シルバー・レイクの岸辺で―インガルス一家の物語〈4〉 (福音館文庫 物語)

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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834018158

作品紹介・あらすじ

シルバー・レイクに移り住んだローラは、失明した姉のメアリイを助け、かあさんの片腕として一家を支えます。(S-13)

感想・レビュー・書評

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  • 生きていれば自分の意に沿わぬ事も受け入れなければならない。夫婦の間の価値観の相違も古今東西どこでもあるものだ。

    この家でも渡り鳥のように移動しながら暮らして行きたいとうさんと、教育環境の整った町で暮らしたいかあさん、二人の妥協点を探りながらの暮らしぶりが伺える。

    メアリーが失明したことにより、ローラはかあさんの望む教師への道を、気が進まないながらも決意する。人は何もかも自由にはならない。一人では生きていけない。当たり前にような事を押し付けがましくなく、説得力を持って知らされた。

  • どんどん大人になるローラ。
    町ができ始めて今までの暮らしができなくなるから
    あんまり好きじゃない巻だったけど、
    大人になると両親の苦労に脱帽です。
    4人の子供をなんとか食べさせて、
    苦労は多いけどまずまず幸せでいられるって
    すごく大変だよな〜と今は思う。

  • 前作から5年が経っている。
    更に姉妹が増え、姉のメアリイは猩紅熱で失明してしまう。
    それがきっかけなのか、ローラは既に一家の支えとして成長してきているように見えた。

    鉄道敷設の現場に携わって更に西へ移動した一家。
    そこで大きな森に住んでいた叔父や叔母の一家が引っ越してきて
    改めて関わりができる。
    そして農地を払い下げてもらい、落ち着いた場所にだんだん町ができてくる。
    ウィスコンシン州の大きな森に居た頃はどちらかというと自給自足だったが
    ここへきて経済活動が活発になってきたような印象を受けた。

    先にも書いたように、メアリイの失明によって
    ローラに「自分が一家を支えていく」という決意と成長が見えた気がする。
    まだ親の意向に従おう、という感じではあるものの、
    将来教師になる、という目標もできて、
    近所の子供たちとキャリーに勉強を教える場面は
    「大人になったなぁ」という感慨に囚われた。
    そしてキャリーも、妹のグレイスが生まれたことで更なる成長を感じた。

    作中で1880年の年明けを祝う場面がある。
    1870年代から1880年頃というと、日本では明治維新を迎えたばかり。
    国としては日本よりもずいぶん若いのに
    鉄道敷設の工事の描写などを見ているとずいぶん近代的だなと思ってしまう。
    案外150年前というのは遠い過去ではないのかもしれない。

    できたばかりの町に家と農地を構えたインガルス一家は
    これでようやく落ち着くのだろうか。
    話の終盤で、将来ローラと結婚することになる
    アルマンゾがちらっと出てくる辺りにニヤッとした。

  • 4巻目。

    1巻目はローラが5~6歳、
    2巻目は6~7歳、
    3巻目は7歳(町のガッコうへ行く)
    4巻目は13歳 姉の失明
    読者の成長とともに続編を読んでいくとよい。

    他の翻訳もあるが、丁寧な描写の福音館がおすすめ。

  • 物語の終盤ですれ違う素晴らしく美しい馬を連れた若者がアルマンゾと呼ばれているのを見てキャーってなった。「農場の少年」の主人公、ローラののちの夫じゃないか。

    姉のメアリイが失明することを覚えていたので、この巻を開くのはなんとなく億劫だった。読んでみたらそんなに暗いトーンの話でもなかった。
    ブルドッグのジャックが死んでしまったのは悲しいなあ。動物との別れは本当につらい。

    ローラが立派に娘さん(といっても12歳程度)になったことで、厳しくも優しい母キャロラインがわりと保守的な人だということが分かってくる。メアリイもキャロラインに似た性質で、ローラと父チャールズは自由闊達、冒険心の強い(ある意味好き勝手な)性質。次女ってそういうとこあるよね…と勝手に肩入れしながら読んでいた。

    福音館版のインガルス一家物語はこれでおしまい。子供の頃続きが気になって他社のものを読んだらローラが両親を「とうちゃん」「かあちゃん」と読んでいるのがどうしても無理で(福音館版だと「とうさん」「かあさん」)読めなかったのだ。村娘だからとうちゃんかあちゃんでも合ってるんだけどね…こちらも自分の中でイメージが出来上がってしまっているから。
    と思っていたら、新訳版が出ているらしいことを知った。読むー!

  • 【大草原の小さな家シリーズ】
     
    このシリーズの中で、なかなか読み進めなかった一冊。
    裕福ではなくとも、豊かな心持ちのインガルス一家と
    ローラの成長が救い。
    メアリーの失明が辛くて、読むのが辛かった。
    今でもふと、読みたくても今は読めないな・・・とプラムクリークや、大きな森、大草原へと逃げてしまう。

  • ローラの成長を感じさせる一冊。
    メアリーの失明、プラム・クリークから西部への移住、新しい街の作られていく様子。
    測量技師の家の豊富な食料と、それを見てはしゃぐローラの描写が大好きです。
    みんなでこっそり隠しながらクリスマス・プレゼントを準備するところからクリスマス当日の場面はとても豊かで、何度も何度も繰り返し読んでいます。

  • シリーズの中で、いちばん「変化」を表している巻じゃないかな。はじめて、色々な悲しみ、やるせなさを知るローラは、少女から、だんだん大人になっていくんだな。私もそうだ。

  • 土手の家を出て、シルバーレイクのそばで、鉄道工夫の会計をしながら夏を越し、いよいよ理想の土地を手に入れて、引っ越すまで。メアリーが、猩紅熱で失明するのが、読んでいて辛かったです。

  • 姉のメアリイが熱病で失明してしまい、彼女の目になっていこうと決断するローラ。

    野性的な少女レナと馬を乗り回すシーン。
    冬の測量技師の部屋で、豊富な食料と石炭に歓声を上げるローラ。
    不自由なくあたたかい家で冬を過ごせる安らぎ。父さんにダンスやチェッカーを習って。
    妹のグレイスに母さんが作った、白鳥のフードのついた青いコート。
    ボースとさん一家と過ごす、楽しいクリスマス。そしてニューイヤーのお祝い。

    厳しい現実と戦う一方での、素朴な喜びに満ちた日々を、ときどき読み返したくなる。

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