ダチョウの卵で、人類を救います アトピー、新型インフルエンザ、HIVも撃墜する夢の抗体発見秘話 [Kindle]
- 小学館 (2012年7月1日発売)
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感想・レビュー・書評
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鳥類の研究者によるダチョウの卵を使った研究を紹介する本。タイトルを見た時はそんな都合のいい抗体あるのかと思ったが、内容を読んで理解した。一つの最強の抗体があるのではなく、それぞれに適した抗体を作れるという話だった。むしろそれが抗体を使う利点でもある。
ダチョウというのは鳥類としては頑丈な生物らしく、ちょっとやそっとの怪我では死なないらしい。さらにその頑丈さを支えているのが抗体生成能力である。病原菌やウィルスに対抗する抗体は人間含め他の生物も持っているが、ダチョウは特に抗体を作る能力に長けている。さらにダチョウは卵を産むのが良い。抗体は卵にも含まれるからである。これによってダチョウを抗体生成器として使うことができるわけだ。しかもマウスのような哺乳類では反応せず、抗体が作れないタイプにも対応できる。
さらに都合のいいことに、ダチョウは既に家畜として飼われている。この日本においてでもだ。おかげで著者はすでにダチョウ由来の抗体を使った製品を開発し、本書執筆時点で販売している。およそ10年が経った現在でも販売していたので、ちゃんと売れているのだろう。ダチョウはせいぜい食料としての役割しかないと思っていたが、むしろこっちの方が主目的になるのではないかと思う。とはいえダチョウ由来の抗体商品が一般化しているようにも思えないので、何かしら今でも課題があるのだろうとは思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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