竜の学校は山の上 九井諒子作品集

著者 :
  • イースト・プレス
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本棚登録 : 2888
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784781605456

作品紹介・あらすじ

勇者は孤独な里帰り、女子中学生の天使は進学に悩み、 ケンタウロスは馬車馬のように働く、今日も大学の上空には竜が飛ぶ…… あたりまえのように、そこにある非日常。 現実(リアル)と幻想(ファンタジー)が入り混じる「九井ワールド」へご案内!  ウェブや同人誌即売会で発表された7編に加筆修正を加え、描き下ろし2編もあわせて収録。 ウェブや同人誌即売会で作品を発表し、広い世代から注目を集める新星、初の作品集!

感想・レビュー・書評

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  •  九井さんのデビュー作。それ自体ほんわかする。しつつ、こうなったら楽しそうねーとは思うものの、どの話も刺さる。
     『現代神話』と「竜の学校は山の上』が好きだな〜特に。

    ・現代神話
     馬人(ケンタウロス):タナベくんと奥さんのポジティブさと言うか、明るくてほわ〜っとしてて前向きな雰囲気が良い。関連づけて考え出したらキリがないけど、兎に角奥さんカワイイ。大きいパンツもかわいい。文句言わずに精進料理で痩せていく旦那さんもカワイイ。ほんわかする。タナベくんがベンチに腰掛けた図もかわいい。そして少しホロっとする。

    ・竜の学校は山の上
     ヒリュウのよし子(4)がめちゃくちゃ愛い。もはや尊い。P.237〜の一連の流れがとてもスキ。
     「竜なんか役に立たないから大切にする意味はないと言われても〜」てアズマくんの問いに対する香野橋部長のセリフ…あと「世の中にはなーふたつのものしかないっ〜」に痺れた。
     キツネのブドウ。

  • この作者はほんとに竜が好きですね。
    他の作品集に比べて描き込みが少なくてさみしいところが多いですが、
    十分楽しめる一冊かと思います。
    私は嫁さがしの話が一番好きです。

  • ファンタジーでありながら、シリアス。「ダンジョン飯面白かったから他の作品も読んでみよー!」ってノリで読み始めたので面食らった。現実の社会問題にも通じるものがあると思う。

    人の数だけ善悪があって、好き嫌いがあって、そして損得がある。

    どの短編も、最後に救いを残してくれていたので読後感は穏やか。

    私は特に勇者と魔王に関する前半のお話が好き。勇者と、魔王の妻になった王女が特別印象に残ったなぁ。2人は、どんな選択肢を選んでいれば良かったのかなぁ。

  • RPGで魔王を倒したことがある人は読むべき漫画だ、たぶん。
    ゲームしないからわからんけど。

    RPGというわかりやすい勧善懲悪ものも(知らないだけでそうでないのもあるかも)、久井ワールドでは「ラスボス1人倒しただけで世の中平和になったら苦労しないわ」ということになる。

    ゲームにはゴールが必要だけれども、現実の世の中に「ここにさえたどり着けばすべてが解決」というゴールはない。

    でも、じゃあ現実がゲームみたいだったらよかったのか?
    答えが一つの世界ならよかったのか?
    争いの元は絶やせばいい、猿人(ホモサピエンス)と馬人(ケンタウロス)のどちらかしかいない世界にすればいいのか?
    というと、
    「そーかもね
    でもちょっとだけつまんなかったかもね」
    (from『現代神話』)
    なのだと思う。

    答えはわからんけど、諦めないよ。
    諦めるということは見捨てるということと変わらない。
    希望こそ、勇者がくれたものだ。

    ……というなんか説教臭いレビューになってしまうんだけど、久井さんはこれを、全部ファンタジーの体をとっているのに妙に現実くさく、笑えるほどしょうもないレベルに落として、私の隣で喋ってくれるので、笑いながら、ぎくっとしたり、あああーーー…あるよなあ……となったりする。ないよ。同僚がケンタウロスだったり、クラスメートに羽生えてたりはしないんだけど。
    でも似たような「異種」はいくらでも隣にいるんだろう。私が異の方かもしれない。
    でもどんなに異に見えても、きっと「なーんにも変わらない」んだろう。ケンタウロスに言われてしまうとな…。
    そんなもんだと考えれば、いくらか、一緒に暮らしていくための良い意味での諦めと希望が見えてくるような気がする。
    まあ、しょうがないか、という感じで。

  • これは面白い。魔王討伐後の世界とか。ドラゴンが普通の現代とか。とか。とか。ファンタジーなのに地に足着いてる感じでするすると溶け込むように読めてしまう。沁みる。ケンタウロス族と人間が共存する世界のお話かわいかったな。

  • 現代の日本(?)に竜がいて竜学科のある大学があったり、背中に羽が生えていて飛べる人間がいたりと、世界観が独特で面白かった。
    勇者が魔王を倒したその後の話は切なかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      九井諒子って、ちょっぴり不思議な世界を巧く描いてますよね!
      九井諒子って、ちょっぴり不思議な世界を巧く描いてますよね!
      2014/05/16
  • どの作品集よりも一作品一作品がシリアスで、クスリ笑いすら出ないものすらある。より切なめなショートショートが読みたい時に。
    表紙絵にもされてる「現代神話」が1番インパクトあった

  • 丸井鯨子さんの作品は・・・「ひきだしにテラリウム(2013)」、「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子(2012)」に続き・・・ 『竜の学校は山の上 九井諒子作品集(2011)』 ”進学天使”が切なくてよかったなー。

  • RPGに浸かっていた身分にはとても心地よい作品。魔物と、感情移入しやすい行動に従うキャラクター達が物語に引き込んでくれる。いつまでも浸っていたい世界。

  • 一言で言い表わせない面白さ。何か不思議で、非現実的なのに実際ありそう。神様を娶る話、普通はあれでめでたしめでたし、欲張りのお父さんは…な話かと思うけど、なぜお父さんが、というラストシーンが絶妙。

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著者プロフィール

pixivやコミティアで活動し、2011年、短編集『竜の学校は山の上 九井諒子作品集』でデビュー。13年『ひきだしにテラリウム』で、第17回「文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞」を受賞。14年より「ハルタ」にて連載開始した『ダンジョン飯』は、「2015年度コミックナタリー大賞」「このマンガがすごい!2016」オトコ編、「THE BEST MANGA 2016 このマンガを読め!」「全国書店員が選んだマンガランキング2016」と数々の賞で1位を獲得した。

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