努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本

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  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894516229

感想・レビュー・書評

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  • セロトニントランスポーターの密度が濃い人は日本人で2%、欧米人は30%。
    多いと楽観的、少ないと慎重、悲観的

    前頭前野が厚いほど、意志力が持てるが、半分は遺伝で決まる(母乳を、長い間与えられた子)。人工乳は、タスク処理が早くなる。

    前頭前野を厚くする→自制心を鍛えるためのトレーニング、相手の気持ちを忖度できる力、目先の利益を捨てて将来のより大きな利益を選択できる力を鍛える→囲碁や将棋などはよい

    小説を読むと手軽に多くの体験をしていることになる。その人の本を読むことで、その人の思考回路を作ることができる

  • 努力は報われるは嘘。サンプルの一つでしかない。
    確かにね。

    仕事することが人生でない。
    学歴を高めることが人生でない。

    人生の、各々の目的のために、必要なことをやる。

  • 「努力は報われる」は嘘。ひたすらガムシャラに頑張る努力は報われない。努力を努力だと思っているのはダメ。好きだからやっているのはOK。報われる努力は、目的(目標)を設定し、戦略を立て、タスクを一つ一つ実行していくもの。戦略をきちんと立てることが最重要。ダイエットと同じ。なお日本人の7割はセロトニントランスポーターが少ないタイプで心配性のため努力中毒が多い。無駄な努力をしないで楽しく生きる努力をしよう。

  • 努力すれば報われるは半分本当で半分嘘

    自分と他人の才能を見抜き、使う

  • ●努力が報われると思われる人はダメですね。努力を努力だと思ってる人は大体間違い。好きだからやってるだけよ、で終わっといた方がええね。これが報われるんだと思うと良くない。こんだけ努力してるのに何でってなると腹が立つやろ。人は見返りを求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね。by明石家さんま

    ●「努力は報われる」は半分本当である。
    負荷がかからないと、どんどん機能が錆び付いていってしまう。そういう性質が人体にはあります。あるレベルのパフォーマンスを実現したいと思ったときには相応の負荷(=努力)をかけなければなりません。だから努力をしないと発揮できるパフォーマンスはどんどん落ちていきます。それが「努力は報われる」という言葉で表現される、ウソではない部分です。
     一方、確かに努力すれば、その人の持つ可能性の最大値まではスピードアップできます。けれども、限界を突破してウサイン・ボルトのように優れた記録を残せるほど走れるか、というとまず不可能です。そのような意味では、才能は遺伝的に決まっています。つまり、「努力は報われる」はウソということになります。

    ●エジソンの「1%のひらめきと99%の努力」という言葉ほど誤解されている言葉も珍しい。エジソンの真意は99%努力しても1%のひらめきがなければ無駄、ということを言いたかったのだと言われています。

    ●努力の成功体験は「サンプル1」にすぎない。
    偶然の要因についても、努力を重視した成功譚をつくろうとするあまりに、軽視されて語られないことのほうが多いようです。

    ●2大無駄な努力
    1)努力をしていると自分では思っていても、単に努力していると思い込んでいるだけだった、つまり実際に努力をしているわけではなかった。
    2)努力の方向が間違っていた、無駄な努力をしていたということ。

    ●本当の努力とは。
    真の努力というのは本来、成果を出すために必要な1)目的を設定する、2)戦略を立てる、3)実行する、という3段階のプロセスを踏むことです。どれが間違っていても結果は出ません。

    ●ただがむしゃらに頑張る努力=「狭義の努力」といい、3段階のプロセスを経た努力を「広義の努力」という。

    ●人は我慢できる量は決まっている。つまり、我慢の限界を超えると、我慢しなければならないことでも我慢できずにハメを外してしまうのです。「自分はこれだけ正しいことをしたんだから、許される」という言い訳を、なんと無意識のうちに脳がやってしまっているのです。つまり、努力は人間をスポイルすることがあるということです。「がんばる」というのは、自分を冷静に見つめる目を失わせるものであり、努力そのものが楽しくなくなってしまうと、ほかのことが考えられなくなってしまう傾向があります。

    ●努力という言葉は人を縛り、無料、あるいは安価な労働力として使いたい人が用いるブラックなレトリックなのです。真の努力とは、本当に目的を達成したいのであれば、広義の努力、適切に目的を設定し、戦略を立て、実行することです。

