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- / ISBN・EAN: 4988104049230
感想・レビュー・書評
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日々の積み重ねが人生。普段は意識してなくて、特にこんな世界だと毎日生きていくので精一杯だと思うけれど、こうやって一旦振り返ってみると随分と遠くまで来たなって。
おじいちゃんだから台詞なくて表情とか仕草だけでもすごくしっくりきます。表情も淡々としてるけど、時折感情がこぼれてるところがうるうるきます。。
観るまではこの世界におじいちゃんだけ生きてると思っていたけれど、周囲に洗濯物干してあるお家もあるし、便利屋さんみたいな船もやってきてました。
おじいちゃんはこれからも家を積み上げながら、生きられるところまで生きていくんだろうな。
ゆっくり切ないです。濃密な12分でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
La maison en petits cubes
2008年 日本 12分
監督:加藤久仁生
海面がどんどん上昇し、水に沈みかけている町。おじいさんは積み木のようにどんどん上に家を増築しながら暮らしている。ある日お気に入りのパイプを海に落としてしまい、それを拾うためにダイビングスーツを着ておじいさんは水に潜るが…。
たった12分なのに、ものすごく染みるアニメーションだった。公開時、アカデミー賞の短編アニメーション部門受賞してるんですね。
おじいさんが積み上げた家の下の階にどんどん潜っていくたびに、その階にいた頃にあった記憶が蘇ってくる。下に潜るほど古い記憶になっているところ、オーソドックスたけど人間の記憶の階層と水面下の積み木の家の構造が重なってとても自然で上手いと思った。
おばあさんを看取ったベッド、娘夫婦や孫たちと写真を撮ったソファ、その階ごとに、持っていけなかった家具が残されているのも象徴的。そうしておじいさんは記憶をどんどん遡っていき…。
この段階で、涙が止まらなくなってしまい、自分でも驚いた。父の死後、自分の人生についてもいろいろ見つめ直すことが多かったのもあったかもしれないけど、きっとそうでなくても沁みただろう。たった12分に人生の総てが詰まった奇跡の名作。 -
どんどん水没していく街で
上へ上へと家を造り住むある男
ひょんなことから大切なパイプを落としてしまい
下へと潜り取りに行くことをキッカケに
自身の人生を振り返ることになり……
無音の世界で繰り広げられる
哀愁漂う男の物語
心が洗われるようだった -
ナレーション付きの本編を観る前に、映像と音楽だけを観て思い描いた物語。
<blockquote> 浸水したような町。目覚めると水かさが増してきて床が水ひたし。おじいさんは積み木のように階を重ねて行く。部屋の中央には階下とつながる扉のついた穴があり、そこから糸を垂らして魚を釣っている。ある日、おじいさんはその穴の中へ思い出のパイプを落としてしまう。穴をつたって階下へ降りて行くにしたがって、次々と昔の思い出が蘇ってくる。積み木の家、思い出の家、思い出の積み重ね。</blockquote>
24分の短い映像作品だが、個人的には特に筋書きが好み。 -
2008年に描かれたこの話を、作られてから10年たった2018年の現在にはじめて観た。
海の上に住むおじいちゃんの半生の物語。シンプルで味わいのある絵と、ミニマムな音楽だけで構成されている短い物語なのだけど感情を揺さぶられる。長く生きてきたおじいちゃんを通じて、人生はいくつもの時間の積み重ねであるということを実感する。
2028年や2038年になって観たときには、2018年の暑い夏のことを思い出すのかな。 -
積み上げられた家のアンバランスさがそのままおじいさんの人生を表しているのかな。物事は思うようにはいかないけど、絶妙なバランスで成り立ってる。いろんなことの積み重ねが今をつくっている。
思い出の海に潜って人生の節目節目の出来事に触れ、一番奥に眠ってた思い出のワイングラスで乾杯。素敵な話じゃないですか。 -
寂しいけれど、あたたかい物語だった。
短い中に1人の人生がぎゅっと詰まっていた。