群青の夜の羽毛布 (幻冬舎文庫 や 4-3)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1257
感想 : 151
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877287184

感想・レビュー・書評

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  • すごく面白い。
    複線の張り方がほんとに絶妙。

  • これが単純に不思議だとか面白いとか思えないのは
    この家族の歪みが私にとってすごく身近で、
    人ごとに思えないからでしょうか?
    これが面白い人っていうのは、どういう点が面白いんだろう。
    ミステリー調のところですか?
    解説を読んでもちっとも良さが分からない。
    後味の悪~い感じだけ残って、今回も小説の内容、
    しばらくしたら忘れてしまいそうな気がします。

    家がめちゃくちゃで、自分はまだ子供で、
    どこか自分の家だって普通だって思っていたいものなんだよね。
    だからきっといつか大丈夫なんじや、そこまでやらなくても
    平気なんじゃって思ってしまうものなんだよ。
    そういうとき恋愛ってものすごく大事になってきて、
    もうそれだけが生きていく支えで
    そういうのって若い男の子にはちょっと面白くて神秘的かもしれないけど
    年数がたつと重いだけで、けしてうまくいかない恋愛の形なんだよね。
    人の家の業まで背負って生きていくのは、愛情や同情だけでは
    なかなか難しいものです。

    筆者は、わかっていて敢えてこれを書くのか?つまるところ自虐の一種?
    それとも、知らないで憧れでこれを書くの?
    後者だったらちょっと許せないけどな。
    私は物語は必ずしもハッピーエンドじゃなくてもいいと思っているけど
    で、これは結局?どうなったの?どういう意味?
    疑問だけでなにも残らない。

    筆者が、「男が欲しかったんだ」といわれた体験を持っているのかな。
    結構びっくりしますけどね、子どもとしては。ショックですけども。
    私の場合は男の名前はつけられなかったけど、
    こうつけたかったんだ、とは言われましたけど。
    本当に経験した人が書くのと、経験してない人がある種の興味で書くのと
    結構読み手に伝わる部分も違ってくると思うので。

    この筆者はどっちなんだろう…と思ったりします。

  • 10/05/12

    私も鉄男みたいな存在が欲しいと思いました。
    みつるちゃんが大好きです。

    さとるは田舎で鉄男と幸せに暮らせたらいいなと思いました!

  • (メモ:高等部1年のときに読了。
     その後、購入し、数回読みました。)

  • 同じく、イスタンブールの安宿にて発見。途中まで面白かったが、終盤の展開がかなり強引。そこで興が冷めた。

  • お母さん怖ぇええ
    でも面白かった!感動した

  • 以前付き合っていた人のことを少し思い出しながら読んだ。
    彼は、強さと弱さを併せ持った人だった。
    と言っても、私が彼の弱さに気づいたのは、別れ間際だったけれど。

    彼は、自分を守るために、相手に牙を向くタイプの人だった。
    責められようものならば、先に言葉で攻撃を始める。
    (彼のお母さんもそれについては嘆いていた)

    彼について相談していた人たちみんなが口を揃えて言っていたのは、「彼は、ACだね」だった。
    まさか彼が…と最初は話半分に聞いていたけれど、
    私が知っている限りの彼の生い立ちを考えると、はなから否定することはできなかった。

    弱さを隠すために、暴力を振るったり、誰かのせいにしてみたりする。
    誰かのせいにしてるうちは、何も解決しないし、弱さと向き合う強さを持っていなければ、
    いくら虚勢を張っていても、いつかはその弱さが露呈されるときがやってくる。

    DVと同じでACもその連鎖に終わりはない。
    それが一番恐い。

    誰もが「幸せになりたい」と願っているのに、
    それを手に入れることができる人と手に入れられない人がいる。
    その違いは何だろう?

  • 内容としては普通なんだけど、見せ方がスゴイ!!
    後半~ラストにかけての展開に驚きました。

    技術的にクオリティが高いんじゃないかと。
    偉そうな評論家みたいだけど(笑)

    感想は、一言で「怖いな」って感じでしょうか。
    (2006.02)

  • 以前に読んで
    「ぞわーっ」としたが、
    再読して、また
    「ぞわーっ」とした。

    この山本文緒的な、
    ねちっこさ。

    たまらなく好き。

  • 山本文緒作品11冊目!
    着実に読破中ですね。
    映画になったみたいです。
    さとる:本上まなみ、鉄男:玉木宏
    見てみたいかも…。

    さて、今回もドロドロで重いお話です。
    もお、コバルト時代からは想像できない暗さ。
    これは恋愛小説というジャンルで本当にいいのでしょうか。
    山本さんってどうしてこんなに狂った女性を描くのが上手いのでしょうか。
    この怖さと世界観は山本さんにしか出せないと思います。
    とにかくぶっとんでます。

