珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2012年8月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800200723
感想・レビュー・書評
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私を『日常の謎』系のミステリーにハマらせた、岡崎琢磨先生の傑作です。
殺人事件のような殺伐としたことは一切起きませんがちゃんとどんでん返しを味わえます。
登場人物が少ないので覚えやすく、またそれぞれ魅力的なのがいいですね。
最後は思わず泣いてしまいました。
これからミステリー小説を読み始めたいと言う人にまず読んでほしい作品です!!
ミステリー入門と言えばやはり「十角館の殺人」がよく挙げられると思いますが初心者にはやや長く、登場人物もそこそこいるのでこちらの方が個人的にはオススメです!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カバーイラストのふわっとした可愛い雰囲気が好きです。こんな喫茶店があったら通いたい。
半分ジャケ買いです。
内容はカバーイラストとは裏腹に、かなり考え込まれて作られた文章と、ミステリ、キャラクターもパンチが効いております。
主人公すらも読者を裏切るようなラストには驚きです。
バリスタの推理でなるほど。と思うが、どこにそんな布石があったか!?と何回もページを遡りました。 それを踏まえていまから再読します。
ぜひ、コーヒーをお供にオススメです。 -
日常系として主人公と女性のバリスタがコーヒーの薀蓄などを披露したり謎を解いたりしていく様は、平和でゆったりとしていて気楽に読むことが出来た。
少しずつ2人の関係が進展するのも良い。
また一転してシリアスになる部分があるのも緩急があって良かった。
逆にイマイチに感じた点はミステリーが弱いこと。
あとがきでも言及されていて出版される前に手が加えられたらしいが、それでも弱く謎と推理自体にそそられない。
またミスリードを誘うためか唐突に情報を隠したり、誤解を招く文章にしたりする箇所が多く、非常に読みづらい部分が散見されるのが残念。 -
喫茶店のバリスタとコーヒー好きなお客さん。
次第に縮まっていく距離に、ほんわか系の話かなと思っていたら、思わぬ過去が隠れていて。
伏線が多く大半は気付かなかったので、後半のどんでん返しには驚きました。
途中少し意味深な表記があり、ミスリードだろうなとわかっても、読みきれず、でもちょっと混乱させすぎな気もしました。
私の理解力が足りないだけかもですが。
シリーズになってるようなので、続きも読んでみたいと思います。 -
「たいへんよく挽けました」
京都にある純喫茶タレーランのバリスタ切間美星がハンドミルで珈琲豆を挽きながら推理をまとめるコーヒーミステリ。
死体が出ない比較的平和な物語だった。
このミス大賞受賞作らしく最終話にアッと驚く仕掛けがある。
楽しく読めた。 -
大好きな珈琲店が舞台ということで楽しみにして読んでみたけど
正直よくわからなかった。
最後の方は全く意味がわからず、結局2人の関係は続いていくのね、と続編があるので納得した感じ。
BOOKOFFで2巻まで買ったので読んでみようか⁇とも思っているけど、うーん、どうしよう⁇
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「このミステリーがすごい」の大賞は獲得できなかったけれど「隠し玉」として大いなる期待を受けて出版されたそうです。
書店で目にした時に装丁の雰囲気とパラパラと斜め読みした感じが「ビブリア古書堂の事件手帖」によく似た雰囲気だったので「バッタもんかな」と勝手読みして今までスルーしてきた作品。
読んでみるとその文体は格調高いというべきか、それともやたらと婉曲な表現を使う小難しいセリフが散りばめられる、ミステリーを読むにはちょっとまどろっこしいかなと思ってしまう。
しかし謎解きに当たっては、著者にコロリと騙される。
騙されるというのは人聞きの悪いと著者はいうかもしれない。
読者がストーリーを勝手読みして自分から罠にはまっているだけだと。
こういう騙され方、好きです。
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登場人物のキャラクター設定がいい。各人物の色がきちんと出ており、現実にいそうだが、実際にはいなさそうな、そんな舞台が楽しい。作品では、日常のミステリーを解決する話を中心に、人情物に近くてホロリとしてしまうものなど、各々のイベントに飽きがこない。加えて、恋愛要素もあり、心の橫をくすぐられたような甘い感じもある。コーヒーと読書はお友達であるが、コーヒーとミステリーの相性もよい。タレーランのような喫茶店が実在すれば通いたい。時には読書をする空間として、時には謎解きをする空間として楽しみたい。
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あくまでフィクションですよ、と言い聞かせるかのような登場人物の名称やセリフの言い回し。だがそのセリフや主人公の一人称ナレーションのテンポが抜群に良い。文章に淀みがなく、読んでいて気持ちがいい。だからってサラサラ読んでいるとすぐ騙される。さて、続きはどうだろう。楽しみだ。
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あぁ〜こんな喫茶店に出会いたい!
美味しいコーヒーが飲みたい!
読みながらコーヒーが飲みたい!
