- Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
- / ISBN・EAN: 9784888881623
作品紹介・あらすじ
すべての者が回避できない死というテーマに真正面から取組み、そのイメージの変遷から、人間が死とどのように向きあってきたかの歴史を読み解くアリエスの遺著の全訳。古代ローマ・アッピア街道の墓所から、ベルイマンの映像の現在に至る、多様な図像表現を駆使した本書は、本当の意味で、フランス歴史学派の最初の映画的書物です。
感想・レビュー・書評
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主にヨーロッパにおける死のイメージの変遷について図像から探る内容。避けては通れない死について、その距離感や象徴されるものが時代とともに移り変わっていく様子がとてもおもしろい。さらに理解を深めてからまた読みたい。
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人がどう死んできたのか、死(者)にどう対応してきたのか、というテーマを、主にローマ〜19世紀までのヨーロッパについて図版を交えながら記したアリエスの大著。 ローマのカプチン会修道院へ行きたいと思ったのは、そういえばこの本で知ってからだったんだと今ぱらぱらと見ていて思い出した。 死はやはり恐ろしくも蠱惑的なテーマだ。
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大阪天王寺区の應典院さんに立ち寄った際に読んだ本。ざっとですが通読しました。
内容はヨーロッパ限定ですが、「死の扱いに伴う社会構造の変化、文化の変遷」が非常によく分かる。図説なのでパラパラ読む分にもいいですし、文章も多少のヨーロッパ史の予備知識があれば難しい文章ではありません。
墓地も墓碑すらもない、ただ道端に屍体を埋めるだけだったのがどのようにして今のような形になったか、宗教との関連も手に取るように分かってきます。死んだ人の「寝姿」と「祈る姿」が合流して「寝ながら祈る姿」になるとか、そういう「死者の描かれ方の変化」にも歴史があるんですね。
「死んだら無になる」という二ヒリスティックな死について、エロティシズムとの関連で論じられています。 -
2011/5/20 参考文献