    今回のテーマは家族。
    狂った母親から抜け出せない娘の話。
    この家族…本当におかしいです。
    「きれてんなぁ 毬谷さんちは」
    鉄男の言葉はまさにぴったりです。
    お母さんが本当に怖いです。
    そしてさとるも怖いです。
    この狂いっぷりについていけず、予想外の展開が多くて一気に読んでしまいました。
    精神的にめちゃくちゃ疲れましたが…。

    まさに山本文緒って感じの1冊でした。
    読み終わった後に絶対に色んな事を考えます。
    まず「家族ってなんだろう…」が頭に浮かぶと思います。

    山本作品を一気に読むのはこれでやめにしようと思いました。
    少しお休みを入れながら読むのが一番ですね。
    そして落ち込んでいる時は絶対に読んだらいけない作家さん。

  • 家族っていったい何でしょうね?たまたま血が繋がっているだけで、どうしていっしょに暮らしているんでしょう。―丘の上の一軒家に住む女三人。家族とも他人ともうまく関係を結べずに大人になった長女と、その恋人をめぐって、母娘の憎悪、心の奥底に潜めた暗闇が浮かびあがる…。恋愛の先にある幸福を模索した、ミステリアス長編小説。

  • こわいとしか言いようがないです。
    家族の崩壊がテーマで、なんとなく自分にも重ねて読んでしまったところもあり・・あんなやばくないけど。。
    さとるの彼がなんであんなに聖人のような人なんだとふしぎだったが、最後になって分かった。だれしもなにかを抱えて生きてんだなと思った。

    山本文緒やべぇっす。なんか沼のようにはまるっす。この暗さ、鬱さにひきずりこまれまっす。

  • 家族って怖い。
    本当に怖い。
    血の繋がりだけは切っても切れない。
    自分の母親&父親がこうなったら・・・・・
    ホント血の気が引きます。

    母親に超極細神経に育てられちゃった主人公と全てを支配しようとする母親の対立がホントに反吐が出そうになるくらい心の奥が煮えたぎります。そして何より怖い!!

    自分の家族が嫌!!何でこんな家に生まれたの!!??って人は是非読むべし!!きっと明るく生きれます。もっと悪かったら何も言えませんが・・

  • こんな母親に育てられたら不幸だな。偏見だけど、教師という職業にこのキャラは納得。

  • 大好きな作家の一人、山本文緒さん

    これもまぁ淡々と山本節が炸裂してました
    読者に全貌をじわじわと見せて
    「うわあー!」ってならせるのがまじで上手い
    さすがです
    面白いです
    お母さんKOEEEEEEEEEE!

    でも内容あんまり好みじゃなかったな
    全体的になんか、気持ち悪かったんです
    胸がスッとするところが一カ所もないんです
    それが山本さんのすごいところなのだけど

  • 怖い。怖い。怖い怖い怖い。これに尽きる。彼氏が素敵。

  • 2009.04.05. 何度目の再読か。しんどい時に読むと怖いのはわかってるのに、引きずり込まれ、物語が進むにつれ細部を思い出し、でも止められなくて。読んだ後、ずうんどぼんと黒い沼に沈んだ。落ち込んだ。すごく好き、だけど、怖すぎる。私は、ある部分ではすごくさとると似通っていて、余計に怖い。こわい。

    2005.07.31. 2回目だけど、けっこう忘れててどうなることやらと心配して読んだ。それにしても、壊れた家族。さとるにも、どうしても同情できない。まともなフリがうまいみつるにも。キョーレツな母にも。鉄男くん、早く逃げた方がいいよ。そして、父。う゛ーん。あのカウンセリングが、そんな複線だったとは。映画版も見てみようかな。さとるがほんじょさん。

  • 初読:2009/03/13

  • 恐ろしい。でも何度読んでも泣ける。さいこう。

  • 家族の中で支配されていく人間関係。今なら毒親と言われるようなことも、この当時はそれが当たり前だった。家庭という密室で支配された心は蝕まれていく。共依存とも思われるような中でそこを抜け出すのはとても難しい。

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著者プロフィール

1987年に『プレミアム・プールの日々』で少女小説家としてデビュー。1992年「パイナップルの彼方」を皮切りに一般の小説へと方向性をシフト。1999年『恋愛中毒』で第20回吉川英治文学新人賞受賞。2001年『プラナリア』で第24回直木賞を受賞。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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