感情の正体 ──発達心理学で気持ちをマネジメントする (ちくま新書) [Kindle]

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  • 感情に関するさまざまな学説のさわりを部分がさまざま紹介されている。

    特に興味深かったトピック
    1.感情はどのように喚起されるか
     意識(感情)、身体反応、認知、脳の活動の関係性
     (例)・刺激→身体反応→意識
    ・刺激→脳の反応→意識
    →身体反応
    ・刺激→身体反応→認知→意識
     脳の認知システムと情動システムは相互に影響し合っている
     感情の次元性
      快・不快と覚醒・睡眠のマトリックスで感情を分類できる
     感情の階層性
    ① 原始脳(快・不快)
    ② 情動脳(喜び、恐れ、怒り)
    ③ 社会脳(愛情、親しみ、憎しみ、嫉妬)
    ④ 知性脳(愛、罪、恥、甘え)
     感情の4つのコンピテンス(EQ理論における)
      ・識別能力:どのように感じているか
      ・利用能力:状況判断や課題達成のためのコントロール
      ・理解能力:なぜ、どのように感情が生じたか
      ・調性能力:他者に働きかける上でのコントロール

    2.感情マネジメントの技術
     SEL:困難やストレスを解決するためのスキル、態度、具体的な行動のプログラム
    5つのコア能力
    ① 自己知覚:自分の気持ち、考え、価値観を正しく認識できる
    ② 自己マネジメント:状況に応じて、気持ちや考え、行動を調整できる
    ③ 社会的知覚:多様な他者の立場に立ち、共感できる
    ④ 関係づくりスキル:さまざまな人と関係を構築し、維持できる
    ⑤ 責任ある意思決定:建設的な選択ができる
     SST(インストラクション、モデリング、リハーサル、フィードバック、チャレンジ)
      4つのポイント SAFE
       Sシークエンス(順序)Aアクティブ(活動的)
       Fフォーカス(焦点)Eエクスプリシット(明白な)
    3.場所アイデンティティ
     受け入れられた安心感や満たされた心から、わくわく感や挑戦する勇気が生まれる

    感想
     感情に振り回されずうまく付き合いつつ、ネガティブな感情体験も自分のためになることを俯瞰して受け入れられるような人間に成長していきたい。子どもの頃のような、わくわく感を得られそうな方に一直線だった自分に立ち返られる考え方、行動ができたら、もっと楽しい人生が送れるのではと思う。

  • 最初の10ページくらいは面白かったが、その後は…

  • 「はじめに」を読んで、知りたいことが書かれているのではないかととてもわくわくしたけれど、読了してみると、広く浅くという印象でちょびっと期待外れかなぁと。引用が多いが深く掘り下げる感じはなく、分析は簡単にまとめているのでわかりやすい。少し物足りなさを感じたが、感情と脳の関わり、発達やしくみが体系的に書かれているので、そこはとても興味深く読むことができた。

  • ちょっと期待外れ。

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著者プロフィール

渡辺 弥生(わたなべ・やよい)
大阪府に生まれる。現在 法政大学文学部教授(教育学博士)
〈主著・論文〉
『幼児・児童における分配の公正さに関する研究』1992年 風間書房
『子どもの10 歳の壁とは何か? 乗り越えるための発達心理学』光文社 2011年
『感情の正体――発達心理学で気持ちをマネジメントする』ちくま書房 2019年
『発達心理学』心理学と仕事シリーズ5 巻 北大路書房 2017年(共編著)など

「2020年 『モラルを育む〈理想〉の力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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