NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX (日本経済新聞出版) [Kindle]

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  • 世界一『自由』な会社、自由と責任のカルチャーとは?
    NETFILIXカルチャーを醸成するために何が行われているのか。また何を『行わない』のか。
    特に率直さを求められる社員が実践しているフィードバックが興味深い。4A(海外の文化的背景を考慮した5A)
    ・相手を助けようとする気持ちで(AIM TO ASSIST)
    ・行動変化を促す(ACTIONABLE)
    ・感謝する(APPRECIATE)
    ・取捨選択(ACCEPT OR DISCARD)
    ・適応させる(ADAPT)

    いくつものTry&Errorを積み重ね、更により良い状況を模索する姿勢こそ想像力・イノベーションが生まれる環境が作られている。

  • 過程を追って、かつ分析的に書かれていて極めて知的好奇心を掻き立てられる内容だった。

  • NET FLIXの本を読むのは2冊目だがあまりにも前作と内容が被っている。同じ著者か?人事部門にしか焦点を当てていないが、非常に為になる事が書いてある
    ・だらしない行為をする社員を採用しなければルールは不要
    ・最高の同僚だけを集める 凡庸な人にはどこよりも多い退職金を払う
    ・怠け者が一人でもいると全員のパフォーマンスが半減する
    ・6割の人間が、肯定的よりも修正的フィードバックを貰いたい
    ・9割の人間が、修正的フィードバックによりパフォーマンス向上する
    ・リーダーが長期休暇を取り、範を示し、感想を皆に話す。
    ・休暇日数に制限は無い 使用金額も任せられる
    ・他社を面談した結果をフィードバックして貰う
    ・リーダーは積極的に失敗を語る 部下の思い切りが良くなる
    ・部員がPJTに成功する確率を高める為、反対意見をどんどん発言。それにより熟考が進む。失敗は発表させる。
    ・社員を解雇するエネルギーと費用を掛けるより、十分な退職金を払った方がいい。解雇理由を皆にオープンにすることが必要。
    ・書面による360度評価を毎年全社員に実施 25%が肯定 75%を改善に当てる。
    ・大きな市場では大きなリスクを取る 大失敗しか大成功に結び付かない 経験で学べるものがあれば賭けに出る

  • 職場の人におススメされたので読んでみました。ネットフリックスの職場環境はあまりにも自分のところと離れていて、ほとんど参考に出来なさそうなことばかり・・・ただ、自分の職場の規則だらけのところで規則をつくための規則をつくったりと無駄なところが多いと感じていることがよく分かった。

  •  今話題のネットフリックスのカルチャーを知ることができた。タイトルにある「No Rules」の通り、既存の会社にあるはずの規定を無くしている。ネットフリックスのようなクリエイティブな成果がものを言い、変化の激しい業界は、スピードと学習が大事なのだ。とにかく思い付いたことは試し、失敗から学習するほうが成長が早い。そのスピードを上げるためにルールを無くしている。

     驚いたのは、プロジェクトの実行の判断を担当社員に任せていること。そのプロジェクトにどれだけお金がかかろうが、担当社員が「やるべき」と判断したら実行する。そのために、社員はその判断ができるような優秀な人材を集めるのだそう。能力密度と述べていたが、優秀な社員を集めるほど全体の能力は上がるらしい。それを実現しているのがキーパーテストという方法だった。

    ノールールな会社にするには?
    能力密度を高める
     ルールを設けるのは、ダメな行為をする人がいるから。そもそもそういう人がいなければルールは必要ない。優秀な人材だけで組織をつくればいい。

    率直さを高める
     優秀な人材はお互いに学び合い、高め合うことができる。有能な人材がフィードバックをすることで、全体のパフォーマンスが上がる。また、主体的に責任を負うようになり、従来のルールは不要になる。

    コントロールを減らす
     社内規程の不要な部分を捨てる。出張規程、経費規程、休暇規程は廃止。フィードバックのレベルが上がってきたら、承認プロセスはすべて廃止していい。管理職には「コントロールではなくコンテキストによるリーダーシップ」という原則を行ってもらう。社員には「上司を喜ばせようとするな」という指針を与える。

     これらのレベルを段階的にめていけば「自由と責任」の文化ができあがる。これが優秀な人材を呼び寄せ、他者が太刀打ちできないスピード感とイノベーションを生むことができる。この好循環が成長の柱になる。

