走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • この本を読んで走りたいと思わない人がいるなんて想像できない。

  • 読書というより正確にはオーディオで聴いた。
    彼の好きな「走ること」を中心に語られるエッセイ。
    村上春樹の作家としての心構えのようなものを知ることができる。面白い。
    言葉の選び方が心地よくて、読んでいて(聴いていて)癒される。
    ジョギングしているような軽やかな気分になった。

  • このエッセイは、村上春樹が、もちろん自身の走ることにエッセイであるが、作家村上春樹の種明かし的な書物としても楽しめる。
    村上にとって、走ることは、なにより、長編小説を書けるようになるための、基礎体力のようなものを獲得するためのものである。
    長編小説には、集中力と持久力の両方が必要である。それを作り上げるのが、村上の場合は、走ることなのである。

  • 走ることについて語るときに僕の語ることについて語るときに僕の語ること、それは(ハルキ!)であった。

  • 村上春樹のエッセイ。村上春樹はランニングが趣味で、毎年のようにフルマラソンの大会に出場しているらしく、走ることに対する彼の考えを書き綴ったエッセイ。独特の含蓄のある言い回しが非常に面白くて、サクッと読めてしまう

  • ランナーを自覚する者として、繰り返し読みたいと思うような本。レース終盤のイライラした感情、走ることに対する思いや姿勢等、共感できることが多く書かれていた。

  • 日々「走る」ことにどういった思いを持ちながら走っているのか
    他人の、特に署名な作者の考え方が知れて良かった
     自分自身、減量目的でランニングを始めて目標は達成しても
    やめずに走っているのは自分自身にとって良いことだからだと思う
    「なるべくしてランナーになる」はなるほどと感じる
    人それぞれ得手不得手がある、自分自身に良いことでも
    他人からは理解が得られなくても仕方がない

    「走っているときに何も考えていない」も共感する
    多分、走ることに集中して他のことを考えられないのかもしれない
    「集中」することは「楽しい」ことなので自分自身で
    「何も考えていないな」と思う時は心では楽しんでいるときかもしれない
    著者のような人には、創作以外の代えがたい時間なのかも


    --------------------------
    同じ十年でも、ぼんやりと生きる十年よりは、しっかりと目的を
    持って、生き生きと生きる十年のほうが当然のことながら
    遥かに好ましいし、走ることは確実にそれを助けてくれると
    僕は考えている。与えられた個々人の限界の中で、
    少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、
    それがランニングというものの本質
    --------------------------

    「走る」ことの本質を言語化してもらって響きますね
    走っている方の多数の方は賛同してもらえそうです
    ランニングに絞らず、スポーツ全般に置き換えても
    通じることができる文言かもしれない
    村上春樹の本を読むのは始めてですが、「こういうことか」と
    おぼろげなから村上春樹を感じた
    ただこの本は「走る」ことの本で自分自身も走っているから
    共感できる部分もあったが、回りくどい文脈は他のジャンルの
    本で耐えられるか若干心配もある

  • 最後の一文「最後まで歩かなかった」に何か感動した。人生に意味や順位はない。最後まで前傾姿勢であることの美しさ。老いは上り坂?下り坂?いずれにしても平地ではないので、リズムが大切だな。

  • 【いったんリズムが設定されてしまえば、あとはなんとでもなる。しかし弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは継続についてどんなに気をつかっても気をつかいすぎることはない】(文中より引用)

    作家の村上春樹が長年続けてきた「走る」という行為を通して自分と向き合ったメモワール。一見つながりがないように感じられる走るという行為と書くという行為が、考え方や習慣という側面でつながっていること等を指摘しています。

    本書をどういう目的で読むかは人それぞれだと思いますが、読んだ後にはまず間違いなく「読んで良かったな」という清廉な気持ちを迎え入れることができる作品だと思います。リズムを良い文章に乗せて走ることへの柔らかな思いが語られており、なんとも幸せな読書体験でした。

    再読だけど飽きることがない☆5つ

  • 走るようになったので再読。奥の深い世界だ。自分もいつか、大会とかに出るのだろうか。
    2023.9.24また再読。足の怪我のため走るのも散歩するのも自粛中。しみじみまた走りたくなりました。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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