若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義

著者 :
  • ナナロク社
4.10
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本棚登録 : 658
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292655

感想・レビュー・書評

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  • 美しい本。
    2017年に大阪、心斎橋のSTANDARD BOOK STOREにて。
    めったにサイン本は買わないけど、これはサインの横にひと言添えてあったのでサイン本を買った。

    一冊一冊違う柄の素晴らしい装幀で、見なくても装幀は名久井直子だと覚えている。

    内容も装幀も最もお気に入りの本。

  • なにか心に残る箴言の数々。美しい言葉の連続であった。

  • この世には二種類の本がある。うつくしい本と、それ以外。装丁、帯、本文。そのどれもがうつくしい本には、めったにお目にかかれない。でも、出会ってしまった。旅先で、ふらりと寄った書店で。

    水彩画のような装丁、“久しぶりに「一生モノ」と思える本に出会った”という俵万智の言葉が添えられた帯、そして、若松英輔の詩的な文章。

    いつかきっと、今よりもっと、この本が必要になる日がくると思った。それは、ずっと先のことであってほしい。でも、生きている限り、必ずやってくる。その時に心を支えてくれるのは、こんな言葉かもしれない。

    -かつて日本人は「かなし」を、「悲し」とだけでなく、「愛し」あるいは「美し」とすら書いて「かなし」と読んだ。-

    だから、わたしたちが大切な人を喪った悲しみには、愛しむ心や美が宿っているのだ。

    -誰かを愛しむことは、いつも悲しみを育むことになる。なぜなら、そう思う相手を喪うことが、たえがたいほどの悲痛の経験になるからだ。宿った情感が豊かで、また、相手を深く思えば思うほど、訪れる悲しみも深くなる。-

    -愛する気持ちを胸に宿したとき、私たちが手にしているのは悲しみの種子である。その種には日々、情愛という水が注がれ、ついに美しい花が咲く。悲しみの花は、けっして枯れない。それを潤すのは私たちの心を流れる涙だからだ。生きるとは、自らの心のなかに一輪の悲しみの花を育てることなのかもしれない。-

  • 以前イベントで若松さんのお姿を見たとき、
    なんともいえないやさしさ、やわらかさを感じたのを覚えている。
    この本もとてもやさしい、やわらかい。
    開く、ページをめくるひとつひとつがやわらかい。

    わたしは死別を体験するのが嫌すぎて、
    生まれてこなきゃよかったと思うことがある。
    そういう気持ちを毛布で包んでくれるような本だった。

  • 若松さんのトークは2回拝聴したことがあったのに、ご著作を読むのがこんなに遅れてしまった。
    少し恐かったのだ。
    大体「悲しみの秘義」というタイトルだけで、もう泣きそうになるではないか。
    それ以外のご著書も、なんか痛いところを突かれる、いや弱いところを突かれる、いやちょっと違うな、痒いところに手が届くでもないし、とにかくちょっと恐かった。
    でも、もう怖がらなくてもいいような気がする。
    清らかで優しい、なんて陳腐な言葉で表してはダメだな…
    涙で心が洗われるように、言葉で心が洗われる。
    んー、うまく言えない。
    こんな雑な言葉で感想を書いたら、なんかこの本を汚してしまう。
    若松さん、ごめんなさい。
    なんて、著者に謝ったのは初めてだ。

    こんなガサツな私でも大事に大事に丁寧に読まずにはいられず、心を澄ませてくれる本だ。

  • 深いような、深くないような。
    言葉は読まれてこそ完結する。とにかく書きましょうと。

  • 私にはまだ早かったかなぁ

  • 若松英輔の本の中では、読みやすい。
    でも深い。
    絵本のように何回も手に取って見ていきたいです。
    若松英輔さんのサインが書いてあって
    それだけでも嬉しい買い物でした。
    こちらは単に本屋さんでかったのではなく、手渡しで貰った本なので心に残るかたちとなりました。

  • 読み返す

  • 0143
    2019/09/19読了
    私はまだ大切な人を亡くすなどの深い悲しみは味わったことないけど、そういう時にこの本のような言葉たちがあるといいなと思った。
    昔の人たちには和歌が死んだ人にも届くはずだという考え方があったのは初めて知った。
    本の中に何度も出てくる、書き手だけではなく読み手も創造的である、というのはなるほどなと思った。読まれることによって作品は完成する。

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著者プロフィール

1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家。 慶應義塾大学文学部仏文科卒業。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」にて第14回三田文学新人賞評論部門当選、2016年『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)にて第2回西脇順三郎学術賞受賞、2018年『詩集 見えない涙』(亜紀書房)にて第33回詩歌文学館賞詩部門受賞、『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋)にて第16回角川財団学芸賞、2019年に第16回蓮如賞受賞。
近著に、『ひとりだと感じたときあなたは探していた言葉に出会う』(亜紀書房)、『霧の彼方 須賀敦子』(集英社)、『光であることば』(小学館)、『藍色の福音』(講談社)、『読み終わらない本』(KADOKAWA)など。

「2023年 『詩集 ことばのきせき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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