MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体

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  • 宣伝会議
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883352708

感想・レビュー・書評

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  • 今、目の前で起こっているメディアの変化についてのモヤモヤがみるみるスッキリわかる気がしました。高校でちんぷんかんぷんだった授業が予備校で、そういうことだったのか!と合点がいった感覚に近いです。講師の先生が、R25を創刊し、livedoorニュースを統括している時にライブドア事件に遭遇し、「VOGUE」のウェブサイトや「WIRED」などのデジタルマガジンを立ち上げ、今や「LINE」や「NAVERまとめ」を統括してるど真ん中の「メディア野郎」でありながら、「メディアつくりにブラックボックスはありません。」とお話を始めるのだからたまりません。それだけでなく、例えがわかりやす過ぎ。ファイナンスと共通点からメディアの「予言が自己実現する」力を語り、缶けりから業界とメディアの関係を語り、「食べログ」と「ミシュラン」の違いから「参加性」と「権威性」を語り、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」からリニアメディアを語り、カラヤンや回転寿司から「アーキテクチャの支配」を語り、オーケストラとロックバンドで個人型メディアを語る。中でも「馬具メーカー」であることをやめたエルメスの事例の比喩が心に残りました。「純度」の高い「使命に殉ずる情熱」なんて、「メディア野郎」の「野郎」性、炸裂です!

  • kindleのセールで購入。
    当たり前のことながら、メディア側は何らかの意図をもって情報を提供していることを再確認できました。
    フローとストック、映画監督、なぜCDが74分かからそのあとの思わぬ派生など、引き込まれる話も多く、良書でした。

  • NHN Japanの田端さんの著書。
    当初から気になっていたが、Kindle本で出ていたので、読了した。

    私もいちメディア人だった経験もあり、そのような話に興味は持っていたからだ。
    田端さんも内容にある通り、ずっとメディア畑を歩んできていた人で、livedoorニュースなども担当されていた。広告のimp売りの話だったりコンテンツの話だったりはとても共感できる話だった。
    特にストック型とフロー型の話などは昔も考えていたことだし、デジタルデバイスの変化による考察も、クリス・アンダーソンがWeb is Deadと言ったころから色々と考えていたので、参考になった。

    まあ、今ではメディアの世界からは離れてしまったが、一読の価値はあるように思います。

    ◎目次
    ■メディア世界の「カエル」だからわかったこと
    ■一般ビジネスパーソンもメディアの知識が必要な時代
    ・メディアとファイナンスの共通点
    ・「キャッシュ」から「タレント」と「アテンション」の時代へ
    ・「アテンション」をつかさどり、タレントをモチベートするメディア
    ■「メディア」とは何か?
    ・最古のコミュニケーション・メディアは洞窟壁画
    ・誰もがメディアになり得る「情報爆発」時代
    ・メディアの意味を定義する
    ■そこにメディアが存在する意味――影響力の本質
    ・米軍が毎日30万部の機関紙を発行する理由
    ・メディアで報じられる=生きた証が記憶されるということ
    ・メディアという観察者なしに世界は立ち上がらない
    ・予言を自己実現する力――「スクープ」と「誤報」の曖昧な境界線
    ・上場廃止に向かうライブドア社内で見えたこと
    ・「間違っても直せばいい」の姿勢が自分たちのクビを絞める
    ■「コンテンツ」の軸でメディアを読み解く
    ・ストック型とフロー型。性質を知って変幻時代に使いこなそう
    ・グーグルとウィキペディアの蜜月の関係
    ・「食べログ」と「ミシュラン」の違いから考える参加性と権威性
    ・参加性メディアの全体意思は誰に帰属するのか?
    ・映画監督はなぜ「偉い」と思われるのか?
    ・主権はユーザー。進展するマイクロ・コンテンツ化
    ■「メディア野郎」へのブートキャンプ
    ・メディア編集者は、対象読者の「イタコ」となれ!
    ・セグメンテーションを超えたキャラ情報が「ペルソナ」
    ・メディア運営に必要なソロバン計算――PVを軸にしたKPI構造
    ・「FT」の紙がピンクなのはなぜか?
    ・尊敬・信頼・畏怖されないメディアはたたき売りされる
    ■メディアとテクノロジー
    ・技術が進化しても記者の使命は変わらない…は間違い!
    ・CD1枚が74分の理由
    ・メディア消費にも影響を及ぼすアーキテクチャの支配
    ・出版は「パブリッシュ」の一手段に過ぎない
    ・馬具メーカーであることをやめたエルメス
    ■劇的に変わるメディアとメディア・ビジネス
    ・デジタルが街の形をも変え始めている
    ・アンバンドリングとリワイヤリング
    ・「ギャング・オブ・4」には立ち向かわずに利用する
    ■拡大する個人型メディアの影響力とこれから
    ・津田大介、ホリエモン……“お布施型"メディアが流行る理由
    ・雑誌がオーケストラなら、メルマガはロックバンド

  • 目次
    ○はじめに

    ○一般ビジネスパーソンもメディアの知識が必要な時代
    ・キャッシュからタレント・アテンションの時代へ

    ○メディアとは何か?