本格ミステリーで疲れた時のコーヒーブレイクにオススメの一冊です! -
コーヒーを飲みながらまったりと読みました。
今年になってからよくコーヒーを飲むようになったので、本書に登場する珈琲蘊蓄も非常に楽しく読めました。
それから、最初に登場するタレーラン伯爵の言葉が素敵。
いわく、良いコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、そして恋のように甘い。
珈琲好きの至極の言葉。
舞台は京都ですが、京都って古風な街並みで風情のあるイメージですが、お洒落なカフェも多そうで、ましてこんな風な隠れ家カフェが似合いそう。
一見さんはちょっと簡単に立ち寄れない感じですが、そこがまたいいですね。混みあわないお気に入りのカフェがあるって憧れます。
こちらは殺人事件などが起こるわけではなく、日常の謎に迫るミステリー。コーヒー豆を挽きながら、軽妙に謎を解いていて、テンポがよくて読みやすい。
重すぎなくて、本当にコーヒーを片手に読むのに最適ですね。
シリーズ化されそう、と思ったら、既に続編が結構出てるんですね!またぜひ読んでみたいと思います。 -
主人公の青年が、京都市内にある純喫茶「タレーラン」で、求め続けていた理想の味のコーヒーに出会うところから、物語は始まります。しかし、若くして店のバリスタを務める切間美星(きりま・みほし)は、人並みはずれた推理力の持ち主で、青年が書き残したメール・アドレスから、彼の名前はアオヤマに違いないという推理を披露します。
こうして、アオヤマ青年は喫茶タレーランに通いつめることになり、美星がいくつもの難事件を名推理によって解き明かしていくのを、目撃することになります。ところが、そんなアオヤマに、胡内波和(こない・なみかず)という青年が声をかけ、かつて美星がストーカー被害に遭っていたことを聞かされます。胡内は、長く他人に対して心を閉ざしていた美星が、アオヤマに対しては少しずつ心を開こうとしていることを知り、彼女を守ってほしいと告げますが、それ以来美星の過去にまつわる思いがけない事実が明らかになり、さらにアオヤマの元カノの虎谷真実(とらや・まみ)もストーリーに絡んで、物語は予想外の結末を迎えることになります。
三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ(メディアワークス文庫)や、東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』(小学館)と同様、ややライトノベル的なキャラクター造型のミステリですが、上の2つの作品に比べると、ミステリとしてのストーリー構成が巧みだと感じました。その一方でキャラ立ちという面では、若干劣る印象を受けてしまいました。この作風だったら、栞子さんや景山のように、もっと「狙った」キャラ設定でもよかったのではないかと思います。 -
内容(「BOOK」データベースより)
京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり―。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。
3月21日~25日 -
言いたい事は解説で語っている通りだと思う。キャラクターと設定がよい。ミステリ弱い。読みやすい。サブタイトル好き!個人的には7章のカードを読んだ主人公の語りが陳腐でガッカリだった。主人公もチャラい感じで感情移入できない。でも次巻買う。無理してミステリ詰め込むよりも前半みたいに緩い感じでもいいと思う。
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こんなのどうせビブリアの真似してるだけだろ!
と思って読んだら、意外に面白かった★
二人が離れ離れにならなくて本当に良かった●^ _ ^● -
表紙や帯を見て読みたくなりました。京都を舞台にミステリーな事が起こり喫茶店のバリスタが聡明で身近な事件の謎を解くという、設定。色々な伏線を引いておいた結果は最後に解る。新人にしてはなかなか凝った作品。しかし、設定内容は別の作者のモノに似通った感じがした。
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珈琲に縁のあるネーミングが面白い。言葉遊びが巧いね(^O^)珈琲あんまり詳しくないから蘊蓄も勉強になりました(笑)キャラ設定が非常にユニークで飽きさせないなぁ。短編みたいな作りで進んでいくから読みやすい。珈琲が美味しく飲める一冊。続編希望(笑)
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表紙がアニメティックな話題のミステリー小説『珈琲店タレーランの事件簿』
面白そうという感が当たったかと思われたが、
読み進める内に、
予想が外れたぁぁぁぁ
めちゃくちゃ面白くて良作だぁぁぁ~
予想していた数百倍素敵な作品で作者さんだぁぁぁ!
と、
いきつけの喫茶店で一人感極まっていました。
超・ギザおすすめです♪ -
この作品には、叙述トリックが多用されているのだが、叙述トリックというのは、読者をミスリードすることによって生じる錯誤を利用してあっと驚かせることを目的とし、そのためアンフェアではないという批判は過去にもいろいろあったことは否めない。
それ故、ミステリーの手法としては、評価の分かれやすいものであることは、重々承知しているのだが、これはないでしょう。
京都の隠れ家的な喫茶店でおいしいコーヒーを飲みながら、日々のなにげない出来事の謎を解きつつ、ヒロインの痛ましい過去を精算し、そして、ストーリー全般には叙述トリックを張り巡らしですか。
ひとつひとつに重みがないから、いっぱい詰め込みましたみたいなことになってしまっているとしか思えない。
作者に力が無いことはないと思えるから、もっと書きたいことを絞って、とことん掘り下げればよかったのに。なんだか、もったいない作品だった。 -
小さなカフェの美人バリスタと、そこに通うコーヒー好きの主人公による謎解きもの。
人とか死なないけど(笑)、謎解き面白かったです。
先入観まったくなしで読んだので、素直にすごい構成だなーと感心しました。
(構成についてあんまり触れると何言ってもネタバレになりそうなのが謎解きもののつらいところ...。)
カフェが舞台なのでコーヒーに関するうんちくもたのしい。
ただ叙述トリックを多用してて、ちょっと分かりにくいところもあったかなと...
