日本人の9割が知らない遺伝の真実 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797389746

感想・レビュー・書評

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  • ●→本文引用

    ●「得意」とは絶対優位のこと。誰よりもよくできること。(略)もしもそれが自分にとってはつまらないことでも、誰と比較しても優位な能力を持っているのであれば、それで世の中に貢献することができます。しかしそんなものを持っている人はごくごく一部です。絶対優位にある「得意」なことがないとき、あなたの中で「好き」なことを選ぶ。あなたがこれまで生きてきた経験から、あなたがしてきたこと、できること、しなければならないことのうち、あなたが一番「好き」だと感じていること、それが比較優位です。それを絶対的なもっとうまくこなす人はいるでしょう。しかしそんなことにはお構いなく、比較優位の能力としてやはり貢献することができます。あなたにとっての比較優位は「ローカルな絶対優位」になりえます。

  • 遺伝子で人間の才能の半分以上が形づくられている。それに抗うことはできない。それらを踏まえて自分の適性に合わせて、無理せず身の丈に合わせた楽しい人生を歩んでいく必要があると考えてしまいました。

  • 行動遺伝学に基づくデータ解析結果と、それを踏まえての教育制度のありかたについて。

    能力・性格など、遺伝の影響は無視できないくらい大きいが、遺伝の影響オンリーではない。

    項目別に遺伝する度合いがデータで示されていて、具体的でよかった。

    やっぱりね、と納得。

  • みんなが薄々感じていたことを科学的見地からズバッと教えてくれる本。結論としては、人の能力の大部分は遺伝の影響をめっちゃ受ける。環境とか努力もあるけど遺伝の影響の方がデカい。という内容。

    ■遺伝と環境の影響バランス
    遺伝以外の影響とは環境、環境は共有環境と非共有環境があって、家族に似させるのが共有、異ならせようとするのが非共有環境。

    遺伝が影響する対象と比率は色々ある。例えば青年期のIQの個人差は遺伝5割、共有2割、非共有3割。指紋だと遺伝がほぼ100%、体重だと遺伝が9割、非共有1割。

    知能や性格、様々な分野の才能は遺伝があまねく、無視できないほど大きく影響している。さらに注目スべきは個人差の大部分が非共有環境によって成り立っている。

    ■遺伝と家系
    遺伝はどの階層においてもばらつきがある。優秀な家系で劣勢の遺伝が出ることもあるしその逆もまたしかり。ただし、年々世代ごとに知能は向上していることがわかっていて、IQは30年で10ポイントも違ってくる。

    人の脳は6歳位までに8、9割でき、そのあと12歳位で大人の大きさに成る。
    それまでは脳の成長にエネルギーを割かれるため、第二次性徴期に入ってから身体の成長がようやく始まる。

    ■能力差とどう付き合っていくのか
    絶対優位と比較優位がある。絶対的な能力差においても、環境や役割が違えば比較優位と捉えることができる。そしてそれがローカルであれば絶対優位になりえる。

    能力はその時の時代背景によっても活かされるかどうかが変わる。
    ある時代では有能な能力も、ある時代では役に立たない、その逆もまたありえるということ。

  • 才能は遺伝か環境かという問題は常にあり続けこれだといった答えはまだでていない。

    しかし遺伝が影響していること自体は否定のしようがない。

    問題は遺伝がその人にどのくらい影響を与えているのか、だ。

    専門家の話なので遺伝について勉強になりました。

  • かけっこ王国のはなしはわかりやすかった。小学生からみんなが100m走を走らされ、タイムで順番をつけられていく。長距離走、走り高跳び、水泳、柔道、いろんな競技があるにも関わらず。

    遺伝の影響は思っていたよりも大きく、現代の社会はあまりにも知能を重視した世の中になっているということを認識した上で、その人が持つ特別な何か、興味があることを大切にしながら教育をしていくべきという話かな。

    あとは本来なら共有環境(家庭での教育など)なんて意味がない、まともに見ると驚くべきデータではあったけれど、共有環境が非共有環境に大きく影響を与えている気もする。
    家庭内での親の姿、しつけ、助言で、外の社会の選び方、立ち振る舞いかた、趣味の選び方などなどたくさんの影響がある気がするので、ここはあまり納得できなかった。

  • もっと実生活に関連する内容を期待していたが、学術的な内容で若干残念。

  • デスティニープラン…
    (byガンダムSEEDディスティニー)
    行動遺伝学を悪く使えばデュランダル議長のデスティニープランが実現するんじゃないか?
    各人の遺伝子特性によって社会的役割が決定される究極の管理社会が実現すれば全人類規模で人材の適材適所が実現される…

    本書はそんな本ではありません(笑)
    遺伝子特性を無視した努力を「強制」することがよくないのであって各人の努力を否定するものではありません。


    行動遺伝学は新しい学問で僕は最近よく聞くようになりました。
    才能と遺伝
    収入と遺伝

    どちらかといえばあまり繋げて考えたくないエリアやと思います。
    勉強はムダなのか?
    努力はムダなのか?
    この辺を読み解くような本なのかなと思います。

    知能が遺伝する
    とすればまず知能とは何か
    それは「具体的事象から抽象的法則を導いて他の事象に当てはめて論理的に問題を解決する能力」といえます。

    さて知能は遺伝するのか。
    詳細は本書を読んでいただくとして結論的に知能や性格といった才能と遺伝には切り離すことができない大きな影響があるとわかります。

    でも才能は遺伝があれば発現するものではなく環境が大きく影響を与えます。
    その人が遺伝子に導かれるというか完成形に既視感を得るんやと思います。

    そのために親はいろんな経験を子供にさせないといけないし
    子供が才能に気づいたら親のエゴは捨てて子供の人生は子供に預けないといけないんやなあと思いました。

    その辺がディスティニープランとは違うんですよね(笑)

  • 遺伝子の影響の大きさに驚愕!科学的な根拠によりわかりやすく書いてありとても面白かった。

  • 簡単に言ってしまうと、人にはそれぞれ向き不向きがあるので、学校の成績だけで人を判断するのではなく、その向き不向きが見つけられ、それを伸ばしていけるような社会のしくみを作るべきである、というのが本書のメインの主張である、と理解した。
    個人的には、自分には向いていないとされる分野の仕事なのにそれをどうしてもしたい、という場合が困ってしまうな~と思った。
    あと、あとがきで「本書は橘玲の『言ってはいけない』の便乗本」のため「急いで出す必要があった」とはっきりかいているところが正直で好感が持てた。

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著者プロフィール

慶應義塾大学文学部教授
主要著作・論文:『生まれが9割の世界をどう生きるか―遺伝と環境による不平等な現実を生き抜く処方箋』(SBクリエイティブ,2022年),『なぜヒトは学ぶのか―教育を生物学的に考える』(講談社,2018年),『遺伝と環境の心理学―人間行動遺伝学入門』(培風館,2014年)など

「2023年 『教育の起源を探る 進化と文化の視点から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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