- Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
感想・レビュー・書評
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アンの末娘、リラの視点を通しての第一次世界大戦時代の物語。
ヒルクレストの娘たちを少し思わせる。
「リラ・マイ・リラ」が印象的。
アンとギルバートとなんとよい親になった事だろう。
そして、リラが人の容姿にこだわる点はどう考えてもお母さん譲りである。
アンは赤毛コンプレックスがあったからこそ、ダイアナの美しさに惹かれ、ひと目見たときから密かにかっこいいと思っていたギルバートが「にんじん」と言ったことに対して、「なによ、ちょっとハンサムだからって!」と、5年間口を利かなかったのであるから。
そして崇拝者(アンブックスを通してこの言い方、わりとすき)であるチャーリー・スローンのことは「わたし、出目の男の子ってきらいよ」である。勝手なものだ。
そしてリラは客観的にも美人に育つのだが、これまたハンサムな青年に恋し、彼が遠征に行ってる間に口説きに来た好青年については、
「彼の不格好な鼻のことがなければ、言ってることがもっと立派に聞こえるのに」
とかなんとか思う。
ここ性質はモンゴメリーの他の作品でもそうなのだろうか?
彼女の日記からは面食いな部分は感じられなったけど、気になるところ。
いずれにしても3巻まで読んだきり、20年ほど放置したアンブックスを読み終えることができて満足。
そして、最終巻はやはり面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
30年ぶりの再読。赤毛のアンシリーズとして一気に読むと、アンの魅力が勝って見劣りしていた気がしたが、この小説だけ読むと、モンゴメリ独特の人間描写、皮肉とユーモアにあふれた文体がやはり魅力的。第一次世界大戦時、戦場から離れたカナダでも4年にも渡って人々が苦しんでいたこともよくわかる。