気のない身勝手な自費出版の著者たちを、詐欺の被害者にしている。
    自分のことしか考えないような、周りが見えてないようなそんな人たちには制裁を加えろ、とも言わんかのような。
    そういう"馬鹿"をお金儲けのエサにしようとするやつらも当然でてくる。

    もちろん、自費出版を夢見る人たちはそういった身勝手な人ばかりではない。そのことをラストではおばあちゃんの出した本が傑作だった、という形で括っている。

    いずれにせよ、自分ばかり見ず周りと協調せよということが言いたかった本なんかなあと思った。

  • 出版業界の裏事情を綴った本作ではあるが、売れない理由を本の内容のせいにしているが、一番の原因は価格にあると思う、1000円以上の値打ちの本がいったいどれだけあるだろうか、その証拠に文庫本になれば売れる本もかなりあると思う。大体、日本における文化事業は一概に高すぎる、本にしても映画にしても観劇にしてもスポーツ観戦にしてもだ、すべて1000円程度にならなくちゃ文化の振興なんておぼつかない。さて、本書だが、相変わらず器用な作家であることは認めるが、「錨をあげろ」以外は全ての作品に既視感を感じる。

  • 読みやすいし鋭いとこついてくる感じは痛快で面白いんだけど、小説というよりビジネスのハウトゥー本みたいで段々飽きてきてしまった。。。
    人の書いたものは読まないのに自分の書いたものは読んでほしいという自己掲示浴の説明とかすごく納得!FacebookやTwitter、ブログが流行るわけだよねー。
    でも小説を読む人は3%くらいってのにはびっくり。ほんと??

  • 中小出版社丸栄社の編集部長・牛河原が先頭に立ち進めるジョイント・プレス方式・出版社と著者が費用を出し合い出版、本の出版を夢見る人々・自らの輝かしい人生の記録を残したい団塊世代の男、スティーブ・ジョブズのような大物になりたいフリーター、ベストセラー作家になってママ友たちを見返してやりたい主婦…。詐欺とも言える、人の夢を利用するビジネス。押しが強く口の上手い牛河原のキャラクターに、嫌な人物が主人公で途中挫折しかけたが読了、読み手を選ぶブラック・コメディでした。契約はきちんと守り夢を実現させ満足させる。

  • 人間の欲と夢を紙一重で書かれいるのではないか、と。最初読んでいてあまり好感が持てず、百田さんにしては人情味が薄い内容だなぁ、と思っていましたら最後の一行にやられました。

  • 出版業界の裏側を皮肉たっぷりに綴った連作短編集。
    さらりと読めるが、全体の構成がうまくておもしろかった。
    出版に関わる色々なものをボロクソに言う編集者だが、その裏に深い愛情も感じられて憎めない。

  • 営業マンに読んでほしい。(笑)あり得ないけどどこか負に落ちるね!!

  • 出版業界の裏側を暴いた本。途中、気分の悪くなるくだりもあり、読むの辞めようかと思った。後半は少し持ち直したが、星2つか3つか悩んだ。百田さんにしてはちょっと残念な作品。

  • 久しぶりによみました。こういう職人さんの話なんだな、と思いました。ライバル会社潰しはいかにも過ぎるかなー、とも。
    2014/4/1読了

  • 永遠のゼロが良かったので他の作品も読みたくなり手に取った。
    最後の一文にホッとした。
    一気には読めたが、長く感じたし、
    途中でやめようかとも思った。
    もう少し他の作品も読んでみよう。

  • 夢の印税生活をサポートする「ブラックな」出版社がアマチュアの作家を「騙して」作家の自己資金を供出させて本を出版させる話。百田某も自虐的に登場する。

  • 鼻くそを肘食ってばかりいる食えないおやじだが、最後の「編集長の矜持」とやらに少し救われた。

  • 「疑似作家体験」という夢を売る男の話。ジョイントプレスという出版社と著者が半々でお金を出して出版するという方法が主力の出版社で、賞に応募してきた人物にオファーする辺り、正直、詐欺のような気がして読んでいて嫌な気分にさせられるし、丸め込まれそうな気になるのが更に気分が悪い。
    「最後がいい人で良かった」という人が多いが、本当にいい本とはなんだろうか?今、世に出回っている本は、こうして編集者が「売れる」と判断した本が世に出回っている訳だが、少し考えてしまう。

  • 表紙に 餌は「夢」、と言われているバクが描かれていたが バクは文中には一切登場せず、しかしなるほどそんな風にもとらえられると妙に納得してしまった。
    主人公の編集部長は、多くの人々が持つ「表現したい」という人の欲求、夢を利用し、本を出版させて著者から利益を得るという違法すれすれの営業方法で腕を振るっている。
    いろんな作家志望が出てきて主人公の手腕に惚れ惚れとさえし始めてきたラストに 我に返って安心するオチがちゃんと用意されているのである。
    夢を売る先を見失うことなく、その本質を見抜く眼力も衰えさせることなく彼はやはり敏腕編集者なのだ。
    彼の相手を読み取る力、説得力、ポジティブ発言は是非自分も習得したい。
    また 小説の社会的地位とか販売の実情とかブログとか百田氏らしい興味の沸く 小ネタがたくさんあってこの辺りは相変わらず面白かった。

  • とても読みやすい本ですが、期待値が高かったため低評価にしました。

  • 単純に面白かった。いろいろ言われることも多い作者さんだけども、
    本を「エンタテイメント」」としてとらえるなら充分にエンタテイメントしていると思います。たしかに永遠のゼロと同じ人だとは思わないだろうなー。

  • 元テレビ屋の 百田何某さんは、ラーメンでも カレーでも 美味しいです。
    今度は、たこ焼き食べよう。

  • 文は軽快で読みやすい。
    大した内容がない、出版業界のブラックコメディと捉えることが出来ると思うが、案外それだけない。

    出版の話に食いつく著者達は、本当に現代人の多くが罹患しているスター病とでも言うべき、『有名になりたい』、『本当の自分』、『評価が不当なのは周りが愚か』という症状を様々な形で見せてくれる。

    翻っていえば、この作品をコメディたらしめるところは、自分の中のそういった部分を見透かされ、苦笑いするところにあると言える。

    まぁ、こんな誰に読まれるでもないレビューを書いてる時点で同類…
    でも、出版の話がきたら、1万までならだします!

  • 本が売れないと言われている今、それでも本を出版したがる人がいる。皮肉を散りばめながら、出版業界の事情が面白おかしく描かれていてスラスラと一気に読めました。自虐ネタもあって、ニヤリとしてしまいましたよー!

著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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