響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編 (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800294012

感想・レビュー・書評

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  • 今まで久美子の性格ちょっと優しすぎない?って思ってたけど、やっと人間味が出てきた感ある!!結末は王道だけどそれがまた良いと思う。面白かった〜!!

  •  『2019年 7月 6日 第1刷 発行』版、読了。



     読み終えるまでは「久美子三年生編の後編」にするつもりでしたが……本作は、シリーズ完結編となる後編です。

     本作のエピローグを読み終えたら「ああ、ホントに、これでこのシリーズが終わったんだ……」と、寂寥に包まれながらも、読後感の良さに清々しさを抱きました。

     もの凄く、読み応え十分な一冊でした☆

     そしてページをめくるたびに「もう残りこんなに薄い厚みになっているけど……どんな結末が待っている!?」と、止まらなくなりました(><;;ww

     今から、この原作が映像化されるのが楽しみで仕方ありません。


     本作の前編でいくつかの伏線がはられておりましたが、それらが一応は回収されておりましたので、その点は良かったです☆

     中でも緑輝の人柄は最後までブレずに好感をもてるキャラでした☆ 進路先がなぜ、ソコに落ち着いたのかは、ものすごく謎でしたが……(^-^;;

     まだこのシリーズの(すでに発売中の)短編集は未読なので、それらにひょっとしたら、なにかしらの(ヒントになるような)エピソードがあるのかもしれませんので、引き続き手を伸ばしたいと思っています☆

     またOG登場のオンパレードでありました☆ その点も良かったです☆

     個人的には、久美子達が卒業した後の北宇治高校吹奏楽部が気になるところです(おそらく奏あたりが幹部になっているかな……とか思ったりw 発売予定とされている新作短編集にそんなエピソードがあることを期待しております☆)

     初読でしたので、また映像化されたタイミングで再読したいと思っております。とても……とても良いシリーズでした!

  •  学校見学で先輩だからといえどいきなり2時間の分散行動を決定する奏の自由さというか判断力の良さが何となく印象に残る。
    家族に悩みを吐露して発散すると解決するのはちょっと自分的にはアレかもなと思う。
    それでいいのなら根幹の判断力ってどうなるんだろうと思ったりするけど、最終判断が的確にできるかどうかによるか。
     お互いの水着の下だけ交換ってのが往年の百合作品でたまに見る下着交換感があってここが一番何故か背徳感が高い。
    優子と夏紀が同じ大学なのは決定事項だけどバンドってのは作者特権というかこういうルートにしたのかと思った。確かにルートとしては十分想像の範囲にはあったけど、リアルに続編の展開として提示されると「おおっ」と感じる。

    ・合宿
     求と緑はほのあたたかく見守ってるって感覚で皆が受け流してるのがあまりにも不自然だったので真由のツッコミは相当重要だと思う。
    柚スカッシュって見かけないけど多分あるのだろう。
     黒江真由の優しさなのかそれとも優位性を持っているからこその譲りなのかは久美子の視点で見るときとそうでない読者であるときの差が出る。
    滝先生の大会テクニック話と久美子がしかける駆け引きの描写は結構好きで、実のところあんまりこの二人って密な会話できていなかったんだろうなと思わせてくれた。直球な質問ができる環境というのがそもそもあまりないからしょうがないけど。
    全国大会の出場は過去シリーズの上位校ミスや編成メンバー決定で浮かぶ温情ルートっていう部分からしても妥当に見えた。この辺がシナリオ上難しい所だと思うが、作中中盤だったし一つの本としても閉めにするにはまだ早いというところか。
    ・三章
    求が死んだ姉の影を追いかけるからって理由にするのは全うというか定番な感覚。
    樋口がナンパめいたつっかかり方をしてるのとその後の求に関する確執を解くために久美子がやり取りする部分で個人的にはこの「謝って」という攻め方がある種の学生感が凄くあった。こんな感じのやり取りが実際に自分の身に起ったわけではないが、らしさは感じる。
     あすかとの会話時に結果的に香織が聞き役として同席しているのは良かった。基本的に思考回路を正面からぶつけないしそうなった時はピリピリした雰囲気になってた前回と違って香織のフォロー力の方がこの場合効果的だったまでありそう。
    愚痴話の仕方が本当にこれでいいのかって部分はあるけど、そこまで過去の北宇治と同じ対立軸だったのかはちょっと考えたが、あすか先輩の超理解力や話の関係上問題はないか。
     久美子が決心した直後の先生になりたいと思い立つ瞬間や、麗奈とのハグ、部員全員を前にした演説の流れは強かった。そこから先はラストまでほぼサクセスストーリー状態でソリに復帰し全国金を取り改めて告白成功してエピローグまで駆け抜けるので爽快ではあった。
    全体の流れは上手な転校生が来て本人を揺るがして部活を教師が二分させ、その流れを収めて成功するのはどことなく一年時における立場をそのまま引き継いで行ったようにも感じる。
    黒江真由は正直なところ立華高校の瀬崎未来先輩のような完全性こそなかったが、精神的な部分で他者との間に圧倒的に確たる物を持ってることを提示して主人公の心を揺るがさせて変える役割を同じように持たされていて、同じ言葉を繰り返した苛つかせ方の魅せ具合いと、久美子の場面に焦点が集まった結果そこから先が若干見えなかったのは若干残念かもしれない。
    瀬崎未来の時も感じたようにこのキャラクターはもっと見えてくる物があったほうが輝きそうと思えるくらいに良かった。
    全体のストーリー「転入生によって一時期のメインが取られたがパワーアップして戻り、最後には成功を収める」というのはもしかしたらありがちの展開かもしれないが、悩む久美子が回答を出すまでの流れこそに心が持っていかれるので十分に楽しめた。
    秀一が最終的に王子様ムーヴしてるのがちょっと気にならないわけではないが、なんかまあいいかなと。

