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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910710006

作品紹介・あらすじ

 作家・浅生鴨による責任編集の下で、「『五分』という単語を作品中に使うこと」だけを条件に、各分野の書き手19人が自由に書いた同人誌を文庫化。
 小説、エッセイ、漫画、短歌、イラスト、インタビュー、パズルなど、幅広いジャンルの作品を多数掲載した文芸同人誌の枠を超えたアンソロジー集。

 『朱に交われば赤くなるというけれども、どれほど朱い海の中を泳ごうとも、最後まで染まり切らずわずかに残る蒼こそが個人というものなのに、なぜか今僕たちは、みんなで寄ってたかってその残された蒼を朱く塗ろうとしている。それも悪意ではなく親切心で。個人を消し去ることが大切だと言わんばかりに、個人なんかでいては苦労するばかりなのだからというお節介な助言とともに。たぶん今の僕に必要なのは、切り離されることだ。どこにもつながらないことだ。個人として孤立し、誰にも理解されないまま孤独の中に打ち震える時間を丁寧に持つことで、ようやく僕は、かつて持っていたはずの、あの僕の蒼を取り戻すことができる。』
(浅生鴨「あの僕の蒼を」より)

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭に浅生鴨氏の「あとときの僕の藍を」というようやタイトルの文章が収録されているのだけれど,それが読みたくて本書を買って読んだ.他の著者の書いたものも9割5分がた読んだけど,冒頭の小文だけでも買って読んでみてください.

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著者プロフィール

作家、広告プランナー。1971年、神戸市生まれ。たいていのことは苦手。ゲーム、レコード、デザイン、広告、演劇、イベント、放送などさまざまな業界・職種を経た後、現在は執筆活動を中心に、広告やテレビ番組の企画・制作・演出などを手掛けている。主な著書に『伴走者』、『どこでもない場所』、『ぼくらは嘘でつながっている。』『すべては一度きり』『たった二分の楽園』など。近年、同人活動もはじめ『異人と同人』『雨は五分後にやんで』などを展開中。座右の銘は「棚からぼた餅」。

「2023年 『浅生鴨短篇小説集 三万年後に朝食を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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