若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義

著者 :
  • ナナロク社
4.10
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本棚登録 : 658
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292655

感想・レビュー・書評

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  • 誰にも、記憶や心の奥の奥に柔らかく濡れている部分がある。日常ではその部分にうまく蓋をかぶせたり箱の中に隠したり、何重も扉を重ねたりして、他人にも自分にも見えないようにしまってある。あるいは、自分の奥底にそんなものがあったことを、本当に忘れているのかもしれない。
    なのに、若松さんの文章を読むと、その存在を思い出す。というよりも、言葉が滲みて、その部分に届いてしまう。水を得たその部分は、干からび死にかけていた状態から息を吹き返し、私に、私はここにいると訴えてくるのだ。難しい言葉は何ひとつ使わないのにもかかわらず、なぜこうも、まさにその部分を語ることができるのか。
    苦しくもなり、愛おしくもなる。

  • 言葉の質感.手触り.

  • 付箋をつけながら読んだ。夜寝る前の贅沢な時間。

  • 良いのはわかるが今ではないかも

  • ◆きっかけ
    俵万智さんの書評(https://allreviews.jp/review/813)を読んで読みたくなって。2018/3/21

  • はじめての大失恋のあとしばらくしてこの本に出会う。きっと巡り会うタイミングだったのだ。電車の中でも涙がこぼれた。とてもとても心の深く染み込みときに突き刺さる言葉。コトバ。万葉集の時代から、人類はコトバで表現してきたのだな。嗚呼、わたしもコトバに救われる。

  • ずーっと所有していたい本。

  • お宝になるかも。

  • 25編のエッセー
    心に残る詩や言葉を引用しながら深く自分の心を掘り下げていく,その佇まいに惹かれる.読み手があってこそ生きる本,そして書くことによって自分を知るというような在り方が素敵だ.短いながら1編1編が重く心に響いた.

  • 【170201 読了】

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著者プロフィール

1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。 慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年に第16回蓮如賞受賞。
近著に、『ひとりだと感じたときあなたは探していた言葉に出会う』(亜紀書房)、『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)、『光であることば』(小学館)、『藍色の福音』(講談社)、『読み終わらない本』(KADOKAWA)など。

「2023年 『詩集 ことばのきせき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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