うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間 (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 先崎さんのことは「三月のライオン」のコラムで知った。
    うつ病なんて、現代人としてある程度わかってるつもりだったけど、彼の書く死にたさ、何もできなさは想像を超えてた。それと、これは彼特有だと思うけど将棋を指すこと、生きることへのものすごい執着。これまで築いてきた人脈と自負。周囲の人の感謝にあふれていて(たまに恨み節も見えるけど)、じっと寝ているだけなのにとても熱い本だった。
    個人的には自分も某KO病院に1か月ほど入院したことがあったので、散歩のシーンは懐かしさも覚えた。

  • 2020年12月12日、読み始め。
    97ページまで読んで、図書館に返却。


    2021年10月1日、以下追記。

    著者、先崎学さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    先崎 学(せんざき まなぶ、1970年6月22日 -)は、将棋棋士。米長邦雄永世棋聖門下。棋士番号は185。青森県出身。
    いわゆる「羽生世代」と呼ばれることがある棋士の一人。彼らの中で先崎だけタイトル戦登場経験はないものの、全棋士参加棋戦優勝は羽生善治・森内俊之の次に達成している。


    ●2023年5月20日、追記。

    本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    「ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いをしやがって」

    藤井フィーバーに沸く将棋界で、突然、羽生世代の有名棋士の休場が発表されました。
    様々な憶測が流れましたが、その人、先崎九段は「うつ病」と闘っていたのです。

    孤独の苦しみ、将棋が指せなくなるという恐怖、そして復帰への焦り……。
    体験した者でなければなかなか理解されにくいこの病について、エッセイの名手でもある先崎さんが、発症から回復までを細やかに、淡々と綴ります。
    心揺さぶられること、必至!

    ---引用終了

  •  うつ病は心の病気ではなく、脳の病気なのだ。だからプロ棋士が将棋を指せなくなる。
     自分の生業にしていたものが奪われる日々は、本当に恐ろしいだろうなと思う。

  • うつ病は心の病気ではなく、脳の病気
    当事者にしか辛さがわからない。でも、当事者の周りの人間がわかろうとする努力は必要。
    リアルに描かれていて、うつ病という病気を少し知ることができて、良かった

  • 【世にも珍しい“うつ病”の記録】藤井聡太ブームに沸く将棋界。その裏で棋士の先崎さんは脳の病と闘っていた。その発症から回復までを大胆に綴った心揺さぶる手記。

  • うつ病に罹患した棋士が回復までの日常を淡々と書いた手記。他人に読ませることを前提にしている以上は、全てのことがありのままというわけではないと思うが、かなり率直に出来事や気持ちを記しており、興味深い

  • 『三月のライオン』が好きなので、先崎氏は私が知っている数少ない将棋の棋士の一人です。
    最後の方に書かれてますが、この本はうつ病回復期末期の患者が書いた世にも珍しい闘病記で、それだけにうつ病に対する偏見を和らげてくれるのではないかと思っています。

    ただそれよりも個人的には、うつ病になってしまった著書が、小学生の頃にはパッと解けるようになっていた七手詰みの詰将棋に池のほとりで唸りながら挑戦し、うつ病に打ち勝って将棋を取り戻すのだと誓うシーンや、どれだけこれまで将棋に助けられてきたのか思い返す箇所に目頭が熱くなってしまいました。
    なにか、これは!というものを持っているというのは素晴らしいことですし、それが奪われるというのは本当につらい体験だったろうなと思わされました。

    著者の先崎氏は感覚派だということですが、優秀な株のトレーダーってのも同じように脳で考えるんじゃなくって感覚で売買しているそうですね。一説によると人間の脳は意識に上るよりも早く何かしらのパターンを認識することが出来て、その無意識下にあるパターン認識を検知する能力が高い人を感覚派だというって話を見かけたりしました。

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著者プロフィール

先崎 学(せんざき まなぶ)
1970年、青森県生まれの将棋棋士。九段。
エッセイストの側面もあり、多くの雑誌でエッセイ・コラムを持つ。羽海野チカの将棋マンガ『3月のライオン』の監修を務め、単行本にコラムを寄せている。
著書多数。代表作に『フフフの歩』、『先崎学の浮いたり沈んだり』、『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』など。

先崎学の作品

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