蜜蜂と遠雷 (幻冬舎単行本) [Kindle]

著者 :
  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • 蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

    これぞ最高傑作
    書きたい感想が多すぎて言葉が出てこない。
    とにかく壮絶な物語。


    音楽とはなにか。
    コンクールを通して音楽というものの核心に近づいていく主人公たち。これでまだ未完成っていうのが末恐ろしい。
    いや、完成しないからこそ面白いのか。
    天才にも神童にも悩みがあってそれらをゆっくりゆっくり紐解いていく。時にはその紐に雁字搦めになることもあるけど、そこから逃げない人。
    もっといえば紐を解くこと自体を楽しんでいる人。
    それが「天才」なのかなぁと感じた。
    ただ、その紐を手を使わずにフワッとほどいて見せる超人がいて、それがギフト「風間塵」
    これは神とか悪魔の領域に近いんじゃないだろうか笑

    だから、人生を音楽に捧げた天才たちばかりの中で家庭持ちの高島明石はいちばん応援してて、
    最後の「菱沼賞」と「奨励賞」に明石の名前があるのは感慨深い。
    涙腺崩壊した‪(TωT)‬


    あと文章表現!!
    自分音楽全然詳しくないけど、文字から音が聞こえてくる錯覚に陥った…!?Σ(・ω・;

    言葉が、背景が、美しすぎる…

    これは映画でどう表現されるのか楽しみやから
    映画も見ねば!!


  • 「夜のピクニック」以来と言っていいくらいご無沙汰していた著者だが、直木賞受賞祝いという事で読んでみたが、夢中になって読む事になった、一気読みしたいが章ごとの余韻も楽しみたくなる素晴らしい物語の折重なりであった。音楽表現ではいままで中山七里やのだめカンタービレに感心していたが、それらを上回る表現力であった。物語は「花の24年組」の漫画家たちを思い起こされる何ともドラマチックな展開で、本屋大賞も取るのではないだろうか。これは絶対映像化を望みたいところだが亜夜はやはり広瀬すずになっちゃうのかな。

  • 可哀想で、などではなく感動で泣けた小説は久しぶり。
    影響し合うコンクール参加者たちのドラマに感動しまくり。

    ただ、作中のほとんどを占める演奏シーンは心情描写や比喩表現によるものが多いので、そこを楽しめない人にはやや退屈な作品かもしれない。

  • ここまで読後感の良い本に出会えたことに感謝したい。
    素晴らしい1冊だと思います

  • 権威あるピアノコンクールにて、世界中から集った若きピアニストたちの悲喜こもごもを描いた群集劇。2つの予選と本選を通して、ピアニストたちは自分の能力・才能を評価され、他人と比較される。それはわずか2週間のイベントだが、ピアニストたちの音楽的、人間的才能を急成長させる。

    ストーリーに特定の主人公はいないが、キーマンとなるのが、養蜂家の父親と世界を転々とする住所不定の天才ピアニスト、カザマジン。彼の弾く独創的なピアノがコンクール参加者たちの心を揺さぶり、共鳴する。

    天才が天才を呼ぶ、少年漫画のような単純明快な青春小説。ストーリーよりも、文章だけで、音楽をここまで表現できる筆者の力量に感動。この文章力が直木賞に値する。

  • 記録

  • 蜜蜂を追って生きてきた少年の音楽性、日々の生活に音楽を見出す「悲しきヒロイン」の女子音大生、音楽で生きることを辞めたサラリーマン、、それぞれの音楽が優勝者の決まるコンクールの舞台で高めあう。。

    僕はこの話の中で人の生活はどこにでも芸術(感性)に満ち溢れていて、そして、その受け取り方は千差万別であることを思い知った。

  • 蜜蜂と遠雷、読了。一気に読む。引き込まれるなぁ。描写がいいし、気持ちが清々しくなる。

  • 恐ろしく美しく、強い。至高の読書体験だった。ひとつひとつの文から音が流れ出して響き渡り、強い感動を与える。
    才能とは、天才とは、音楽とは、コンクールとは...ものすごく緻密な群像劇であり、登場人物たちに遠く手の届かないアマチュア音楽家である自分も、その場に寄り添い、奏でること、聴くこと、考えることを共有している。
    読み終わった後の虚脱感、遠いところに連れてこられたな、という感情がものすごく強い。読みながら「自分にとっての音楽」はなんなのかずっと考えていた。とにかく読み応えが圧倒的で、読んだ後もひたすら放心しながら考えている、という矛盾した感情が渦巻いている。楽しかった。
    個人的にはこれは小説だからこその表現だな、と思ったのだが、これを一体どう映像化するのだろう、という気持ちにさせられる。

  • 本選最後まできっちり書ききってあって素晴らしい。そして登場人物や「音楽」の行く末に祝福が感じられるのがまた良い。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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