- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862381606
感想・レビュー・書評
-
内田先生の著書を読むと、自分自身のひっかかりが、あぁここにあったんだなと気づく事が多々ある。とても上手に言語化して下さっている。
こだわる=居着く
自分の採用した説明に居着いてしまうと自力で現況を改善するのが難しくなる
被害者意識をもつ=弱モノである自分に居着く
これは自分自身にかけた呪いである
被害者意識を持つ事に関して、非常に嫌悪感があった。
(人がというより、自分自身に対して。)
それはこういうことだったんだなーとそとんと腑に落ちた。
責任の矛先を自分に向けることはとても勇気がいるししんどい。
でも、ヨワモノである自分に居着いてしまった時点で、そこから抜け出せなくなる。
抜け出すにはヨワモノである自分に居着いた自分を一度否定しなければいけない。ただでさえ勇気がなくてしんどいから逃げてしまった道なのに。
自分にとって居心地の良い説明につい居着いてしまいたくなる。でも、自分自身に呪いをかけないように自分で自分を奮い立たさなくては。それができるのは自分しかいない。
記号的殺人の呪いに関して
あぁだから村上春樹はアンダーグラウンドで被害者の方々をインタビューしていくことで、「喪の儀礼」を行うことが必要だと感じたのかもしれない。
バジリコ株式会社
2010年詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ずっと気になってた人の本なので読んでみました。
だってタイトルからして気になる。
ひとつひとつが短いエッセイなので読み易いんだけど、
ひとつひとつ読んだあとに考え込んでしまう。
今起こる事件やいろいろのムードについて、
なんかすごく客観的に、雰囲気を掴んでるというか。
言葉でその雰囲気をちゃんと説明してくれてるのか。
あ、なんかよくわかんない感想になってるな。
タイトルにもある「邪悪なもの」の定義がなるほど、って思いました。
本によると、「どうしていいかわからないけれど、何かしないとたいへんなことになるような状況」ということです。
これってさ、なんか結構よくあることじゃない?
それに対する知恵というか、
考え方を提示してくれるように思いました。
あと印象的だったのは、「父」と「子ども」に対する考察。
優れた物語は「私にだけわかるように書かれている」と、
読者ひとりひとりに思わせるという話。
あと犯罪の「歌枕」な構造。日本的な呪いの話。
「内向き」でいいじゃない!ていう話。
あと草食男子についてとか家族の儀礼についてとか。
と、どんどん挙げられるので、
ちょっと読み返してみようと思います。
そしたらまた気になるところは変わっている気がする。
去年出た本ですけど、今読むととても面白いと思う。
多分去年読んでても面白かったと思う。
とにかく、「今」読む本なんだろうなぁ。-
「なんか結構よくあることじゃない?」
そう思います。こう言う捉え方が上手いですよね!
「とにかく、「今」読む本なんだろうなぁ。 」
内田セ...「なんか結構よくあることじゃない?」
そう思います。こう言う捉え方が上手いですよね!
「とにかく、「今」読む本なんだろうなぁ。 」
内田センセの本は、今動いているコトと本質的なコトが、程よくミックスされているからでしょうか、いつ読んでも新鮮に感じます(私の物覚えが悪いのも一因かも知れませんが)2013/03/21
-
-
内田樹さんを私が好きな理由は、理性の外側に人間の強さがあると考えているところです。僕の読書と似たような点がある。読書は、本から意味を取り出すなどということではなく、読書は、読書として意味がある。と、かんがえているんだけれど、そのような根本的な考え方の部分を共有できている気がするのだ。
-
「1Q84」について書かれたエッセイが2篇ぐらいあって、きっとネタバレしているだろうから、先にずっと積んでおいた「1Q84」を引っ張り出しようやく読み出したのだが、なぜだかとてもページが重くて、結局こちらが先になってしまった。
「1Q84」が楽しく読みやすいということは間違っていて、このエッセイ集が止まらなくなるということは残念なことに正解だった。
著者のエッセイはずいぶん読んでいるが、最も軽く、笑えて、しかし示唆に富んでいる。
3.11以降どうも暗く、硬いのだ。本作のノリが好きだ。
恢復希望。 -
【期待したもの】
・内田センセーの「呪い」タイトルは読んでみたかった。
【ノート】
・なかなか自分にとって衝撃的な作品。内田センセーに「こういうことだと思うんだけど、君はどう?」と問い詰められているような感じだ。
「『呪い』というのは『他人がその権威や財力や威信や信望を失うことを、みずからの喜びとすること』である。さしあたり、自分には利益はない。
でも、『呪う人』は他人が『不当に占有している利益を失う』ことを自分の得点にカウントする。 (P81)」
よくぞ自分の中でもやもやしていたものに、ここまで光をあててくれた、という感じもある。やはり、まずは名指すことから始まるんだなあ。
・スキナーの「略奪大国」にも通じる。ちょっと道徳の時間っぽい表現になってしまうが、他人の成功を妬み、嫉む心が、個人を蝕む、というものだった。
・内田センセーは「呪いの時代」という著書で、いかに、この呪詛空間を祓うかという論を展開しているらしいが、それを読む前に、自分で考えてみよう。名指すことができれば、自分なりの解法を考えることは可能なはずだ。 -
内田樹氏の幅広く柔軟で奥深い思想が、縦横無尽に広がる。
右とか左とか、あるいは手垢のついた既成の論理を超えた思考法が、身近な問題から世界的な問題までにどう向き合うかの、ヒント満載の一冊。 -
p.50
暗号はそれがあたかも暗号ではないかのように書かれなければ意味がない。だから、書き手から読者への「コールサイン」はつねに「ダブル・ミーニング」として発信される。
表層的に読んでもリーダブルである。でも、別の層をたどると「表層とは別の意味」が仕込んである。その層をみつけた読者は「書き手は私だけにひそかに目くばせをしている」という「幸福なさっかく」を感知することかできる。 -
140724
-
内田さんの本を読むと、自己肯定感が出てくるので好き。家族や社会との関わり方が見えてくる。自分を愛するように他者を愛せよ!