人間の大地 (光文社古典新訳文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 著者のパイロット経験から成るエッセイ集。読みやすさ◎ 王子さまの考えがより具体的にわかる気がします。雪山の話を体験したってまじでしょうか……。浪漫が詰まってます。

  • 小説というより、エッセイ+詩という感じ。ここで言う詩は、詩の原理で言う叫びのようなもの。
    これは傑作過ぎて、今のところ他と比べられない。飛行機乗りそれ自体が自分にとっては未知の世界だが、それにしてもこの時代は今以上に壮絶な職業だったんだろう。
    神のような俯瞰的なモノの見方と飛行機乗りゆえの環境がリンクしているので、もはや無限スパイラル。個人は人類の細胞の一つ、個人は人類としての目的を共有すべき、著者はそこまで極まってる印象を受ける。これは批判ではない。
    いずれにしても名言だらけで何度も読みたくなる良書。文庫本を手に入れ、手元に置いておこうと思う。


  • 星の王子さまで有名なサン・テグジュペリの作品。軽い気持ちで読もうと思ったらかなりのボリュームでちょっとびっくりした。パイロット時代から従軍記者のときの彼の心情を、これでもかというくらいの表現で、ありとあらゆる表現を使って描かれていて、若干胃もたれするくらいのものだった。サハラ砂漠を放浪するところは読んでいてこっちが辛くなるくらいだった。こんなにも読み応えがあるというのに、本人は40代でこの世を去ったという事実にも驚いた。また別の作品も読みたい。

  • これは読み応えがあった。

    パイロットだったサン=テグジュペリ自身や同僚の実体験として語られる、1900年代初頭の長距離飛行の過酷さは冒険譚として読むだけでも心躍る。宮崎駿監督がサン=テグジュペリのファンというのも頷ける。ナウシカやラピュタを見た時のワクワク感に通じるものがある。なおかつそれが叙情的、時に詩的な表現で描写されていて非常に含蓄のある読み物になっている。

    上空から眺めた地上の硬質なイメージや、砂漠に駐留していた時や不時着した時の「砂と星のあいだ」などの体感からの表現方法も面白くて興味を惹かれた。飛行機が発達したばかりの当時では地球を星と捉える考え方、俯瞰的な見方はなかなかなかっただろうし、その見方が可能な今の自分にサン=テグジュペリのような考え方ができているのかという意味でも考えさせられるものがある。

    いかに星が身近な存在だったか、そこからどう思索に至ったか、これを読めば『星の王子さま』が生まれた経緯がちょっと分かる。自分的には退屈だった『星の王子さま』も読み直したら印象も変わるだろうか。難解らしい堀口大學翻訳版も読んでみたい。

  • 「この人、宮沢賢治と気が合いそうだなあ…好きだ…」と思って読み進めていたら、訳者があとがきを宮沢賢治の話で締めくくっていてちょっと興奮しちゃった 星の王子さまミュージアム、また行きたいなあ

  • 記録として。

  • 砂漠から生還した著者の話が印象的だった。著者は砂漠で脱水症状になり今にもこと切れるというその時、通りすがりの商人に命を助けてもらった。だが著者は感謝をしてもしきれないような、自分を救ってくれた恩人の顔も名前も忘れてしまったという。今となってはもう、その恩人に感謝の思いを伝えることはできないが、そのかわりに人類全体に感謝し、人を愛するようになったという。

    仕事をしていて、お客さんから感謝の言葉を貰うとすごく嬉しい。しかし、世の中には重要な仕事であるにもかかわらず、直接的にお客さんと対面する機会がないために、そういった感謝の言葉などを得られず、自分の仕事の意義を感じられない人も多いと思う。そういう人にこそ、この言葉を知って欲しいと思う。直接的に感謝されることはなくとも、自分の仕事は人類への愛という形で還元されているのだと思うと、これ以上に幸せなことはない。この本を読んでそのことに気づけた自分は幸せだと思う。

    文章も綺麗で印象的なエピソードやフレーズが散りばめられた非常にいい本だった。ぜひ読んでいただきたい!

  • 文章が詩的。表現が的確。

  • 記録文学として。

  • 時代背景も考えながら改めて読み直した。
    サン=テグジュペリの世界観が好きだ。
    解説を読み、さらに全集を読みたくなった。

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著者プロフィール

フランス・リヨンに伯爵家の長男として生まれる。海軍兵学校の入試に失敗したあと、21歳のときに兵役で航空隊に入隊。除隊後、26歳で民間航空会社に就職し郵便飛行に従事する。同年、作家デビュー。以後さまざまな形で飛行し、その体験にもとづく作品を残した。代表作に『南方郵便機』(29年)『夜間飛行』(31年、フェミナ賞)、『人間の大地』(39年、アカデミー・フランセーズ賞)などがある。『星の王子さま』(原題は『小さな王子』、43年)は第二次世界大戦中、亡命先のニューヨークで書かれた。翌44年7月、偵察任務でコルシカ島の基地を発進したあと消息を絶った。

「2016年 『星の王子さま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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