全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界

著者 :
  • ビジネス社
3.50
  • (2)
  • (1)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 48
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828421544

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  歯に衣を着せぬ、というのはこういうことだ。
     荒削りの調査と分析、そして思い切りのよい予測の断言が魅力的だ。学閥に与することもなく、保身もない、著者が言う孤独の発言には勢いがある。
     統制社会に進む世界に警鐘を鳴らす好著だ。ただ、何しろ荒削り、またそれが繋がりや忖度に生きる者のその生き方に対しても警鐘を鳴らす著者の存在、それが際立っていると思う。

  • 保守、リベラルいずれからも嫌われる人こそ最も優れた知識人。

    人類は中国化していく。

    監視カメラ
    人権侵害という新たな切り口

    普通選挙と複数政党制がデモクラシーの条件

    華為
     株の98.7%は従業員が所有。国有企業ではない。
     若者は国有企業が嫌いなため応援する。

    ZTE
     深圳市出資の企業

    中国は年3千億ドル半導体を輸入。弱点。

    習近平の母校、精華大学傘下、紫光集団
     子会社 長江メモリーテクノロジーズ
     サムスンの技術を提供
     ファーウェイに売り込む

    中国製造2025
     アメリカの大学の先端研究を盗用
     トランプ制裁に反対の李国強勢力も一致団結

    テスラ
     中国進出 トヨタとパナも影響下に

    アフリカと中国 
     資源と開発のバーター、チャイニーズトラップ

    華龍1号 中国原発
     フランスのアレヴァの技術
     チェコ、40兆ドルの原発2基で十分

    サハリン 天然ガス
     パイプラインで日本へ安価に

  • 面白かった。親中?ということではなくって、とにかく中国の成長をちゃんと評価した上でどう対処するか、それを考えないといけない。と思わせてくれた本です。
    以前の著者の本読むと過大評価では?とおもったところもありますが、この本では中国のしたたかさわかりやすかった。

  • この本の著者である副島氏は、私が社会人になった平成元年頃からずっと新刊本が出たら追いかけてきた方です。この本は令和2年1月に発行されすぐに読んだのですが、レビューを書くのに時間がかかってしまいました。

    私が物心ついたころは、米ソの二強でしたが社会人になって少し経った頃に、ソ連邦が解体されてアメリカの一人勝ちとなりました。あれから時が過ぎ、今はその相手は中国になったようです。

    現在、コロナショックが進行中ですが、震源地と思われていた中国では収束に向かいつつある一方で、欧米ではコロナウィルスが猛威を振るっています。その影響は私にも大いにあり、2月末から始まった在宅勤務は、現時点で判明しているだけでも4月10日までと、一か月以上に渡っています。

    このような経験は社会人生活初めてです、東日本大震災でも1週間程度であったと思います。この1か月の変化が、今後さらに大きな変化をもたらすと思いますが、この本のテーマのように覇権が中国に渡ってしまう可能性も否定できないですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・中国製の監視カメラ会社に、最初に技術を開発して売ったのは、ニコン・キャノン・パナソニック・ソニーである。世界一の技術力を持っている、カメラ以外には、センサー、フィルターの電子部品(p4、62)

    ・2010年に日本を抜いた中国はあと5年(2024)でアメリカのGDPを凌駕して世界一になるだろう(p33)

    ・今やアリババの「アリペイ」と、テンセントの「WeChatペイ」が巨大な金融機関になってしまった、1)スマホ決済、2)定期預金のような金利のつく金融商品、3)融資を併せてやるので、銀行消滅となる(p52)

    ・ヤフーの創業者である、ジェリー・ヤンもアリババ株を10%くらい持っている、日本で「ペイペイ」というスマホ決済を始めたが中国のものよりスピードが遅い(p75)

    ・ファーウェイは、アメリカのクアルコム社の世界最先端の半導体を、あと2年で超えるものを作っている。ハイシリコン(ファーウェイの内生子会社、半導体設計)はすでにクアルコムを抜いて、量子コンピュータを作っている(p85、92)

    ・中国は2022年から民主政体に移行していく、習近平の3期目の次の5年が2022年(第20回党大会)から始まる、この任期中の2027年までに中国は、普通選挙制度と複数政党制を実現する、これが実現すると、デモクラシーである(p150)

    ・カザフスタンという国が、これからユーラシアが栄える時代に世界の中心になる、この国のアルマトゥに新しい世界銀行ができるだろう、中露と中央アジア5か国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン)で上海協力機構も作られている(p214)

    ・ドローンの怖さは、従来型の大型兵器とことなり、レーダーにつかまらないで低空飛行で目的地まで到達して爆撃する、2019年9月にサウジのガワール油田を爆撃した(p249)

      2020年4月11日作成

  • 2020/03/02:読了
     やっぱり、分析能力は優れていると思う。
     いろいろ攻撃を受けているとは思うが、なんとか残って欲しい戦略家のひとりなんだろうな。
    2021/03/26:二度目
     印象に残ってなかったので、また図書館で借りてしまった。

  • まえがき
    第1章中国のディストピア化を追いかける世界
    第2章貿易戦争から金融戦争へと移り変わった米中対決の構図
    第3章中国は最早アメリカとの力相撲を恐れない
    第4章中国にすり寄る韓国、北朝鮮と台湾を巡るつばせりあい
    第5章中国の膨張を招き込んだアメリカの弱体化
    第6章アメリカと中央アジアに広がるチャイナネットワーク
    第7章ディストピア中国の不穏な未来
    あとがき

    2020/1/1初版発行

    P165 名目GDP、日本は2010に中国に抜かれ、今、中国は
     日本の3倍。2024には、中国はアメリカを抜く。

    パックスブリタニカ⇒パックスアメリカーナ⇒パックスチナの
    覇権になるはずと、思っている。
    副島氏がいつも、中国を見たことのないやつが批判をするな
    と、言っているが、その通りである。
    中国と貿易をして30年経った、彼らの進歩は早い。
    もう日本は見ていない、日本に来ると、人は元気がないと、
    感想を言ってくる。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

副島隆彦(そえじま たかひこ)
評論家。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。1953年、福岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。外資系銀行員、予備校講師、常葉学園大学教授等を歴任。主著『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社+α文庫)、『決定版 属国 日本論』(PHP研究所)ほか著書多数。

「2023年 『大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

副島隆彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×