理系的

著者 :
  • 田畑書店
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本棚登録 : 19
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784803803877

作品紹介・あらすじ

「生命」とは何か。生きるとは? ——生涯にわたって追い求めてきた根源的思考が、自由闊達な文章に結実し、読む者の胸にストレートに伝わってくる。30年の空白を埋める類い稀なるエッセイ集!
 隅田川のほとりに生まれ育ち、その黒い流れに「生命の不思議」を見た著者が志した科学と小説の道——書いてきた日々も、書けなかった時も、長年の創作生活の合間合間に紡いできたエッセイの数々。その集積の果てに見えてきたのは、理系的であろうとするほど文学的になっていく〈素の自分〉だった!

感想・レビュー・書評

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  • 家族関係、学生時代の研究、結婚生活、読むことと書くこと、非常勤講師として学生への小説指導、ジムでの運動と出会い、退職後の日々などについて闊達に述べられる。『小説』の姉妹編と言ってよさそう。こちらの方がより増田みず子という作家について直截に書かれていて面白かった。

    母親との関係はかなり緊張したもの。高校中退の原因について落ちこぼれたと言い、また失踪したとも言い、まるでシングル・セルの稜子のようで可笑しくなった。何が本当かなんてどうでもよくなる。書いてあることを読めばああそうかと思うだけだ。

    最近になるにつれ文章が簡素化されていく。話し言葉に近づいていく。「最後の本」と言わず小説でもエッセイでも短くてもなんでもいいから、どうかまだまだ書いて、また本を出してほしい。

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著者プロフィール

1948年、東京に生まれる。東京農工大学農学部卒業。77年、「死後の関係」が新潮新人賞の候補となり、その後「個室の鍵」「桜寮」「ふたつの春」が連続して芥川賞候補(その後も合わせて計6回)となるなどして、小説家としてデビュー。85年、『自由時間』(新潮社)で野間文芸新人賞、86年、『シングル・セル』(福武書店)で泉鏡花賞、92年、『夢虫』(講談社)で芸術選奨文部大臣新人賞、2001年、『月見夜』(講談社)で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞する。著書として他に、『自殺志願』『降水確率』(以上、福武書店)、『鬼の木』『火夜』(以上、新潮社)、『夜のロボット』『水鏡』(以上、講談社)、『禁止空間』『風草』(以上、河出書房新社)ほか多数。

「2021年 『理系的』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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