ナポレオンの剃刀の冒険 (論創海外ミステリ 75 シナリオ・コレクション 聴取者への挑戦 1)
- 論創社 (2008年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784846007584
感想・レビュー・書評
-
2021/07/28読了
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なにやら短編で見たような作品が
見受けられますがそこは目をつぶりましょう。
シナリオ集と聞いてなめてかかると
良い意味で裏切られることとなります。
面白いのは
クイーンのライバルが出てくる
「ブラック・シークレットの冒険」でしょう。
言葉どおりに受け取ってはいけない罠や
常識にとらわれてしまうと…という
危険なフラグがいくつもたっているのです。
非常に濃い作品ばかりでした。 -
高級スイーツの盛り合わせを食しているような感じ。どれから食べようかとワクワクするところから始まり、見た目の美しさに感心しながら口に入れると、あっという間にとろけてなくなってしまう。いくら食べても飽きないし、それぞれに味や食感が違うので、すごく得した気分になる。エラリー・クイーンという作家は決して難しくはない。ただ、ミステリに関して妥協を許さない、ハイレベルな人間というだけなのだ。本作品は「国名シリーズ」よりも親しみやすいし、キャラは明るく会話も軽快。エンタメ性を重視してはいるが、肝心の謎解きはスキも容赦もないのでご安心を。印象に残っているのは表題作。ここで作者はある人物に対してアクロバティックな扱いをしているのだが、数あるミステリの中でも、ひときわインパクトのある展開ではないだろうか。
-
080615