公然たる敵

制作 : アルベールディシィ 
  • 月曜社
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本棚登録 : 29
感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (658ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901477833

作品紹介・あらすじ

パレスチナ人たちを、移民労働者たちを、アメリカの黒人革命家たちを全身で愛し、ともに闘い続けた作家ジュネが、"68年5月"から86年の死までに、政治と文学が交錯する地点で生みだした発言とテクストを集大成。

感想・レビュー・書評

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  • 後年ジュネは小説の執筆を止め、戯曲からも遠ざかり、ブラックパンサーやパレスチナ解放戦士らと行動を共にし(なんと三里塚闘争の現場にも居たという情報も!)、幾つもの政治的テキストを発表し始める。それら発言の集大成である本書は単なるルポルタージュや見解に留まらず、詩的な叙情が残酷にも美しく立ち込めている。隅から隅まで衝撃だった。ジュネの反骨と体制への憎悪はラディカルさ故に時に眉を顰めるほどだが、彼は逃げ道を残す発言を自分に許さない。全てを敵に回しても自由を獲得する為の戦いを挑む。その無垢な魂の美しさが私を囚えて離さない。

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著者プロフィール

ジャン・ジュネ(Jean Genet)
1910年、パリで生まれる。父は不詳。七ヵ月で母親に
遺棄されモルヴァン地方の指物師の家の養子となる。
小学校卒業後わずか一〇日で職業訓練校の寄宿舎から
逃走。放浪する間の微罪のため一五歳で少年院に収監
される。一八歳で軍隊に入隊、中東、モロッコなどに
配属されたのち、1936年脱走する。訴追を逃れるため
贋の身分証でスペイン、イタリア、ユーゴスラヴィ
ア、チェコスロヴァキア、ポーランド、オーストリ
ア、ドイツ、ベルギーを転々とする。

1937年フランスに戻り、以後七年間に窃盗などの罪で
一二回告訴される。1942年、フレンヌ刑務所在監中に
詩集『死刑囚』を出版、以後矢継ぎ早に『花のノート
ルダム』『薔薇の奇蹟』『葬儀』『泥棒日記』など、
犯罪者の、また同性愛者の立場を公然と引き受けた特
異な小説群を発表、コクトー、サルトルらの賞賛を受
け作家としての名声を獲得する。1949年に最終恩赦を
受けたのち六年間沈黙。

1955年から戯曲『黒んぼたち』『バルコン』『屏風』
を発表し劇作家としてカムバックする。1968年以降は
アメリカ黒人解放闘争、パレスチナ解放闘争、移民運
動などに加担、ときおり特異な政治評論を発表してい
たが、1986年パリで死去。パレスチナ滞在期の追憶を
中心とする長編回想記『恋する虜』が絶筆となった。

「1999年 『アルベルト・ジャコメッティのアトリエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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