- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829504741
作品紹介・あらすじ
沖縄戦、米軍基地問題、沖縄独立論議……
2009年6月に沖縄大学で行われた
講演・対談4時間半。大幅加筆して単行本化
次々と出される疑問・謎を丁寧に解いていく
「沖縄の常識」が覆される!
★沖縄戦が本当に終わった日はいつか?
★日本軍幹部の「見事な切腹」は捏造では?
★沖縄独立の可能性は?
★外務省との通信に暗号文が使われているのはなぜか?
★沖縄大使とは何か?
沖縄の歴史を読み直し、沖縄人の知力、誇りを取り戻すことが沖縄の未来を創ることにつながる
感想・レビュー・書評
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沖縄は異国だと考えるとよい。日本ではなかったのだから。
戦前、沖縄には大学、専門学校、高校すら1つもなかった。戦後になってようやくできた。
知性や知力を増強するためにはあらゆる分野で情報収集力を高めることが重要になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は2009年6月に沖縄大学で行われた四時間半にも及んだの講演・対談を大幅加筆訂正を施した上で書籍化したものです。沖縄戦、米軍基地問題、沖縄独立論議…。現在もくすぶり続ける問題が語られております。
これは、沖縄大学で行われた対談・講演の様子を単行本化したものなんだそうです。母親が沖縄出身の佐藤優氏と、元沖縄県知事で前参議院議員をなされ、現在は大田平和総合研究所主宰されている大田昌秀氏との4時間半にも及ぶ対談は、本当に内容が濃いもので、今まで知ることのなかった沖縄のことや、長年知ることのなかったことが次々と浮き彫りにされておりました。
僕が読んでいて印象に残っているのは日本本土と沖縄の「建国神話」が異なるということでした、詳しいことはわかりませんが、今に至るまでのさまざまな苦難や佐藤優氏によるところの「同朋意識」が中央官庁の政治エリートやいわゆる「本土」の人間との間に「意識の違い」をもたらすのだな、ということも改めて思い知りました。
さらに太平洋戦争(大東亜戦争)の末期、「捨て石」として大本営からみなされ、アメリカの新聞記者をして
「第二次大戦中世界でもっとも過酷な戦場」と言わしめた沖縄戦。大田氏をしての「醜さの極致」と言わしめるような旧日本軍の沖縄県民に対する残虐なまでの扱いの数々を詳細なデータをもとに解説する大田氏と、母親が沖縄戦で九死に一生を得たとさまざまなメディアで語る佐藤氏の証言をあわせていくと、あの戦争で生き残る、ということは本当に「奇跡」そのものであるということと、その影響を基地の問題などでいまだにくすぶっているのだということが、読みながらまざまざと感じることができました。
最後の質疑応答や文中ほうでしばしば、小林よしのり氏とのことが散見するのですが、小林氏の『沖縄論』を読んだ後にこの本を読むと『あぁ、そういう見方もあったのか』ということや沖縄の人間の機微に関する話など、そういったものも自分の中である程度整理できたので、この本と出合えたことはありがたいなと思っております。 -
講演2つと対談1つ
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現代の沖縄の問題や沖縄戦の話はいろいろ知っているつもりだったが、あらためて勉強になりました。
マスコミでなかなか言われないらしいのですが、基地を撤去したときの経済効果の試算は知らない話でした(勉強不足かも)。
ただこの本で残念なのは、編集者がきちんと仕事をしていないというか、あちこちに整理されていない部分があるんですね。
せっかくこんなにスゴい著者を二人並べて、いい内容になっているのに、それがとても残念です。
[10.4.22]