努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本

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  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894516229

感想・レビュー・書評

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  • 最近「無理に努力をしない生き方」が注目されつつあるので、考える参考にと手に取ってみた。
    読後の印象では、論旨が散漫として一貫していないと感じた。
    著者はまず、目的に対して戦略がない努力は無駄である、として「(無駄な)努力中毒」のもたらす弊害を説く。
    そして次に、実利に直結しない無駄にこそ人間の高尚があり、努力する人は人を傷つけやすい野蛮人だと言う。
    これだと、合理的戦略的な努力をも否定することにならないか。
    そういう趣旨かなと思って読んでいくと、意志力が弱い人は社会的に成功する確率が低い、意志力は後天的に鍛えられるとかミラーリングが意志力増強に効果的、とかいう話が出てきて「ん?」という感じになる。
    あれ?努力全面否定で非合理性万歳の立場じゃなかったのか?
    後半になると、才能を妬まれないためのアンダードッグ効果とか、自分の適性にあった評価軸をもつべきとか、努力しないで人に任せよう、努力するよりも人生の豊かさを楽しむべき、とかいろいろな立場の人に対して配慮した記述が目立つ。
    結局著者は、努力を全面的に否定しているのか、戦略的で合理的な努力だけを認める立場なのかが最後まではっきりしない。

    本書のamazon内容紹介のところには「搾取されない人生を」とあって、「何十年もの時間が、他者のための無駄な努力に費やされ、 自分のためにあるはずだった膨大な時間が搾取されていたのだ」と書かれている。
    これによれば、他者や社会にに強要される無駄な努力を否定し、自分の才能をみつけてそれを生かすために戦略的な努力をするべきだという趣旨のようだが、そのような一貫した主張は本書の内容からは感じられない。

    科学者によって書かれた割には、感情的で散漫な記述が多く、構成も論理性に欠けている印象を受けた。
    内容自体はそれなりにおもしろかったが、著者の思想・主張が十分に練られていないのが残念だった。

  • この手の他の本と内容が似ている。目新しい所はないけれど、落ち込んでいる人には、安心しそうな感じ。

  • 中野先生大好き。

  • 前半は読むのが苦痛なほど、購入したことを後悔するほどだったが、後半は示唆に富む内容だった。真面目にがんばっているのに報われない、と強く感じてしまう誠実な人間というのはまさに自分のこと、どんぴしゃ、だと思った。万人受けするように平易な文章であまり深堀りせずにすっきりとまとめたのだと思うけれど、もっと突っ込んだ議論を知りたい。著者の言う知恵とか発想とは具体的にどんなことを指すのか、とか。

  • 手っ取り早く自分を変えたいと思ったら、理想とする人物の振る舞いを、徹底的に細部に至るまで真似していくと言うのが一番の近道。

    人間の脳には、ミラーニューロンがあると言われていて、まさに他者の思考や感覚、つまり認知をコピーすることができるから。

  • 「やればできると言うがそれは成功者の言い分。」
    う〜ん、それを言っちゃ〜お終いよと思うが、心の何処かでそう思っていたんで、ある意味しっくりきた。

    本論とは違うが、
    「可塑性」とは、変化の起きやすさ。

    努力は二つ
    1 狭義の努力
    ただがむしゃらに頑張る努力
    2 広義の努力
    ①目的の設定、②戦略の立案、③実行の三段階
    のプロセスを経た努力

  • 成功者が語るとこは、結果を出したことに理由付けしているだけ
    努力中毒にならない
    努力の努には、奴隷の奴がある
    日々の生活を楽しむという遊びの部分を失うな
    人生を楽しくするために努力する
    意志力
    できるだけ努力をしないで生きよう

  • 良書。あまり人に本を勧めるのは好きではないけど、この本は勧めたくなった。

  • 医学に携わる方なので、医学的な話は分かり易かった。

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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