cometerougeさんの感想
2017年11月16日
読みやすい藤田哲也博士の伝記。藤田博士は、藤田スケールを作った人で、ダウンバーストを発見し、航空機事故を減らすのに大きく貢献した人。日本ではあまり知られていないようで、私もこの本で初めて詳しく知った。 業績的には素晴らしい人だが、所々でプライベートでは癖のある人だったんだろうなと勝手に想像した。息子は父親の話をするのをにべもなく断ったみたいだし。 ダウンバーストの観測に役立ったドップラー・レーダーの普及にはあまり関わっていないようだが、これは博士が研究以外に興味がなかったからなのか、お金儲けに直結する部分には、日本人は関わらせてもらえなかったのか、下衆の勘ぐりだろうか。 本書には書かれていないが、行っていた研究が、たまたま航空機産業の利益に合致したのが、成功の大きな要因だったようにも感じた。
1943年東京都生まれ。東京大学文学部フランス語フランス文学専修課程卒業。同大学院人文科学研究科美学芸術学博士課程修了。埼玉大学助教授、東京大学文学部教授、日本大学文理学部哲学科教授を歴任。元国際美学連名会長。現在、東京大学名誉教授、国際哲学系諸学会連合副会長。文学博士。1982年、『せりふの構造』でサントリー学芸賞受賞。著書に『せりふの構造』『作品の哲学』『ミモザ幻想─記憶・藝術・国境』『美学辞典』『美学への招待』『日本的感性─触覚とずらしの構造』『ディドロ『絵画論』の研究』ほか。 「2016年 『講座スピリチュアル学 第6巻 スピリチュアリティと芸術・芸能』 で使われていた紹介文から引用しています。」