- Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796638432
感想・レビュー・書評
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この作品はミステリではなく、ファンタジーであると思う。ネタは別の作家が使用している。
しかしそれでもやっぱり良い。心を動かしてくれたことは嬉しい。
最初は特に動きもないが、途中から集中して行くでしょう。
第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラー。脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
事件を契機としたピアニストと少女の物語
序盤からは全く予測できない展開
物語が最後まで丁寧に書かれすぎていていると思う。
悲惨な事件や事故の物語だが内容は徐々に明るく日が差してくるようで山奥の療養所の礼拝堂の情景と合わさっている。
【奇蹟 】キリスト教などの信仰を通じておこるとされる超自然現象。もしかしたら、土地柄少女の亡くなった両親が?そういう含み?
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「このミステリーがすごい!」の第1回大賞作品。殺人事件があるのでは無く、タイトルにあるような本当に「奇蹟」という言葉がピッタリな作品。少女を助けたことで、小指を失ってしまうピアニスト。その後、ピアニストと少女の不思議な体験。ネタバレなしで表現するとこんな感じであろうか?
映画で実写化されていたが、なんかあまり評価が良くないようで、中々世界観を表現できなかったのかな?
書籍はナイスでした。 -
再読!
やはり泣ける。10年ぐらい前に読んで、衝撃を受け、ストーリも覚えていましたが、再度読み直しました。
第1回「このミステリーがすごい!」大賞・金賞受賞作品。
本書は「このミス」シリーズを読み始めるきっかけになった作品ですが、正直、その後は「このミス」で素晴らしいと思える作品にはほとんど出会えませんでした。
ストーリとしては、脳に障害を負った少女千織。その少女を助けるために指を失ったピアニストの如月。山奥の診療所を千織のピアノを演奏するために訪問します。
その診療所で如月に好意をもっていた真理子と再会します。
しかし、ここで事故が発生。千織をかばった真理子は重体に。
そして、不思議な出来事が起こるといった鉄板のストーリ展開。
生きるということ
自分自身と向き合うということ
切なさ、辛さが伝わってきます。
そんな癒しと再生のファンタジーです。
後半はストーリがわかっていながらも心揺さぶられ、熱いものがこみ上げてきます。
さらに、本書で出てきたピアノ曲
「別れの曲」
「月光」
ストーリと曲がつながります。
これ、やっぱり映像で見てみたい。
とってもお勧め -
すごく時間がかかった。
読む人の好みかなり分かれるのでは。
私は期待してたのと全然違う方向に行ってしまい、しかも全く共感もできず、いつか、面白くなるんじゃないかと、感動の涙くるんじゃないかと思いながら読了。
涙出ませんでしたー。
ピアノの件長いし。人選ぶ。
このミスのミスってミステリーであってるよね。
これはミステリー??
ファンタジーなのでは。 -
左指を失くしたピアニストと知恵遅れだが、天才的なピアノ奏者である少女、千織の物語。
2人は千織の知恵遅れを少しでも克服しようと、老人ホームなどの施設を訪問しては千織のピアノ演奏を聴かせていた。
しかし、ある施設訪問の時に事故に遭い、その施設の調理師である真理子(青年の後輩でもあった)と千織の体が入れ替わってしまう。意識不明の重体である真理子の体はどうなってしまうのか…四日間に起こる奇蹟とは何か?
とても読み応えのある本だった。「生きる」とはどういうことなのか、今一度考えてみようと思った。 -
生きているのか、あるいは生かされているのか、医学的なことも哲学的な面も解らない。それでも、その生きてきた自分を認めることができるというのはとても大切なんだろう。筋書きの根幹は平々凡々だけど、だけどやっぱり目頭が熱くなる。
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心というものが肉体を離れて存在する。とクライマックスに出てくる言葉とても心揺さぶられた。登場主要人物みんなが、傷ついた過去があって生きている。突然の事故で、生涯を終える4日間だけ少女の体を借りて思いのすべてを悔いなく生きる彼女こそが本当の主人公だったのかなと思った。人生に起きる色々なことは、全て意味があって意味あるものにしていかないともったいない。と思わせてくれた作品だった。2005年に映画になっていて観たいと思った。
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第1回このミス大賞受賞作のベストセラーということで手に取ったが展開が遅く退屈に感じられた。決して読みにくいというわけではないが・・・
冒頭から心理描写的な内容が続き、作品の核心になるエピソードに入るのが500ページほどの本書中盤からである。これはちょっとしんどかった。
文学的にはともかく、ミステリー物としてはいかがなものか。
書評には「伏線が素晴らしい」とか「感涙のラスト」などとあるが微妙だ。
もう一度読み返せばわかるかもしれないけど。