- Amazon.co.jp ・電子書籍 (278ページ)
感想・レビュー・書評
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どこまでも美しい自然、どこまでも温かく優しい人々。まさに書中の写真コンテスト評文のように、二次元であるはずの文字が音やニオイ、色などの三次元以上の情報を手に読む者に語りかけてくる。もう一度読んでよかった。
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バイクで走っているとき、トイレを借りに偶然入った
山間の小さな雑貨店
そこでの出会いが様々な人たちを変えてゆく
この人の小説は、出てくる人たちがみな
優しくて優しくて。
こんな無防備で純粋で優しい人間がいるかなぁと思いつつ、まんまと泣かされてしまう(笑) -
恵三さんのしんみりした身の上話が、夏美さんの声かけでさらに潤んでくる。空気を換えてくれる弾む声と背中をさするあったかい手。
夏美さんはとっても魅力的だ。やや内気なしんごくんも。
田舎の風景は私の子どもの頃のまま。夏は、公民館で柔道を習った帰りにふわりと浮かぶホタル。冬は、星空を見上げ、学校で学んだ北斗七星やカシオペア座をさがしながら帰った。
森沢明夫さんの描く自然描写はさりげなく美しい。風鈴の音、葉ずれの音、線香花火、ヒグラシの声。そして異質物みたいな雲月さんの角もとれていく。
才能とは覚悟
人と人のつながりが
人と人の絆が信じたくなる
そんな作品だった。
爽やかな清涼剤であり、掘り炬燵みたいな作品。
作者にありがとうと伝えたい。 -
文章から作者の温かみが溢れ出していて癒された。
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p148-150 抜粋
「そもそも幸せってなんだ?」
「幸せってさ、単純にさ、こういうことかも」
不意に夏美は僕の手を握った。
そして、ちょっと大きめに手を振りながら歩きだしたのだった。
「たしかに、単純なのかもな」
ふと、前の方からふんわりとした木綿の風が吹いてきて、2人の髪の毛をサラサラとなびかせた。
「風が気持ちいいの幸せだしさ」
夏美は前を向いたまま言う。
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夏の匂いと人の暖かさとを感じるあったかい物語。
涙腺が緩みっぱなしになりました。
読むと優しい気持ちになります。
心が疲れたときに読んでほしい一冊。 -
山里での掛け替えないひとときがやさしく描かれてる。自然の描写が鮮明で、読みながら一緒にこの夏を楽しませてもらえた。出てくる誰もがあたたかくて、いいなぁ。
親から子・世代の継承や人と人のつながりがテーマ。
あとがきの最後まで大切に読んでほしい。 -
優しい人ばかりが登場する、強ばった心が解きほぐされるような温かい物語。
涙腺にダイレクトに攻撃を受けて終盤うるうるしながら読んだ。
素敵な本との出会いに感謝。 -
田舎の情景描写が秀逸で、自分もその場にいるような気持ちになった。