(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法 [Kindle]
- 笠間書院 (2020年9月25日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (228ページ)
感想・レビュー・書評
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「名作を楽しめないのは自分に教養がないからでは……」中学生や高校生の頃、文豪の作品を手に取ってそう思った人は流し読みでいいので読んで欲しい。わからなくて当然なのだ。
第一部では総論的に小説の読み方っぽいものを紹介し、第二部では実際に様々な小説を解題してみせる。紹介されていた小説で自分が読んだことのあるものは『三体』『雪国』『吾輩は猫である』『金閣寺』くらいなのだが、三体以外は面白さが全く分からなかった。『ドグラ・マグラ』は訳が分からなくて途中で挫折している。
逆に『三体』についてはSF読みと一般文芸読みで観点が全く異なりそうだな、というのが分かる。この著者は第三部で頻出する光速まわりのギミックで興奮しないだろうな、と思うが、それで良いのである。読み方は自由だし、他人の読み方を参考にしても良い。むしろ古典はそうすべきだ、というのは今後の読書に取り入れたい。といっても文芸以外の古典をあたるときは信頼できる先生が書いた解説の新書を読むことが多いから、そのメソッドを文芸にも適用すれば良いのだ。
また、分からない小説は分からなくて良いというのも安心した。その例として夏目漱石の『門』が引き合いに出される。
巻末で種明かしがされるが、こういった解読の技法というのは大学院で文学研究をする際に仕込まれる技法の一部なのだそうだ。そこで思うこととしては、大学院で仕込まれるメソッド的な部分はもう少しオープンになっても良いのではなかろうか。メソッドがオープンになったところで研究という営為には没頭が必要なのだから、研究者の優位というのは揺らがないと思うのだが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最近読書を習慣化しようとと思い本を読んでいたが、そもそも本の良い読み方の本とかないのかな…と思い、読み始めた。知識量や思考力があるので説得力もあって、正直な感想を言ってくれそうなので信用できると私が個人的に思っているカズレーザーさんがおすすめした本と聞いて、購入に踏み切った。
まず文体も砕けていて、読みやすい。日本文学を大学院で学ばれた作者さんの著作ということで、わかりやすさをちゃんと狙って書かれた文章という感じがして、サクサク読める。
ただ文字を読む、というだけではなく読む前の下調べをしておくとか、読む時の心持ちをセットしてから読むことで読書の味わいが変わりそうというのは何となく感じていたけど、こちらの本で言語化してもらえたことでちゃんと自分のものとしてインストール出来た気がする。
読書がしんどくなってきた時にもう一度読み返したい。
この本を読んだだけで、読んでみたくなる作品が出てくる。 -
難解な本、何をいいたいのかイマイチわからない本、、世の中にたくさんあるけれど、それらをどう攻略していったらいいか、またどういう視点で読み進めれば、こんな楽しみもあるよ。。と教えてくれます。今まで、読むだけで終わりにしてたけど、立ち止まっていろいろ熟考してみるのもいいなと思った。また数々の書評も書物を理解するうえで役に立つのだとあらためて思った。ためになった。
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表紙の感じはあらすじ本の範疇に見えるが、「女の子」本が望外に面白かったので。
これもいい意味で期待を裏切ってくれて、いまだに文学作品について「面白いものは面白いけど…」程度の読み方でしかないため
名作が名作たる由縁やそれへの向き合い方の一例として得るものが多かった。 -
タイトルにやられた。ただの読書感想文レベル。でも一部参考になったという事は、分かりやすい解釈もあったから。でもタイトルって大事かも、ついつい手に取ってしまう。
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小説のタイトルは、中身がわかりづらいようにできていると説き、
夏目漱石の『門』が『俺と仲の良いはずの妻の間に子供がいないという件について』というタイトルだったらどうか?
という序文から始まる。
名作の読み方を教授してくれるのだが、それでもやはり難しいものは難しい。 -
そういう読み方もあるんだよと教えてくれる本。
『カラマーゾフの兄弟』
『グレート・ギャッツビー』
『吾輩は猫である』
『ペスト』
『金閣寺』
『三体』
『うたかたの日々』
『羅生門』
『雪国』
『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
『老人と海』
『ゴリオ爺さん』
『ドグラ・マグラ』
『ピーター・パンとウェンディ』
『若草物語』
「亜実ちゃんは美人」(『かわいそうだね?』)
「お父さんは心配なんだよ」(『カフカ ポケットマスターピース01』)
「眠り」(『TVピープル』)
『サラダ記念日』
『源氏物語』 -
これは小説の「読み方」ではなく「書き方」ではないか