高校生からのフロイト漫画講座

  • いそっぷ社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (54ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784900963610

感想・レビュー・書評

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  • スイスの精神分析家コリンヌ・マイエール(1963-)によるフロイト入門書、2011年。

    フロイトの生い立ちや学術的遍歴、重要な症例(アンナ・O、ドラ、ねずみ男、ハンス少年)、主要概念(無意識と夢、錯誤行為、性欲論、エディプス・コンプレックス、死の欲動、エス/自我/超自我、原父殺し)、当時のヨーロッパの社会状況などが描かれている。しかし、それらは断片的で整理されておらず自己充足的な記述がなされているわけでもないので、本書によってフロイト理論を体系的に学ぶことはできない。

    本書の魅力は、フランスの漫画家アンヌ・シモン(1980-)によるイラストだ。鮮やかな色彩とはっきりした描線とによって描かれた、不思議さと軽妙さとが結びついた独特な絵が、マイエールによる不連続でとりとめのない記述の流れにあわせて排列されていて、それ自体がまるで前理性的で超現実的な夢のような印象を受ける。日本のメジャーな漫画に見られる一般的な表現とは異質である。本書のイラストは「まるでフロイトの脳の断面図を見るかのようだ」と絶賛されたという。哲学や思想を絵解きで解説するものとしては、現代書館のフォー・ビギナーズ・シリーズや、ちくま学芸文庫にもいくつかある。そのいずれもが欧米からの翻訳であったと思うが、海外ではひとつのジャンルを形成しているのだろう。

    マリー・ボナパルトというナポレオンの家系に属する女性が、フロイトのロンドン亡命に一役買っていた、という事実を本書によってはじめて知った。亡命先の邸宅の絵(p51)をみて、かつてロンドンのハムステッドで訪れたフロイト博物館を思い出した。



    自分の内面を知りたい、という欲望が人間にはある。しかし、知ろうとする対象が当の自己自身であるために、自己知には、近代の主客二元論的な認識論や要素還元主義の機制では捉えきれない難しさがある。フロイト理論が人びとから求められ理由のひとつはそこにあるのではないかと思う。しかし、そもそも自己を知るということは如何なることなのか、他の存在物を客観的に知るということとは如何なる点で異なるのか、つまり自己知とはどのような境位に位置づけられるのか。こうした次元の問いに対する探究は、また別の理論が求められねばならないだろう。

    「人間はもう自分の精神の主人ではない?」「そうなんだ! 人間存在は途方もない大きな力に操られている!」(p10)

  • 本屋で何やら色味が綺麗な絵の本がある。タイトルを見てみるとフロイトに関する本ではないか。

    自分は心理学専攻でありながら、実験系であることも重なってか、フロイトのような臨床系、精神分析に対して科学ではないものと思い、遠ざけていた。しかし相手のことを知りもしないのに批判するのはナンセンスであるとも思っていたから、いつか読まねばと思い、精神分析入門をかったものの積読のままであった。そこにこの本を見つけ、絵に惹かれて購入した。

    うーん。日本とは漫画の書き方が違うからだろうか(そもそも漫画か?)。どうも漫画自体の話のつながりがわからない‥

    末の岸田秀のフロイト理論についての文章は実にわかりやすく、個人的に思っていたことにもしっくり当てはまってくれた。漫画の前にこちらを先に読んだ方が漫画がわかりやすく面白いものになるように思う。

  • 海外の漫画を日本語に訳してるからか、読みにくかった…

  • Anne Simon, Corinne Maier - Freud - Perimeter Distribution
    https://perimeterdistribution.com/Anne-Simon-Corinne-Maier-Freud

    高校生からのフロイト漫画講座【大人も面白い】 | 「大阪イチやさしいNLP教室」心理学講座からカウンセラー起業までをトータルサポート
    https://ameblo.jp/kokoronlp/entry-12427389360.html

    マンガ - 高校生からのフロイト漫画講座 - いそっぷ社
    http://www.isopsha.com/b34.html

  • 他にフロイト関連の本を読んだことがあるのなら、特にこの本を読む必要はない。フロイトの経歴をおさらいするにはよいかもしれないが。

  • 漫画になってもフロイトはフロイトだった!
    わかったようなわかんないような…?

  • フロイトはユダヤ人でナチスからの迫害を受けていた。
    精神分析はユダヤ人の似非科学と称された。
    夢分析やら人間の精神の神秘を追求していた。

  • 30分位で読めて良い暇つぶしになった。絵も味がある。
    ただ、本当に大まかな入門。
    帯に「ユングとの対立」とかあるが、1ページもない。
    フロイトの大まかな思想と関係する人物と当時の批判が分かる。

  • 難解そう本が多いので手を出した事のないフロイト先生関連、、、
    絵が素敵だったので、難しい所も少し飛ばし読みしながら、あ〜ら不思議、フロイト先生の一生をざっくりと読み終わり。ありがとうございます。

    なぬ。同じシリーズにマルクスもあるとか!
    マルクスも初挑戦してみるか、、、

  • 絵はオシャレ
    話はよくわからなかった。
    「高校生からの〜」とタイトルにあるので、転移とかがわかりやすく書かれているのかと思ったが、期待していたものと違った。

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