高慢と偏見 (中公文庫) [Kindle]

  • 中央公論新社
4.42
  • (7)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 113
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (617ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • バランスの取れた新訳。どの訳書が良いか迷ったらおすすめできそう。
    恋愛小説と見なすにはもったいない英文学で、改めて読むと、現代にも非常に示唆を与える作品だと思う。
    一見すると女性の結婚までの物語だけど、著者オースティンが非常に保守的な立場であったことにも納得の、非常に人間の父性的な側面が強調されているように感じた。また発言内容などインターフェイスだけ追えばヒロインの女性(エリザベス)の父親は無関心で頼りない存在、母親は感情的で知性のない存在、と読んでしまいがちだけれども、物語のプロットを追えば父親は情に根ざした人間的な人物で、母親の方が権威や常識を重んじる形式的な人物にも思えてくる。
    人間の重層的な面を見事に描いており、さすが「偏見」がタイトルに入っているだけある。当初予定していたタイトルは「第一印象(First Impression)」だったというのにも納得。
    言わずとしれた名作なので、読んだ後は英文学を専門とする研究者の評論をインターネットで読めるのも楽しい。

  • 初めてのジェインオースティン約200年前の英国地主階級(土地賃料収入だけで生活)の恋愛物語。フランス革命などもあった激動の時代なはずなのに身の回りに起きることばかりが展開されてゆきます。本を閉じてもいろんな会話が賑やかに聴こえてきそう。

  • 1813年に出版されたイギリスの古典文学。挿絵がきれいだった。
    当時、男も女も結婚が一番の関心事で、容姿、経済力、性格が相手に求められる。社交の場でもまず外見や態度が大事で、陰で悪口を言ったり、褒めちぎったり。
    主人公エリザベスの揺れ動く心理描写が丁寧で、周りの登場人物の描写や物語の展開も面白かった。
    作者が21歳の時に書いたそうで、その才能に驚かされる。
    ちょっとロマンチックすぎるかなと感じたが、結局決め手は現実的な経済力であったように思う。

  • 色々参考にして中公文庫版を選んだが、とても読みやすい訳で、挿絵もあり理解しやすかった。ただ、残念なことに、訳者序文にネタバレを含むので、後回しにするべき。

    英国小説ということで、当時の貴族(ではないらしいが)社会でどんな生活が営まれていたのか知らないが、この優雅な人たちはどう生計を立てていたんだろう?という疑問も含めて、登場人物がとても魅力的で面白かった。

    ダーシーはいい奴だけど、エリザベスはどうなん?

  • 貴族ってめんどうくせ〜〜〜〜。

    心底そう思う。

    体裁とかちょっとした振る舞いとかから、一生ネチネチネチネチと考察を巡らせる。何時間でも何日でも、1出来事に対して話しまくる。働く必要がないから暇なのだろうか。

    ”傲慢と善良”を読んで、その続きでこっちの本も読んでみた。おそらくこの本を読んでいる30歳独身男性は日本で私だけなのではないだろうか。

    この本はどうやらイギリスのティーンエイジャーがキャッキャいいながら読む本らしい。私はこの本を読んで、「ふふぅ」とか、「はぁ」しか出てこなかった。読むのが遅すぎたのかもしれない。

  • ジョー・ライト版の映画は好きなので試しに読んでみたらドハマリ。毎晩寝不足になるほど読んで3日ほどで読み終えた。久々に読み終えるのがもったいないと思うくらいのめり込んだ。期待以上で、好感をもっていた映画よりも良かった。きめ細やかな心理描写がいい。愛嬌があって読みやすく、それでいて生々しく面白い。人間の嫌な面を滑稽にユーモラスに描くので不快感はなく、オチを知ってるのに先が気になって仕方がないほどグイグイ読まされた。ジェイン・オースティン読んでいきたい。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

ジェイン・オースティン(Jane Austen)
1775年生まれ。イギリスの小説家。
作品に、『分別と多感』、『高慢と偏見』、『エマ』、『マンスフィールド・パーク』、『ノーサンガー・アビー』、『説得されて』など。
1817年没。

「2019年 『説得されて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジェイン・オースティンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×