【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!
- あさ出版 (2015年2月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784860637408
感想・レビュー・書評
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ピケティの『21世紀の資本』を簡潔にわかりやすく解説した入門書。
本編に乗っている図から21枚を選び出し、ピケティの結論である「r>g」を導き出しまでの過程を鮮やかに説明している。
なぜ「r>g」と言えるのか、それが経済学にとってどのくらいインパクトのある事なのか理解できる。なにより、高橋氏が自説を控え、解説に徹しているところに入門書としてとの価値が高い。竹信三恵子氏や池田信夫氏の本は、ピケティの名を借りて自説を展開しているだけなので、入門にはなりえなかったのはと大違いである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2016年5月14日読了
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No.752
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高橋洋一氏らしい、図解が多く文章も少なめで余白や行間も多いためかわかりやすい。
ピケティの原書はあくまで専門書なので、時間がないので要点を知りたい人や原書を最初読む人にとっては最初に概略をつかむにはよいと思う。または、傍に置いて原著を読むためのガイド的な使い方もできるかもしれないが。
しかし、これだけ端的にまとめていると、本当に曲解していないか不安になると思う。まあ、そこら辺は原著を読んでみて比較してみたいと思う。 -
わかりやす
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ここまで簡潔すぎると、かえっていろんなものを見落としているんじゃないか、って気がしますが、参考になりました。
『21世紀の資本』を書くにあたってのピケティの執念というか覚悟のようなものも伝わってきました。
が、今回得たものをより確実なものにするためにも、他の解説本にもあたってみたいと思います。 -
2年前くらいに刊行された「21世紀の資本」は、ベストセラーの様ですが、難解で大部な本のようで日本語版でも読むのが大変だというイメージを持っています。いずれ読みたいとは思っていますが、世の中にはそれを読んで解説を書いてくれている人がいて嬉しい限りです。
この本は、私に地政学の面白さを教えてくれた、高橋氏による解説本で、21枚の図をセレクトしてくれて、それを基にあの大作のポイントが理解できるという触れ込みの本です。本当に理解している人は、分かりやすく解説できるのだなと思いました。
どの図も素晴らしいのですが、私にとって一番印象的なのは、1700年からのデータで、世界のGDPの割合の変化を示したグラフ(p15)でした。欧米の凄さを感じました。
以下は気になったポイントです。
・GDPとは、市場で取引された財・サービスの総計、言い換えれば、国民全員が仕事をして得た所得の総額である。欧州のGDPは1913年には47%だったが、2012年には25%(p15)
・1820年から欧米のGDPシェアは急激に上昇している、これは産業革命のお蔭である。産業テクノロジーが飛躍的に進歩して、一人当たりの生産性が高まったため(p17)
・欧米シェアは1950年をピークに下がっていて今後も続くだろう、産業革命以降、発展したテクノロジーはもはや欧米だけのものではないから(p18)
・GDP成長率=一人当たりGDP成長率+人口増加率、である(p23)
・人口増加率は、古代から20世紀半ばまでうなぎ上り、1950年ー90年の2%弱をピーク期として急降下している(p24)
・GDPシェアはいずれ、人口シェアと同程度になると予測している(p30)
・世界人口増加率が21世紀末に0%近くにまで減少されている一方で、一人当たりGDP成長率は1%強に留まると予測している(p33)
・累進課税をするにしても、しっかりとした番号制度(納税者番号)と歳入庁(社会保険料と税の一体徴収)をしないと、累進課税がうまくできない(p40)
・二つの世界大戦を機に、金本位制は失われた。膨大な戦費を到底賄えなかったから(p46)
・金融資産と実物資産を足すと二重計算になってしまう、株や預金にしても同様。預金者にとって預金は資産だが、銀行にとっては負債(p54)
・二度の世界大戦が、財政と政治に与えた影響は、外国資本の損失(革命による収用:ロシア革命により焦げ付いた資金)と国民の貯蓄率の低さである(p58)
・家賃統制政策(不動産から得られる利益の減少)や、企業の国有化(株式投資は控えめ、株価下落)、配当課税・利潤課税・累進課税により、資産家の財力は削がれていった(p63)
・1970年以降に、資本/所得比率が増え始めた理由として、1)民営化、2)資産価値そのものの上昇、がある(p68)
・日本の資本/所得比率は、700%に達した1910-30年をピークとして減少し始めて、1950-60年代には300%程度になった。しかし、1990-00年には再び700%程度に回復している(p76)
・世界の資本分配は、1910年頃までは欧州が50%以上であったが、2000年ころには、アジア・米大陸・欧州は同程度となり、2050年には半分を占めるだろう(p83)
・資本収益率=資本に占める資本所得の比率(r)が、「21世紀の資本」を理解する重大な鍵の一つとなる(p89)
・トップ1%の所得比率の大幅な上昇(所得格差の大幅な拡大)は、アングロサクソンに特有、非アングロサクソンでは少ない(p97)
・新興国では、財政金融、税に関する制度が確立されていないことがあるので、不平等が起こりやすい(p102)
・歴史的事実として、税引き前資本収益率(r)は、つねに成長率(g)より大きい。r>gという不等式がなりたつ(p110)
・21世紀後半の成長率は、19世紀とほぼ同程度となる、従って、(r)と(g)の格差は、産業革命期と同じ水準に近づく(p114)
・二度の世界大戦と大恐慌をまたぐ1913-50年に、資本収益率1%、成長率2%という逆転現象が起きた。1980年代以降、資産家の財力は復活し始めたが、3-4%という高成長率に支えられて、成長率が収益率に勝る状態は、2012年まで続いた。これは一時的現象である(p115、117)
・アングロサクソン国は、急激に税率を上げるものの、一定期間が過ぎるとすぐに税率を下げ、資本家の有利になるようにしているように見える(p123)
・所得税と同様、累進課税の強化は、有事の要請に応じたもの。アングロサクソン国とそうでない国は対応の違いがある(p128)
・r>gという不等式が成り立つ補強証拠として取り上げられたのは、1)資本(主に民間資本)/所得比率(=国民が1年間に得る所得の、何年分に換算できる資本が存在しているか)、2)所得格差(=トップ1%の所得比率)、3)資本格差(=トップ1、10%の資本比率)(p136)
・累進性の強い税率こそが、格差縮小の鍵であるとピケティは言っている(p142)
・より幅広く、長い時系列のデータを地道に並べたことで、ピケティは、ノーベル賞を受賞した、クズネッツ理論を壊してしまった(p147)
2016年2月11日作成 -
the 21 pictures of capital in the 21 century. Thomas Piketty, he is economist, born in the french. he broke the economic nobelist, Simon Smith Kuznets. from republic to civilization. always , r(riches) > g(general person).
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あのトマ・ピケティの「21世紀の資本」を、あの分厚い本を読むことなしに、概要を掴むことができる本です。理論は難解ではなく分かりやすいもので、ここで書かれているように図を見ながら理解することができるものです。「21世紀の資本」の概要があり、その部分部分で解説も入っていて分かりやすかったです。また世間の反応や著者が何を言いたかったのかについても書かれていて、この書に関しての話題についていくことができる位の内容になっていると思います。