    ●江戸時代、努力は粋ではなかった
    江戸時代は「遊ぶ」ということを尊びました。遊びというのはプラスの概念であって、教養のある人や余裕のある人にしかできない、高尚で粋なものだったわけです。
    明治維新を経て、それが変わってしまった。努力は一定の成功を収めたが、その過程で失われてしまった「遊び」の豊かさや、日本人らしい感性のふくよかさのような部分が、努力を重視し過ぎたあまり貧困になってしまったことは否めません。
     努力以外の遊びの部分というのは、脳にとってのエサともいえるもの。ヒトは、努力よりずっと、遊びが必要な生き物なのです。

    ●究極的に言ってしまえば、私は「できるだけ努力をしないで生きよう」という考え方が、最も大事なことではないかと思っています。

    ●努力をしない努力
    私は真の努力とは「努力をしない努力」のことだと思っています。

    ●才能がある人を使う
    僕を見ていてくれた、見抜いてくれたからこの人のためになんかしよう、自分1人では小さな人生しか生きられないけれど、「この人について行ったら自分の才能を生かせるかもしれない」と思わせる力が、優れたリーダーには必要です。

    ●人生最後の時を過ごす患者たちの緩和ケアに携わった、あるオーストラリアの女性によれば、人間は死の間際になると自分の人生を振り返って後悔を口にするのだそうです。その後悔の中でも最も多かったものの上位が、「あんなに一生懸命働かなくてもよかった」「もっと自分の気持ちを表す勇気をもてばよかった」「自分をもっと幸せにしてあげればおかった」でした。これでも、自分の気持ちに反した努力を続けようと思うでしょうか?

  • TVではインパクトがあったが、本の内容はノーマルで今ひとつ物足りない。

  • ①努力とは?
    ・努力すると洗脳されやすくなる

    ②意志力を強めるには?
    ・目的設定→戦略→実行 どれが抜けてもNG
    ・我慢しすぎない

    ③気づき
    ・受験は記憶が重要で、それは、ある遺伝子をもっていると20%よくなる
    ・1万時間でなんでも大体マスター可能
    ・今行っている努力は、本当に自分がやりたいことか?
    ・努力の奴は、奴隷から由来しているという説あり
    ・米国で、社会的階層間で移動できるのは4%
    ・意志力が強い人と弱い人というのは、人はそもそも意志力が弱いということを知っているかどうかという差
    ・母乳を長い間与えられていた子ほど、IQ↑
    ・他人の性能を使いこなす
    ・長寿の秘訣は戦わないこと、無駄な努力をしないこと
    ・日本人の7割はセロトニントランスポーターが少なく、心配性の人が多い(欧米人は2割)

  • 方向性や目的を間違えて 努力している人は確かに多いですよね。学校&教育自体が もう そうだし。
    受験勉強だって 大学合格という目先の目的以外は 内容無いしね・・・

  • 「真面目にやっているのに報われない・・・・・・」と、世界で一番感じやすいのが日本人なのです。
    日本人は、世界で最もセロトニントランスポーターが少ないのです。(本文より)

    脳科学者が、努力について語る。
    努力をしない努力をしよう!

    努力不要、否定を綴るのは、なんとも珍しい。

    ただ、努力の存在が生きにくさに繋がることも、理解できる。プロセスを重視して、結果だけを求めない、みたいな風潮も、努力信仰に近いと私は思います。

    努力に頼りすぎない生き方は、無駄なプレッシャーを感じずに過ごせるのは間違いなさそうに思えて、共感できました。

  • したくもない努力が不要なのは言うまでもないが、しても無駄な努力というのは本人が気がつかない場合が多いので、他人が言ってあげるしかないんだろうな。残酷ではあるけれど。統計的なデータでその努力が無駄か否かはわかりそうなものであるが、データをはみ出したイレギュラーな人が成功者としてもてはやされたりしてメディアが「努力の人」と持ち上げちゃうので厄介ではある。そういうのは成功本ビジネスであり、自分にもできると勘違いするのはいいカモという事なんだろう。努力の「努」は奴隷の「奴」が由来という文言が印象に残った。

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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