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感想・レビュー・書評
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村上春樹の『一人称単数』の中の短編『ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles』の中で、当時付き合っていた彼女の引きこもりの兄に、主人公の「僕」が朗読した本が、この芥川龍之介の『歯車』の『飛行機』だった。
「歯車」は芥川龍之介の最後の作品で、自死後に刊行されている。心を病んで、不眠症になり、薬が手放せない。様々な幻覚や幻聴、思い込みに振り回される。
そんな「僕」が主役の私小説。
最後は、「誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはないか?」と締め括られている。
「歯車」と「一人称単数」を読めば分かるが、作風が、この「歯車」に寄せてきている、もしくは意識している気がするのは、私だけだろうか?
「僕」が死と向き合う私小説と言う意味合いで。
鬱病と重度の不眠症、総合失調症を患っている私としては、結構理解出来る世界観だったりする。
引き摺り込まれ無いようにするには?
いや、引き摺り込まれてもいいのかも。
日によって違う。 -
さまざまな幻覚の連鎖で芥川は苦しんでいたが、半透明の歯車を見たあとの頭痛は“閃輝暗点”と、いうものらしい。
私自身もたまに起こるので、この作品には興味があった。
出口のない迷路の中を彷徨っていては、誰か眠っている間に、そっと絞め殺してもらいたいという、怖ろしいことを考えてしまうのもうなずける。 -
芥川龍之介を読むのは之で2冊目だが、やはり文章が砂利を食わされる様なものなのである、「あ、この闇をわたしも知った事が有るわ」と頷きながらいつの間にか泣きながらページを捲っていた。歯車、それは歪んだ空白なのだろうか?語り口調で紡がれる文章は魯迅の「狂人日記」のような、またカフカの「変身」のようだったが、ザラザラ凍てつきながら、読み終えると夢中に、わたしは芥川龍之介の書く歯車の内の「僕」に憑依されてしまう。小説はひとの感情を振り回してなんぼじゃと思っている。そういった面で、この「歯車」は素晴らしい、ブラボー!とスタンディング・オベーションを送りたい「憑依小説」である。
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怖いとか気持ち悪いを通り越してよくわからない。
ただただ不安感ともやもやが残る。
どこに行って、こう思って、不安になって、移動して、レインコートみて、また不安になって、小説書いて…
もういい、もういいよ。
家族と過ごせよ。
そんな気持ちになる短編小説。
私にはちょっと難しかったのかしら。 -
共感できる。
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芥川龍之介も私も同じ偏頭痛と閃輝暗点に悩まされてたと知って、びっくり。
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コレは…ヤバい。
引っ張られる。
引きずり込まれる。
そっちの感覚を自覚したら、ヤバいぞ。
戻れなくなる。
でも読んじゃったな、最後まで。
最後の奥さんのくだり、その恐怖、分かってしまった自分が恐い。 -
最後の文について
妻の気遣いがなぜ恐ろしいのか?と最初に思い、いや愛してくれている人にも自分の死が直感されたのだからもはや死の定めは逃れられないのだと悟り恐ろしいのだと思い、愛してくれている人はそれゆえに絞め殺してはくれないのだと思い、死が恐ろしすぎるがゆえに死を望むという状態のあることを知った。
死の恐怖ゆえに死を望む。閉塞の極限である。自殺願望のある人に共感を感じることができるとの自負が少しはあったが、見当違いであった。
私も、このあたりの芥川病みすぎですが、好きです。
歯車が、片頭痛の症状とし...
私も、このあたりの芥川病みすぎですが、好きです。
歯車が、片頭痛の症状として医学部のテストにでたとか。
また、本棚寄らせていただきますね。
こちらこそ、いつもありがとうございます。
今作の芥川にはざわざわされっぱなしでした(^o^;)
医学部のテスト...
こちらこそ、いつもありがとうございます。
今作の芥川にはざわざわされっぱなしでした(^o^;)
医学部のテストに出たんですか。さすが医学部だけあって、難しい作品を選びますね〜。
コメントをありがとうございました(*^^*)