- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840210881
感想・レビュー・書評
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「ブギーポップ」シリーズの第5弾です。
寺月恭一郎(てらつき・きょういちろう)という実業家が死後にのこした、奇妙なかたちの高層建築「ムーンテンプル」をおとずれた人びとの前に、「歪曲王」と名のる人物が現われます。歪曲王は、一人ひとりの過去に重大な意味をもつ人物のすがたをとっており、人びとの心のこりに思っていることを解決するために現われたのだと語ります。
ムーンテンプルにやってきた田中志郎(たなか・しろう)羽原健太郎(はばら・けんたろう)の二人は、寺月恭一郎によって事件が引き起こされたと考え、ムーンテンプルの中枢部へと向かっていきます。
それぞれの人物がかかえる心のなかの葛藤や闇に向きあうことを余儀なくされるという展開なのですが、それぞれの内面のドラマをていねいにえがくには、すこし紙幅がすくなかったのではないかという印象もあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初読み。巨大高層建築ムーンテンプルに閉じ込められてしまった人々。彼らは夢を見る。心残りのある歪みに君臨する歪曲王。その目的は何なのか。巨大怪獣ゾーラギとの戦いがあったり、過去作の人物が出てきたりして面白かった。本体は意外だった。
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中高生の時に貪るように読んでいた本のシリーズ。
この世に迷わぬものなど存在しない。
もし迷わない者がいるなら、それはもうこの世界に絶望している者だけだ。 -
ブギーポップシリーズ4作目。亡くなった資産家・寺月恭一郎が建てた謎の建築物“ムーンテンプル”が舞台。訪れた人々は内覧イベント中に建物内へ閉じ込められてしまう。そこで姿を現した“歪曲王”。その能力によって人々は心にある歪みと向き合うことになる。歪んだ塔のような建物の中で巻き起こる、自分の心の歪みとの戦い。
経過していく時間を軸に閉じ込められた登場人物たちの群像劇が描かれる。精神的な戦いが多く、時間によっていいところで場面が飛んだり、ムーンテンプルの構造も想像しづらくて一度ですっきり理解するのは難しい作品だなと。ただ、人の抱える歪みに向き合わせるというテーマ自体はとてもシンプルで読み応えがある。
この物語単体で読むよりは、『ブギーポップは笑わない』を読んでからの方が断然に面白く読めると思う。一作目の続きでもあり、アンサーでもある作品だよね。新刻と早乙女の関係性がそう繋がってくるのかと膝を打った。はっきりしないものが嫌な委員長である新刻が歪みを正そうとするシーンはスカッとしたね。
前回の『パンドラ』ではブギーポップはあまり出番がなかったけど、今回は出ずっぱりでまさにオーバードライブ。新刻との会話もよかったし、咲子との終わりの会話もグッとくる。ここが第一部完なのかなと思わせるシナリオになっていて読みごたえがあった。
あと、ブギーポップのこの言葉が好き。優しい死神。
「その人が優しかったのなら、それは君の優しさなんだ。歪曲王にはぼく同様に─そう、さっき君が言ったとおりに─おそらく主体がない。君の中の歪みが形となって出てきただけだ。と言うことは、君はこれまで自分の優しさを歪ませ続けてきた、ということになる」
「それは決して楽しいことではなかったはずだ。歪んでいることは君をいつも苦しめ続けてきたはずだ。だが─その苦しみの数だけ、実は君は優しい人間だった、ということになる」 -
読了。
うーん…これはあんまり好きじゃなかったな。
よし。次を読もう。 -
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誰もが持っているんだろうなぁ。歪曲王。
登場人物多いけれど、過去作品を舐めるように読んできたのですんなり。 -
ブギーポップシリーズはいつも途中で言ってることがわからなくなるけれどこの作品はダントツでした。もう一度読まねば