  • 前年度、関西大会で涙を飲んだ北宇治高校吹奏楽部の目標は「全国大会金賞」

    部長の久美子(Euph)、幹部として久美子を支える副部長の秀一(Tb)、ドラムメジャーの麗奈(Tp)を中心に、関西大会に向けた夏合宿が始まる

    その2日目、顧問の滝から発表されたオーディション結果が波乱を巻き起こし、部内に不協和音が広がり、久美子と麗奈の関係にも亀裂が入ってしまう

    シリーズ累計150万部突破
    アニメ版、劇場版も展開される大人気の吹部エンタテインメント最終楽章の後編、いよいよクライマックスへ

    《誰かは誰かにとって、特別な存在だから。》

    「エピローグ」では進路に悩む久美子のその後が明かされる

    本書は「響け! ユーフォニアム」シリーズ全体の12冊目、北宇治高校吹奏楽部の本編としては7冊目(第一楽章3冊、第二楽章2冊、最終楽章2冊)にあたる

  • 若干、駆け足気味ではあったけど、これにて完結。ちゃんと落ちるとことに落ちてよかったなぁという感じ。久美子に関してはばっちり予想通り。ただ駆け足気味だったせいなのか、久美子以外のキャラがどうなったのかが気になるような気もしてる。エピローグの感じからして、なんだかんだスピンオフや続編はきっと出るから、出たら出たで買っちゃうんだろうなー。

  • 久美子世代3年間の集大成
    変にひねった物語にせず、王道展開でとても良かった。

    盛りだくさんな内容の中で、卒業生達のエピソードもさりげなくあって嬉しい。

    個人的に感動したエピソードが二つ、一つは恐らく最後になる大吉山のシーンで、映像化されたらとても美しい絵になると想像できる。
    もう一つは、ずっと第三者目線で立ち回っていた黒江真由が、ようやく吹っ切れた久美子に引っ張られて奏と3人で写真を撮られる場面。
    ずっとぎすぎすしていたユーフォ組がようやく和解する象徴的なシーンに見えてほっこりした。

    これで最後かと思うと寂しいが、作者の今後の展開に期待しております。

  • 困ったときのあすか大明神、V3のピンチに登場する技の1号、みたいな(笑)

    アニメの、なんだそりゃ、な山登りを大詰めで回収してきたのは、作者も気にしていたのかな?

  • ついにユーフォニアムシリーズ、完結。

    するすると読めてしまう、でもそれでいて厚みのある物語が個人的に感じたこのシリーズの特徴だと思うが、今作もそれをしっかりと受け継いでいる。


    ただ最後の方が思ったよりあっさりとしていた。アニメからユーフォシリーズに触れた身としては、原作ならではの久美子の機微を感じ取れるところが好きだったのだが、全国大会での演奏後の久美子の描写があっさりしすぎていて驚いた。その部分をもっと知りたかった。全国を終えての久美子はどういった気持ちだっただろうか?部長として苦難に遭いながらも確実に成長してきた彼女の、全国大会での演奏を終えた気持ちを知りたかった。


    全国での結果やエピローグなどは正直予想通りだったが、それでいい。いや、それがいい。
    ユーフォではオーディション、大会での賞など、評価を下されるシーンが多々ある。私は登場人物たちと共にこの結果を待つ時の緊張感と、その文面を見るのが好きだ。




    「北宇治高等学校、ゴールド金賞!」




    こうした結果というのはある程度分かっていても、文章を読んだ時の脳がビリビリと震える、この癖になる感覚がたまらなく好きだ。この文字を追うのが好きだ。





    このあといつものように短編集が出るのだろうか?楽しみにしています。(出してください……)

  • ひとえに眩しい。こんな青春がしたかった。こうしてみると京アニは武田さんの細かく丁寧な表現を驚くほど完璧にアニメに落とし込んでいたんだなと気づく。来年4月が楽しみだぁ

  • アニメから入った作品ですが、アンコン編が映画化ということもあり原作を一気に読み終えました。
    ストーリー展開としては王道。2年生編まで読み終えていたら3年生編の大筋は正直読まなくてもわかっていた方も多いのではないかと思います。
    この作品の魅力は様々な人間関係やその苦悩が描かれている点ですね。ただの青春部活ものってわけじゃなくそれに付随する色んな問題を描いていて、シリーズを通して芯のある作品だと実感してます。
    あとは個人的に夏紀や優子、あすかや香織などの先輩方を登場させてくれたのがとても嬉しかったです。

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著者プロフィール

1992年京都府生まれ。第8回日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』が2013年に出版されデビュー。『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』がテレビアニメ化され話題に。同シリーズは映画化、コミカライズなどもされ人気を博している。2020年に『愛されなくても別に』が第37回織田作之助賞の候補に、また2001年には同作で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。その他の著作に、「君と漕ぐ」シリーズ、『石黒くんに春は来ない』『青い春を数えて』『その日、朱音は空を飛んだ』『どうぞ愛をお叫びください』『世界が青くなったら』『嘘つきなふたり』などがある。

「2023年 『愛されなくても別に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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