夏美のホタル (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • 山や川のおいしいものの描写、四季折々の田舎の風景がまぶたの裏に浮かんでくる。
    いなくなってしまった命、また新たに宿る命。
    地蔵さんの言葉や生き様が2人の子に、
    生命のリレーは続いていくんだと感じた。

  • どこまでも美しい自然、どこまでも温かく優しい人々。まさに書中の写真コンテスト評文のように、二次元であるはずの文字が音やニオイ、色などの三次元以上の情報を手に読む者に語りかけてくる。もう一度読んでよかった。

  • バイクで走っているとき、トイレを借りに偶然入った
    山間の小さな雑貨店

    そこでの出会いが様々な人たちを変えてゆく

    この人の小説は、出てくる人たちがみな
    優しくて優しくて。
    こんな無防備で純粋で優しい人間がいるかなぁと思いつつ、まんまと泣かされてしまう(笑)

  • 恵三さんのしんみりした身の上話が、夏美さんの声かけでさらに潤んでくる。空気を換えてくれる弾む声と背中をさするあったかい手。
    夏美さんはとっても魅力的だ。やや内気なしんごくんも。
    田舎の風景は私の子どもの頃のまま。夏は、公民館で柔道を習った帰りにふわりと浮かぶホタル。冬は、星空を見上げ、学校で学んだ北斗七星やカシオペア座をさがしながら帰った。
    森沢明夫さんの描く自然描写はさりげなく美しい。風鈴の音、葉ずれの音、線香花火、ヒグラシの声。そして異質物みたいな雲月さんの角もとれていく。

    才能とは覚悟

    人と人のつながりが
    人と人の絆が信じたくなる
    そんな作品だった。
    爽やかな清涼剤であり、掘り炬燵みたいな作品。
    作者にありがとうと伝えたい。

  • 文章から作者の温かみが溢れ出していて癒された。

  • p148-150 抜粋
    「そもそも幸せってなんだ?」
    「幸せってさ、単純にさ、こういうことかも」
    不意に夏美は僕の手を握った。
    そして、ちょっと大きめに手を振りながら歩きだしたのだった。
    「たしかに、単純なのかもな」
    ふと、前の方からふんわりとした木綿の風が吹いてきて、2人の髪の毛をサラサラとなびかせた。
    「風が気持ちいいの幸せだしさ」
    夏美は前を向いたまま言う。

  • 夏の匂いと人の暖かさとを感じるあったかい物語。
    涙腺が緩みっぱなしになりました。
    読むと優しい気持ちになります。
    心が疲れたときに読んでほしい一冊。

  • 山里での掛け替えないひとときがやさしく描かれてる。自然の描写が鮮明で、読みながら一緒にこの夏を楽しませてもらえた。出てくる誰もがあたたかくて、いいなぁ。
    親から子・世代の継承や人と人のつながりがテーマ。
    あとがきの最後まで大切に読んでほしい。

  • 優しい人ばかりが登場する、強ばった心が解きほぐされるような温かい物語。

    涙腺にダイレクトに攻撃を受けて終盤うるうるしながら読んだ。

    素敵な本との出会いに感謝。

  • 田舎の情景描写が秀逸で、自分もその場にいるような気持ちになった。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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