帝国幻想と台湾 1871-1949

  • 花鳥社
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  • Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909832498

作品紹介・あらすじ

新聞・雑誌・書籍・ラジオ・映画・美術・食文化・ファッション──
いま鮮明になる日本統治下の台湾。

日本と台湾、双方の膨大な活字媒体を博捜して、徹底実証。
文学研究、歴史学、政治学や経済学など、学問ジャンルを跨いで、
近代日本人の異文化体験の実相を問う。

詳細な「関連年表」を附載。当時の写真多数掲載。

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  • 総論 帝国幻想と台湾
    1 一九世紀後半~二〇世紀前半の台湾と帝国幻想
    2 植民地とモダニズム
    3 文化のなかの帝国
    4 日本統治期の出版・新聞メディア
    5 日本統治期の雑誌メディア
    6 資料編

  •  簡潔な通史と、主に社会文化面を取り上げる短い論文集からなる。生活に身近なラジオや新聞などのメディア状況に関心を持った。本島人が9割との人口構成にもかかわらず、メディアの言語は日本語が主だったようだ。本島人対象のラジオ第二放送は1942年にやっと実現。昭和天皇即位の礼生中継の試み、ラジオ体操などの皇民化政策も、これでは限界があったのではないか。
     一方、ラジオを通じて日本のモダン文化が台湾に流入。流行ファッションは東京経由と上海経由の2ルート。本島人が見る映画は邦画、洋画、中国映画でいずれも台湾語弁士付き。日本食が流入し、すき焼きは台湾人に愛される。日本統治は近代性や異文化の流入をもたらしたが、同時に中国本土からの流入もあった点が台湾の特徴か。
     同時に、流入は一方向ではなく、バナナが植民地台湾の象徴として内地や朝鮮に移出されるなど、逆のルートもあった。

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著者プロフィール

和田 博文(わだ・ひろふみ):1954年、横浜市生まれ。東京女子大学現代教養学部特任教授・東洋大学名誉教授。ロンドン大学SOAS、パリ第7大学、復旦大学大学院の客員研究員や客員教授を務めた。著書に『日本人美術館のパリ 1878-1942』(平凡社)、『三越 誕生!――帝国のデパートと近代化の夢』(筑摩選書)、『海の上の世界地図――欧州航路紀行史』(岩波書店)、『シベリア鉄道紀行史――アジアとヨーロッパを結ぶ旅』(筑摩選書、交通図書賞)、『資生堂という文化装置 1872-1945』(岩波書店)、『飛行の夢 1783-1945』(藤原書店)など、編著に『モダン東京 地図さんぽ』(風媒社)、『猫の文学館』Ⅰ・Ⅱ、『月の文学館』『星の文学館』『森の文学館』『石の文学館』(ちくま文庫)などがある。

「2024年 『漫画家が見た 百年前の西洋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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