- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834081978
感想・レビュー・書評
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【読了メモ】(151211 18:12) 梨木香歩・作、小沢さかえ・画『岸辺のヤービ』/福音館/2015 Sep 10th/マッドガイド・ウォーターのクーイ族が一、ヤービ族の男の子とウタドリさんたちのお話。みんながんばれ。
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人間には殆ど知られていないカヤネズミほどの小さな生き物で、家族と暮らすヤービという男の子との出会いとその仲間たちの交流。
読み終えてみて、物語の背景や設定説明のような印象で、交流や展開はあるものの大きなメッセージ性もなく、次巻から話が面白くなるのか?とおもわせる。が、それにしても一冊の本として刊行されているにしては、がっかりであった。
特に100ページあたりまでは退屈で、ヤービのお母さんの指輪が見つかり、物語が大きく動き出すのかというと、普通に家に戻る。
初めの方に出てきたトリカが食べないと言っていた理由や、お母さんが不機嫌な訳なども納得が行かずに終わる。
命を食す事、環境、虫の生態や、多種との共存、ストレスのやり場など、多くのテーマを散りばめているが、全体としてぼんやりとしたまま。
昔からある児童文学に似た設定でもあるが、あえて今、この設定が必要な意味も見出せない。
挿絵は丁寧で良いが、イメージは固定してしまいそう。 -
リンドグレーンとか、バーネットのような翻訳物のような雰囲気をもった作品。
登場人物(動物かな?)が個性的だし、彼らから話を聞くウタドリ先生の存在もとても素敵です。
色々なところに伏線を残し、次作への予感を漂わせてくれています。とっても楽しみな作品です。 -
新しい人気者のシリーズが生まれそうな予感。
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素敵な土地だなぁ。
ムーミン初期のような、小さな世界が素敵。
土地や学校について、もっと知りたいです。 -
好奇心旺盛なヤービが可愛い。ミルクキャンディを持って泳ぐシーンが好き。ムーミンっぽい雰囲気。続編があるみたいなので楽しみ。
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お話と絵の雰囲気がぴったりあっていて,愛すべきヤービのいろいろなことがとっても楽しい.マッドガイド・ウオーターに私も行ってみたい.
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梨木香歩自身が大好きだっただろう、ヨーロッパ、とりわけイギリスの児童文学を思わせる。本の造りもそうだし、内容も始まりも、懐かしくてワクワクしたのだが。
古典的児童文学を知らない子どもが読んだら、単に不思議な生き物の物語と思うのだろうか。
汚れちまった大人としては、なぜ今これを書いたのかと思う。単に書きたかったからかもしれないし、自分の子どもに読んでほしくなったのかもしれない。他の生き物の命をいただく意味を考えてほしかったのかもしれないし、自然の素晴らしさとともに、自然破壊の恐ろしさも伝えたかったのかもしれない。
でも、例えばそもそも似ている『たのしい川辺』や『くまのプーさん』や『床下の小人』と比べたら見劣りするし、オリジナルの生き物の創造というところではムーミンの方が魅力的な気がするし、章のタイトルに内容が小さく添えられているのはケストナーみたいだけど、ケストナーほどの洒落た感じもしない。
この一冊で完結しないのを、何度も言うことにも違和感がある。いい本なら一冊だけ読んでも面白いものだが、これはどうだろう。
私が梨木香歩に期待しすぎなのだろうか。あまり楽しめなかった。
純粋に楽しむなら、前述の古典的児童文学を読む方が余程楽しい。
この作品ほど対象読者の年齢が低い梨木作品は初めてで、彼女ほどの手練れでも、簡単には行かないのだなと思った。
ノートンやミルンの才能をあらためて感じた。