    ○そこにメディアが存在する意味
    ・間違ってもいいの姿勢が自分たちの首を絞める

    ○コンテンツの軸でメディアを読み解く


    ○メディア野郎へのブートキャンプ
    ・PVを軸にしたKPI構造の把握
    ・作り手へのリスペクト=メディアの品質

    ○メディアとテクノロジー
    ・メディア消費にも影響を及ぼすアーキテクチャの変更

    ○劇的に変わるメディアとメディアビジネス

    ○拡大する個人型メディアの影響力とこれから



    どこが参考になったのか
    ・メディアの分類(狭義のメディア:1対多、ツール:多対1、コミュニティー:多対多)と、メディアコンテンツの分類軸(参加性ー権威性、フローーストック、リニア【線形、最初から最後まで全て見られる】ーノンリニア)の部分は参考になった。
    ・キャッシュからアテンションの時代へ:ヒトモノ金というもののうち、金をそこまで気にしなくてよくなった(ネット時代の恩恵)。それに変わってアテンション(興味、注目)を持ってもらうことが必要になってきた。

    批判すべきところはどこか
    ・間違っていても直せばいいというネットの「永遠のベータ版」という考えがメディアの首を絞めるという部分があったが、ネットのアーキテクチャ(プラットフォーム)としての性質がそうなのだから、簡単に置き換わらない部分として書けばいいだけではないだろうか?

    どんなときに読み返したいか
    ・メディアについての分類を参考にしたいとき。正直そこまで多くの場面で読み返すものではない。

  • メディアの自己実現能力とかブランディングの下りが面白かったです。媒体のあり方を考えるいい物差しになりそうな本でした。

  • もっとメディア作りを深く知る。

    情報を誰でも発信出来るようになった今、発信すること自体に意味はなく、読み手に届くメディアを造り、運営を出来ることが大切にされています。
    メディアとコミュニティ、ツールの3つの軸でメディアを読み解こうとしています。
    また、メディアの中でもコンテンツをさらに3次元のマトリクス(リニア・ノンリニア、ストック・フロー、参加性・権威性)に分けて分類し、それぞれにどのような特徴があるのかを詳しく解説しています。
    メディアを受け取るTPOを食事に例えて解説しているところには私の勉強している学習環境に通じるものを感じ、領域のつながりを感じました。

    本のタイトルの通り、メディアを作っている発信者には自分が何をするべきなのかが少し明確に見えてくるかと思います。
    新しいデバイスなどが次々と出現し、変動が激しいメディアの世界にも対応出来るようなモノづくりをしていかなければならないと感じました。

  • メディアの現場、今はNHN Japanの執行役員の方の本。影響力、ストック・フロー、権威・参加、リニア・ノンリニア、ブランド、アーキテクチャ、個人メディア。
    エルメスは馬具メーカーであることをやめた。

  • メディアの変遷について、軽く読める本。

  • ストック⇔フロー
    参加生⇔権威性
    リニア⇔ノンリニア

    面白かった。予言の自己実現力も、深く納得。

  • これまでのメディアから、これからのメディアまで、彼なりの分類で解説。メディアのブランドについての意見も。それなりにおもしろい。

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著者プロフィール

田端信太郎(たばた・しんたろう)
オンラインサロン「田端大学」塾長。1975年石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。NTTデータを経てリクルートへ。フリーマガジン「R25」を立ち上げる。2005年、ライブドア入社、livedoorニュースを統括。2010年からコンデナスト・デジタルでVOGUE、GQ JAPAN、WIREDなどのWebサイトとデジタルマガジンの収益化を推進。2012年NHN Japan(現LINE)執行役員に就任。その後、上級執行役員として法人ビジネスを担当し、2018年2月末に同社を退社。その後株式会社ZOZO、コミュニケーションデザイン室長に就任。2019年12月退任を発表。著書に『これからの会社員の教科書』『これからのお金の教科書』『部下を育ててはいけない』(SBクリエイティブ)、『ブランド人になれ!』(幻冬舎)他。

「2021年 『これからの会社員の課題図書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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