- Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
- / ISBN・EAN: 9784903690797
作品紹介・あらすじ
似て非なる日本手話と日本語対応手話(手指日本語)。そもそも手話とそうでないものを並べることのおかしさを明かす。解説編の第1部と、著者自身の写真表現を使用した豊富な例文でその違いを明らかにする実例編の第2部で構成された、手話話者、手話を学ぶ人、言語に関心をもつすべての人の必読書。
感想・レビュー・書評
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日本語対応手話は、ベースは日本語で、日本語をしっかり取得した後に聞こえなくなった、中途失聴の方や、少しは聞こえるという難聴者の方が使っていることが多いそう。
一方日本手話は、日本語の文法とは全く違う文法で、生まれつき聞こえない方や、幼少時に聞こえなくなった方が使っていることが多いそう。
その違いを写真も使って説明されていますが、動きを伴う手話を写真だけで示すのは、手話の知識がない人には難しく、「違う」ということだけわかればよかったかな、という感想。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
木村さんはとにかく一貫して「日本手話」を追求、研究し、また普及を訴えられてます。私も勉強するまでは知りませんでしたが、手話は日本語の代わりに手で表すのではなくて、まったく別の言語なのです。そのことについて難しい~言葉で語られてます。この本はある程度「日本手話」について勉強してから読まないと難しいです。言語学にも詳しい方なので、用語が専門的すぎる部分もあります。初心者にはお勧めできないかな?深く勉強したい方にはお勧めです。
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手話にはいろいろあって、細かく言えば、一人ひとり手話は違います。
でも、ものすごく乱暴におおまかに分けて、日本手話(ろう者のオリジナル)と手指日本語(日本語対応手話のことですが、この本では手指日本語と呼ぶことを提唱しています)といって日本語に手の形を対応させて、それをつなげて日本語の文章を手の形であらわす方法とがあります。
聴こえる人が手話の学習を始めるとき、「この日本語の単語を手の形で表すとしたら?」とか、逆に、「この手話の形はどういう意味?」ってところから始まった場合、単語をつなげてもろう者に通じない!って壁に突き当たることになります。
ろう者の中で覚えれば、自然に身につく文法を、読んで理解しようという時に役に立つ本です。
手話学習を始めたばかりで読むと却って学習の妨げになってしまうかもしれません。
私は一回読んだだけではこなしきることができませんでしたが、この本の内容を頭に叩き込んで行きたいと思っています。 -
ただただ驚きしかなかった。
テレビのニュース画面でやっている手話は、聾者には分からない?
高校生手話弁論大会の手話も、聾者には分からないものだなんて。
一体誰のための手話なのか。
元々聾者が使う「日本手話」。そして聴者が使うことが多いのが「日本語対応手話」。その違いは語順や表現方法にある。つまり、全く違う言語と言ってもいいのだ。
著者は後者について「手話日本語」と呼称を変えるべきだと述べている。理由は、日本語を手話で表したものであるから。
語順が同じだから、聴者が口話しながら手話をするのにも向いているし、聴者が理解しやすい。
一方、日本手話の長所は簡潔な表現にあると私は思う。「手話日本語」で何語も必要になる表現でも、日本手話なら数語で済んだりすることも珍しくない。
悲しい気持ちになったのは、高齢の聾者の女性が自身の日本手話を「恥ずかしくてみっともないもの」と認識していたこと。
かつて聾学校で手話が禁止され、口話や読唇術で授業されていたこと。口話を伴う手話が最上とされていたこと。
そうさせていたのは、意識か無意識か、私達聴者なのだと思う。大多数を優先し、少数派を大事にしない現実を突きつけられた気がした。 -
似て非なる日本手話と日本語対応手話(手指日本語)。そもそも手話とそうでないものを並べることのおかしさを明かす。解説編の第1部と、著者自身の写真表現を使用した豊富な例文でその違いを明らかにする実例編の第2部で構成された、手話話者、手話を学ぶ人、言語に関心をもつすべての人の必読書。
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少なからず敬遠してしまう方なんですが…でも内容は知ってることも知らなかったことも含めよかったです。
写真は少しわかりにくいけど、
実際にろう者と話すとわかるし、あああのことだなと思うのだけど、
それを言語化説明されると、
私にはさっぱり…お手上げで、
言語学のお勉強も必要なんだなあと。 -
既読