十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫) [Kindle]
- 講談社 (2007年10月16日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (366ページ)
感想・レビュー・書評
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さすが綾辻行人と言わせるようなミステリー作品
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綾辻行人さん「十角館の殺人」読了。孤島の十角館で繰り広げられるミステリー研メンバの殺人事件。冒頭から犯人の復讐が語られ、誰が犯人か考えながら読み進める。死人からの手紙、本土と島の2つで進められる物語展開。海外の有名ミステリー作家の名前で進められる島エピソードなど、かなり前の作品でも古さは感じられない。一人目の被害者が出た後からは残されたメンバの疑心暗鬼、犯人への怯えなど、ハラハラしながら読みました。そしてラストは予想外の結末で面白かった。まだまだ多く館シリーズはあるので、今後も楽しみに読み進めます♪
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本格ミステリというものを初めて読んだ
文字だからこそ面白い、登場人物の名前の付け方も憎いですね
携帯が普及する前の時代だからこそ生まれることのできた作品 -
以前からずっと読みたいと思ってたんですが、多分読んだらはまりそうな気がして避けてました。ですが、とうとうコロナ禍で自宅時間が増えて手を出しました。正統派ミステリー、久しぶりに読みました。楽しかったです。
ちょっとイタイあだ名のミステリ研ですが、犯人が分かったときあまりピンと来ず、ちょっと経ってから、あー、そうなんだーと。序盤から明らかに怪しかったのもあって、そこまでの驚きはありませんでした。犯人の動機とか全く推理できないので、推理小説を読むといつもその言動で犯人探しをしてしまいます。今回目星つけていた犯人は、真犯人の彼か、それか本土組の誰かだなと。正直本土組はみんな怪しく見えました。
ミステリ研の七人はあだ名こそダサいものの、キャラクターがそれぞれ面白く、一人また一人と死んでいくのは寂しい気持ちになりました。また、ミステリ研の名に相応しく作中で推理合戦をすぐに繰り広げ始めるのは面白かったです。 -
本作で初めて綾辻行人氏のミステリーを読んだ。
1980年代に発表された作品とは思えないくらい古さを感じさせない作りとなっている。
これぞミステリーといった風の話で、孤島という舞台設定、一人又一人と殺害されていく様は、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を思わせるが、非常に面白く読むことができた。
私のようなミステリー初心者にもおすすめの一冊。 -
最後のトリックは無理があるのでは?と思わずにはいられませんでしたが、全体的に金田一少年の事件簿っぽい雰囲気があって大好きです。(というか、金田一少年の事件簿よりもこちらの方が先に出ているとは思いますが。)
クローズドサークルで連続殺人事件、これだけでもうお腹いっぱいですが、巧妙に仕込まれた叙述トリックも良かったです。もっと早くに読んでいれば良かったと思いました。子供の頃は金田一少年の事件簿シリーズに夢中でした。登場人物がミステリー作家の名前で呼び合っていて、小説シリーズの『電脳山荘殺人事件』を思い出しました。こっちもやはり最後でこのニックネームで呼び合う設定が効いてきます。 -
「館シリーズ」の第一作にして最高傑作と言われる「十角館の殺人」。綾辻行人は大学生時代にずいぶん読んだものだが、今回は「長門有希の百冊」の一環で再読。新本格モノなんて再読するものではないという人もいるだろうが、20年ぶりともなると、事件の真相が明かされるあの一瞬の鮮かさも復活。
Kindle 版だと、著者あとがきも解説も読めないのが今一…。講談社も、もうちょっと頑張ってくれればいいのに。 -
ミステリを読んでいると聞くともなしに聞こえてくる伝説の一冊。
ということで少し佇まいを正して取り組みましたが、結論から言えば非常に僕の好みに合っていて面白かった。
つまりリーダビリティに気を遣った大変「読ませてくれる」作品でした。
ただ引っかかるのが、本格的なミステリ読みが読んでも同様に満足いく内容だったろうかという点。
殺人の動機、背景にある青屋敷事件との絡み、探偵の役割などが、パチッとピースが嵌っていく感じをさせなかったのがその理由です。
云わばミステリ入門編といった印象。
楽しめるミステリをお探しの方には是非。 -
本格派ミステリーで人気のある作品とのことだが、個人的にはあまりしっくりこなかった。島を訪れたミステリー同好会の大学生が、誰が誰だか区別がつきにくかったことと、「衝撃の一行」がそれほど衝撃に感じられなかった。自分の読解力が低かったのか、読み方が粗かったのか?
でも、他から隔離された島での殺人や古い館などのパーツは古典的で面白いと思った。