これは私の理解力がないせいかもしれないんだけど(笑)
でも綺麗に騙してくれたので、それはそれで気分よかったです。 -
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「最後の展開には驚きました!」
そうなんだ、
実は珈琲好きなので読んでみようと思っています。近々2も出るようなので、一気に2冊読もうかな?「最後の展開には驚きました!」
そうなんだ、
実は珈琲好きなので読んでみようと思っています。近々2も出るようなので、一気に2冊読もうかな?2013/04/06 -
nyancomaruさん:こんばんわ。コメントありがとうございました(#^^#)
「一気に2冊読もうかな?」
いいですね(〃ノωノ)
珈琲...nyancomaruさん:こんばんわ。コメントありがとうございました(#^^#)
「一気に2冊読もうかな?」
いいですね(〃ノωノ)
珈琲を飲みながら読むのもいいかもしれませんね♪
今までこの小説の2段の表紙が白紙でしたので
今ブグログを開いたら、ちょうど絵が出ていたので発売まであと少しなので楽しみです!!
2013/04/17
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京都を舞台にした、珈琲恋愛ミステリ。
途中まではビブリア的な雰囲気で、同じように進んでいくかと思いきや、最後は練られた作戦に、「え、そっち!? え、そういうこと!?」と右往左往。
バタバタしながらも最後はホッと読了。
珈琲の薀蓄が散りばめられていて、珈琲好きにも嬉しい。
もう少し京都に詳しければ更に楽しめるのかな。-
京都に住んでいる者としては「ああ、ここあるある!」「え、ここら辺にある設定!?」と結構わくわくしながら読めましたよ^^なので本を片手に京都に...京都に住んでいる者としては「ああ、ここあるある!」「え、ここら辺にある設定!?」と結構わくわくしながら読めましたよ^^なので本を片手に京都に行くと面白いと思います!2013/03/01
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この『珈琲店タレーランの事件簿』は、非常に完成度の高い日常系ミステリです。おそらく、ドラマ化かアニメ化か映画化も遠い話ではないでしょう。
物語は、主人公がタレーランという名の珈琲店で、大変においしい珈琲と、それを作ってくれた切間美星バリスタと出会うシーンから始まります。このバリスタが素晴らしい頭脳を持っており、探偵役として鋭い推理力を発揮していくことになるのです。
以後は、連作短編の形でストーリーが展開していきます。その中で二人の素性と過去がからみ合い、事件と並行しながらその縁が深まっていくのですが、物語はラストで二転三転。単なる「日常系」の枠には収まらない面白さを備えた野心作と言えましょう。
唯一の難点と思われるのは、文章の冗長さです。地の文と登場人物の台詞のいずれも余計な「説明口調」になっており不自然に感じられるのです。もうちょっと軽やかに読ませてくれてもいいはずのストーリーが、無駄に冗長になっている感がなきにしもあらず。
悪い意味でテレビドラマ的なんですね。読んでいて、読者にとって容易に察せられる部分は省き、台詞の中で説明口調になっている部分は地の文に回すなど、もうちょっと工夫が欲しいなと思いました。
もっとも「このミス」というレーベル自体がテレビドラマ向けの作品を意識しているようなところがありますからね。それは賞の性格そのものを表しているのだと考えて、差っ引いて読んでもいいでしょう。
この辺りについて、僕が比較対象として頭の中で思い描いているのが、同じ日常系ミステリである『ビブリア古書堂』シリーズです。あれは文章全体があっさりし過ぎ・淡々とし過ぎのように見えて、実際には素晴らしい匙加減になっています。
――なんか偉そうにケチをつけてしまいましたが、この「難点」は僕自身も文章を書く時に気をつけていることなのです。だから気になるだけで、言い方を変えればそれ以外は特に気になる部分もなく、面白く読めました。
本当に個人的なことを書きますと、バリスタがあまりに魅力的すぎて僕はたまりません。一時期は寝ても覚めてもこの小説のことを考えていたほどです。
pixivでも意外に美星バリスタを描いたイラストが少なくて悲しい思いをしております。『珈琲店タレーランの事件簿』、まだまだ多くの人に認められる余地のある作品です。 -
キャラクターが個性的で面白かったです。
美星さんが可愛くてww
次回作なでるそうなので期待してます。 -
稚拙な文章、感情移入しにくいキャラクター、日常を大げさに表現しただけのなんちゃってミステリー。ラノベ好きな方や普段本を読まない人なら楽しめるかもしれない。が、私はとても読みづらかった。なにより珈琲を題材にしている話なのに、表現出来てるのは知識だけで、珈琲そのものの味も薫りも良さも何一つ伝わらなかったのは致命的だと思う。