硫黄島いまだ玉砕せず (WAC BUNKO 57)

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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898315576

感想・レビュー・書評

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  • 硫黄島玉砕の少し前、本土帰還命令により生き延びることになった海軍士官が、戦後僧侶となり、硫黄島の戦没者の遺骨収集や慰霊碑建立、日米合同での鎮魂式典を実現させるべく40年以上もの時間を費やした記録。
    一民間人が軽くあしらわれ、壁に立ちはだかれつつも折れずにぶれずに実現を目指す。アイデアも執念も凄いです。

  • 戦闘直前に本土に帰還し、硫黄島の玉砕を免れた和智恒蔵海軍大佐の執念の半生。
    印象に残ったのは、戦勝国米国に対して、硫黄島の遺骨収集と慰霊祭の実施を粘りよく和智恒蔵氏の執念と強かさ。しかし、時代の流れには良くも悪くも逆らえない無情さ。
    とにかく、硫黄島の遺骨収集に対する、和智大佐の機智と執念に敬服させられ続ける一冊でした。
    参考サイト:「米兵の「首刈り族」」 http://blogs.yahoo.co.jp/tatsuya11147/25934366.html

  • 硫黄島で亡くなった兵の鎮魂に生涯をつくした和智恒蔵の半生。

    玉砕の島として知られる硫黄島は、映画にもなり、時々話題に上ることはあるけれど、その実態はあまり知られていないように思います。
    かくいう私も、詳細に知っているわけではなく、滑走路の下で遺骨が下敷きにされていることや、遺骨収集が思うように進まない実情については聞き知っているけれど、和智恒蔵氏については本書で初めて知りました。

    表題と、著者が上坂冬子氏であることから手に取ったのですが、読んで己の不識さを痛感。
    多くの人に読んでもらいたい一冊。

  • 硫黄島の歴史について知りたくて読書。

    硫黄島で戦い、そして、戦後も生き延びた和智恒蔵さんの知られざる活動の歴史を紹介する内容である。

    もっと日本人は東京都でもある硫黄島のことを知る必要があると思う。近年、硫黄島の戦いについて映画化されたが、まだまだ自分も含めて何も知らないのが一般的だと思う。

    そもそも正しい名称すら知らなかったことが恥ずかしい。正式な読み方はいとうとうである。イオウジマは米軍の日本語翻訳者が読んで英語化されたものらしい。だから日本人であればいおうとうと読む必要があると思う。

    また、青山繁晴さんの話を聞くまで現在ある滑走路の下にも無数の遺骨が埋まったままで、遺骨の収集も進んでいないことも恥ずかしながら知らなかった。

    本書では和智恒蔵さんの現代のヘラクレスといわれるまでの熱意と行動力で生涯硫黄島に関わったことを知る。そして、持ち去られた1,000といわれる髑髏のうちまだ950の髑髏が返還されていないことも。

    日本人が決して忘れてはいけないつい最近の歴史をまた1つ学ぶ。そして今後も関心を持ち続けたいと思う。

    読書時間:約1時間10分

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