- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845637959
作品紹介・あらすじ
名作文学を読みやすくマンガにするという企画は1960~70年代にはおなじみでした。紫式部、アンデルセン、グリムといった世界中の作家の名作を原作に、昭和時代から多数生み出されてきた名作文学マンガの作品群から、選りすぐりのコラボレーションを選出します。
感想・レビュー・書評
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女性漫画家によるマンガ×名作文学の贅沢なアンソロジー。
1970~80年代に雑誌やコミックで既に発表された作品。当時その作品そのものや漫画家に親しみ、懐かしくなる人も多いのでは?
中でも美内すずえ「ガラスの仮面」の作中劇「たけくらべ」が載っていたことに驚き&喜び(^^)。美内先生のおかげで未だに原作を読まず、知った気になっている…。
特に良かった作品
・萩尾望都×アンデルセン【白い鳥になった少女】
原作は「パンをふんだ娘」
・牧美也子×紫式部【花陽炎(源氏物語)】
光る君と藤壺の出会い
・美内すずえ×樋口一葉【たけくらべ】
・坂田靖子×ペロー【お妃と眠り姫】
ペローの残酷な怖い話なのにコミカルに描かれている。お妃のキャラが憎めず、笑っちゃう。
・文月今日子×ルイ・エモン【白き森の地に】
カナダの開拓者一家の生活を、主人公の恋愛を軸に描く。 -
文学が原作の少女漫画アンソロジー。ラインナップは以下。
〇萩尾望都「白い鳥になった少女」(アンデルセン「パンを踏んだ娘」)1971
〇水野英子「サンドリヨン」(グリム「シンデレラ」)1977
〇牧美也子「花陽炎」(紫式部「源氏物語」)1987
〇美内すずえ「たけくらべ(『ガラスの仮面』作中劇より)」(樋口一葉「たけくらべ」)1977
〇坂田靖子「お妃と眠り姫」(ペロー「眠り姫」)1989
〇文月今日子「白き森の地に」(ルイ・エモン「白き処女地」)1977
〇山岸凉子「ラプンツェル・ラプンツェル」(グリム「ラプンツェル」)1974
〇佐藤史生「美女と野獣」(ボーモン夫人「美女と野獣」) 1980
昭和生まれのおばちゃん的には、ベテラン作家陣の70~80年代の作品をまとめて読めるアンソロジーとしては十分面白いと思ったけれど、ただ「耽美とヒロイン」というタイトル=コンセプトと中身が一致していないような違和感はちょっと残ってしまった。
どの作品も良いけれど、統一感がないというか。カナダの開拓地の話である文月今日子「白き森の地に」とか正直浮いちゃってるし、ガラスの仮面のマヤの舞台まで組み込んじゃうのはどうなのだろう。まあバラエティに富んでるという言い方もできなくないかもしれないけれど。個人的にはアンデルセン、グリム、ペロー等の童話作品で統一したほうがアンソロジーとしては面白かったのではないかと感じた。
個別にみると、萩尾望都の珠玉作「白い鳥になった少女」のカタルシスは言わずもがな、山岸涼子の毒親版「ラプンツェル」は相変わらずとても怖かった。童話の本質を切り取って現代に置き換える作業としてとても秀逸。
水野英子「サンドリヨン」は、シンデレラの原話に近い形での漫画化で、実はシンデレラの物語冒頭がほとんど「美女と野獣」の冒頭と同じであることなど、いろいろと興味深い。坂田靖子「お妃と眠り姫」も、眠り姫の原話にある、王子によって目を覚ました眠り姫のその後(王子の母が人食い鬼で…というやつ)を王妃視点で描かれていて面白かった。
ガラかめは49巻で止まったまま約10年経ちました。小学校入学前の子どもがもう高校生ですよ!そん...
ガラかめは49巻で止まったまま約10年経ちました。小学校入学前の子どもがもう高校生ですよ!そんな年月待たされております( ꐦ ・᷅ὢ・᷄ )