- Amazon.co.jp ・電子書籍 (135ページ)
感想・レビュー・書評
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コミュニケーションにおけるズレが抽象レベルと具体レベルと言う風に見えている世界が違うということを知れて納得した。抽象だけではわからないしため、具体と混ぜ合わせる必要があるとわかりやすく書かれていた。
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抽象化を制すものは思考を制す」という言葉は過言でもないぐらい、抽象的に考える、抽象度をあげる力は、とても威力があります。本書は、具体と抽象について、多くの事例とピラミッド図、4コマ漫画を通じてわかりやすく説明しています。
頭を柔らかくする、対局を見り、枝葉を切り捨てる、本質を考えるなどは、要するに「抽象度をあげる」ことに他ならない。また、具体レベルで模倣することはパクリですが、抽象レベルで模倣することは斬新なアイデア、イノベーションと呼ばれます。
私がデザイン思考ワークショップ、アイディエーションを行うときに意識しているのは、抽象と具体を行き来することです。例えばブレストは、具体レベルでたくさんのアイデアを出すだけではなく、他者のアイデアをみて、一度抽象化し、また具体レベルのアイデアを出すプロセスです。ブレストが苦手な人は、この抽象化が苦手で「アイデアなんて出てこない」に陥っているんだと思います。
具体と抽象は相対的なもので、「鮭のおにぎり」→「おにぎり」→「食べ物」を例にすると、「おにぎり」にとって「食べ物」は抽象的ですし、「鮭のおにぎり」から見れば「おにぎり」も抽象的です。コミュニケーションにおいて、この抽象度(or 具体度)がお互いに合っていなければ、いつまでも話は噛み合いません。話が噛み合わないとき、考えが矛盾するとき、それは具体と抽象のレベルが異なっている可能性があるので、自分と相手がどのレベル感で話しているかを考えてみると、理解し合えると思います。 -
タイトルの「具体と抽象」とページ数の少なさから、どんな難解な哲学書と身構える。最初の印象は完全に裏切られて、全編が平易な文章のまま、様々な形態の具体と抽象を行き来する。日々の思考に習慣づけるには時間を要するだろうけど、具体と抽象を自在に操れれば、かなり強い。
ちょいちょい挟まってる4コママンガはスルーしてよい。
なんかもっとキャッチーなタイトルなら、もっとバカスカ売れたんじゃないかという気がしてならない。 -
概念的なことを伝えるのは本当に難しいなぁ、とよく思うんですが、この本はその難しいことをきちんと、しかも解りやすくやっている。一読の価値あると思うねん。
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Kinoppy
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今の職場では、結論は何?一言で言うと?A4用紙1枚でまとめてと、
伝えて手に「わかりやすさ=具体性」求める風潮があります。
資料でも誰もが見てわかりやすい構図、問題点、分析、解決策が求められます。
つまり具体性(わかりやすさ)に価値があると思われています。
「何言ってんだか全然わからない」というのは、
今の日本の職場では「使えない=知的生産性が低い」と思われています。
著者は、「わかりやすさ」が求められれば、求められるほど、
知性は退化する指摘し、抽象性と具体性を行ったり来たりすることが大切だと述べています。
「わかりやすさ」が、なぜこれだけ支持をされるかというと、
私は、それだけ日常生活に不安を感じている人が増えたからだと思います。
「わからない」ことが不安だから、それを解消するために、
「わかりやすさ」を求める。
私たちの社会は、あまりに複雑で、そして不安定です。
特定の「正解」がない中で、今を生きています。
その中で、「わかりやすさ」とは、一種の麻薬にも似た、
特効薬で、それを摂取するのは、快感かもしれません。
しかし、「わかりやすさ」を求めても、本当の解決にはならないことは、
今の社会状況を見れば、すぐにわかります。 -
具体、抽象に関して、人と話した時に抽象度の食い違いを感じる事があってブログに書いたりしてたけど、うまく文章にされていてビビッときた