定年後 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) [Kindle]

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  • 中央公論新社
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  • 60歳か65歳か、いずれにしてもわれわれサラリーマンは、どこかで「区切り」がやってくる。「明日からもう来なくていいよ」と言われるのだ。といっても、会社を辞めたら即死するわけではない。健康ならその後に15年なり20年なりの「何をしてもいい時間」が待っているわけだ。その時間をいかに有意義に、いきいきと過ごすべきか、その心得を記した本。この手の本には珍しく、投資などの財務系の話は出て来ない。たとえば趣味、たとえば起業、たとえば定年後の自分の居場所をいかに確保すべきか、という心構えの本だ。

    ただぼくは、あまり前向きに読む気分になれなかった。もらっている給料なりのベネフィットを会社に与えるつもりで、数十年、ぼくなりに努力もし、苦労もし、嫌なことも嫌な顔をせずに引き受けてきた。それはたぶん「有意義」だったのだろうし、傍からは「いきいき」して見えたのではないかと思う(実はいきいきしていなかったという意味ではない)。でも会社を辞めたあとも死ぬまで、環境が変わるだけで、誰かのために「努力をし」続けなければならないのは嫌だな、と思ったのだ。
    仕事のほかにやりたいことがあるのなら、何も定年を待つ必要もない。さっさとやってしまわないと、定年前に死んでしまったら丸損だ。
    ぼくは定年後に、何もしないでごろごろしていたいと思っているわけではない。いままでやったことのないことをやってみたり、なんの役にも立たない勉強をしてみたり、別に何もしないでごろごろもしよう。退屈するかどうか知らないが、退屈するというのも一つの贅沢だと思う。

  • 男性は会社以外に人のつながりをもつことが少なく
    定年後になると急に生活が小さくなってしまい人生の充実度が減ってしまう。

    それを具体的にイメージすると
    転勤したあとの専業主婦のイメージに近い、、とのこと。

    確かに会社以外での活動の場などをつくっておかないと
    年をとってからだと新しく物事を始めるエネルギーであったりがなくて大変になりそう。

    早いときから何をして過ごすのか考えておくのがよさそう。

  • 定年後のリアルを知れる本。現役時代は長期休暇といってもせいぜい1~2周間くらいで仕事から完全に離れるという感覚がまるでわからないものだが、それを垣間見ることができる。

    "居場所"が大事なんだなと感じた。もし仕事人間だったとして定年で会社という居場所を失ったとき、仕事に変わる次の居場所がなければただ無に老いていくだけになる。

  • 趣味とか定年後のために持とう、とかいう感じだったかな。

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著者プロフィール

楠木 新(クスノキ アラタ)
楠木ライフ&キャリア研究所代表
1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

「2022年 『自分が喜ぶように、働けばいい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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