火打ち箱: こんなアンデルセン知ってた?

  • フェリシモ
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784894323889

感想・レビュー・書評

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  • 訳者・赤木かん子さんの「あとがき」を先ず載せてみる。

     この『火打ち箱』は数あるアンデルセンの物語の中でも、5本の指に入るほど(題名を教えてという)探偵依頼がくる話です。(略)アンデルセン全集には必ず入っている完成度の高い話ですが、これですよ、と手渡すことのできる絵本が欲しかったのです。でも、「水車くらい大きな目玉の犬なんてどうやって描いたらいいの??」と思っていました。そういう話をしていたら、高野文子さんが、「あら、あたしそれやりたい」って言ってくださって、「どうやって?」と言ったら「うふふ、思いついたことがあるのよ」とおっしゃいました。
     そういうわけで、すごい!かっこいい!どうやって作ったの?と思わず叫んでしまった。まか不思議なこの一冊が出来上がりました。

    この絵本、「高野文子・絵」じゃないんです。「高野文子・ペーパークラフト」なんです!!高野文子作成のペーパークラフトを高野文子が撮影して(後書きに「こんなして撮りました」図が描かれていましたが、これが1番傑作だった)、写真が絵本となったわけです。

    お話は、まさかの昔話を逆手に取った、ブラックというべきか、ハッピーエンドというべきか、とってもシュールなお話です。

    この前、高野文子が漫画以外で関係した本を発掘して(「いずみさん、とっておいてはどうですか」)、他にないかなとぶらぶらと見ていたら、こんな本があることがわかりました(2006年発行)。ペーパークラフト用に、またもや高野文子は絵の描き方を大きく変えているのですが、それでも紛うことなき「高野文子」なのです。恐ろしいほどの才能です。

  • 高野文子さんのペーパークラフトのデザインの洒脱さと、アンデルセンの話の天衣無縫さがぴったり合っていて、読んだあと買ってよかった!とほくほくした本。
    出てくる犬たちの危険さと従順さを併せ持つところが、普段ペットとしてしか付きあいのない犬の二面性を思い出させてくれるところや、主人公の傍若無人ぶりには、古い童話ならではの物語の野生みが溢れていて、教訓物語にはならない、一筋縄ではいかないところがとてもよかった。

  • ・表紙裏のイラスト(下書き?)がオシャレで素敵
    ・ペーパークラフトが不思議だったり大迫力だったりして楽しい
    ・現実的というか説明が少なくて物語っぽくない(から想像して遊べる)

  • 穂村弘さんの『ぼくの宝物絵本』を読んで気になっていた本。アンデルセンの物語をなんと高野文子さんのペーパークラフトで。
    兵隊が魔法使いを騙して手に入れた古い火打ち箱。打つと大きな犬がやってきてなんでも望みをかなえてくれる。お金を得て家を得て九死に一生を得てお姫様を得て。想像していた勧善懲悪じゃない。なんて理不尽アンデルセン。
    ペーパークラフトが物語の不穏さを引き立てる。ペーパークラフトだからこその光と影の効果、立体感による迫力。これは忘れられない絵本になるな。強烈でおもしろい。

  • アンデルセンの童話絵本。
    単なる絵ではなくて、高野文子によるペーパークラフト。立体作品だけど写真に撮って二次元的に見られることを前提として作られている。アイディアは面白いけど、完成度としてはまあまあといったところ。普段の絵の方が好き。
    それよりもこの物語の荒唐無稽さはなんなのか。兵隊が、魔法使いを殺して奪った魔法の火打ち箱を使って巨大犬を召喚して、

  • 面白いっ(^∇^)!
    文|赤木かん子さん 「本の探偵」さんなのですね!
    ペーパークラフト|高野文子さん 漫画家さん、ペーパークラフトは趣味で作っていて、今回自らデジカメで撮影し、絵本にしたのですって^^*
    切り抜いて立たせる。お金を配っている手とか面白い
    ちょいちょい残酷なのをさらっとぶっこんでるアンデルセン童話(笑)
    二度読みで、二度目ペーパークラフトをじっくり観ちゃいました
    二度(何回も)楽しめる絵本♡

  • 170924

  • アンデルセンの童話。話の内容はツッコミどころ満載f^_^;)
    ペーパークラフトの写真絵本。写す角度とか間違えると台無しなのに、どのページ見ても絵が素敵☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
    絵をずっと眺めていたくなる絵本

  • 高野文子さんがペーパークラフトを担当&赤木かん子さんが文ということで、どうしても読んでみたかった本。読んでみて、あぁ、この話だったのか!と驚きました。

  • これがこうなってこうなる、ということを考える。

    そういうのがもういっぺんみただけでわかるうえに、そうかそうやなこれをこうやったらこうなるもんな!っておどろきも同時にあじわえるのがこの本では、と思います。いや、高野文子大先生のペーパークラフトの話をしております。ほんとうにおそろしいひとやでこのひとは……。

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著者プロフィール

デンマークのオーデンセに生まれる。父親の影響で本や芝居に関心を寄せるようになる。 14歳でコペンハーゲンに出る。30歳で出版した小説『即興詩人』が出世作となり、 各国に名声が広がる。32歳で「人魚姫」を含む第三童話集を刊行し、以降は近代童話の確立者として世界で認められた。

「2023年 『アンデルセンの童話1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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