    勉強になったこと
    能力密度の考え方
     凡庸な人材がいるだけで、優秀な人材のパフォーマンスが落ちてしまう。特に、問題を起こす社員はすぐに充分な退職金を払い会社から去ってもらう。問題を起こす社員に教育するより、退職金をしっかり払ったほうがコストを安くできる。
     最高の人材には最高水準の報酬を払う。他社へ転職されてしまうより、他社より高い報酬を支払い続けるほうがメリットが大きい。特にソフトウェアエンジニアで優秀な人は、凡庸な人より数十倍の価値がある。たくさんの凡庸な人材が出す成果より、優秀な人材に数十倍の成果を出してもらったほうがいい。もし、最高水準の報酬を払う原資がなかったら、凡庸な人材を解雇し補填する。

    キーパーテスト
     キーパーテストはネットフリックスの能力密度を、高くする仕組み。マネージャーが定期的に、チームすべてのメンバーがそのポジションに最適な人材かを慎重に検討し、そうではない者は交代させるようにすれば、組織全体のパフォーマンスが上がっていく。
     キーパーテストは管理職に「転職すると言ってきたら、必死に引き留めるのはどの部下か?」と部下の存在価値を判断するための問い。
     その弊害として、社員は絶えず恐怖にさいなまれる。なので、社員はマネージャーに「キーパーテスト・プロンプト」を出すよう促す。「私が退社を考えていると言ったら、どれくらい熱心に引き留めますか?」と尋ねるようにさせる。

    フィードバック
     優秀な人材が集まったら、お互いに率直なフィードバックをたくさん与え、権力のある人に対しても疑問を投げかけるように求める。
     同僚と違う意見があるとき、誰かに役立ちそうなフィードバックがあるとき口にしないことは、会社への背信行為とみなされる。会社の役に立てるのにそうしない。意見を聞くために会社はあなたを雇っている。
     フィードバックのガイドライン「4A」
    1.相手を助けようという気持ちで(AIM TO ASSIST)
     フィードバックは前向きな意図をもって行う。
    2.行動変化を促す(ACTIONABLE)
     受け取った相手が行動をどう変えるべきかにフォーカスするべき。
    3.感謝する(APPRECIATE)
     フィードバックに感謝を示し、真摯に耳を傾け、とらわれない心で相手のメッセージを検討し、自己弁護をしたり腹を立てたりしない。
    4.取捨選択(ACCEPT OR DISCARD)
     常にフィードバックに従う必要はない。受け入れるかどうかは本人次第。それはフィードバックを与える人、受ける人が理解しておかなければならない。

     フィードバックがうまく機能するようになると、会社のルールは必要なくなる。誰かの誤った判断は、その同僚が指摘するようになるため。

    感想
     自分も規定に縛られた仕事をしている。自分の思った通りに進め、成果を出してみたいと憧れてしまう。その根本となる能力密度を高める方法は、日本の雇用保障が弊害となり無理だなと思う。これが日本の成長性、生産性を落としている原因なんだけど。
     フィードバックループは、大事な行動だと思った。自分の意見を言うために、会社は社員を雇っている。日本人はこの点を苦手とする人が多い。自分も「こっちの方がメリットがある」と思ったことはフィードバックする習慣を身につけたい。
     未来に世の中がどうなっているかなど、誰にもわからない。変化が激しい業界ならなおさら。5年先を推測して計画を立てることに価値がない。逆にその計画に縛られ、最高のチャンスを逃してしまう。常に自由度を高く保つのがコツ。これはものを持たないようにすることだと思った。何かを捨てなければ何かを得ることはできない。なので常になにかを持つ余裕のある状態でいることが大事なんだと思った。

  • 人材への期待値・ハードルは、世間一般的に、これからどんどん上がっていきそうな印象を持ちました。

  • DVDの郵送レンタルサービスから始まり、今や世界屈指のエンタテインメント企業となったネットフリックス。その成長の原動力となっている、ユニークな企業文化を公開した書籍。

    ネットフリックスは当初、身売りを考えるほど苦戦していた。
    しかし、世界の変化に対応し、郵送DVDレンタルから、インターネット・ストリーミングサービスに転換、今や世界190カ国で1億6700万人の会員を擁するまでに成長した。

    ネットフリックスが変化に対応できたのは、「脱ルール」のカルチャーがあったからだ。これは、社員にプロセス(手続き)より自由を与えることを優先する。
    そのためには、「能力密度」と率直さを高め、コントロールを減らす必要がある。
    ①能力密度を高める:
    優秀な社員のみを雇う。優秀であれば不要な規則は不要となる。
    →優秀な人材は、お互いをさらに優秀にする。
    ②率直さを高める:
    お互いにFBし、それを受け止める。人は本心からFBを求めている。
    社内の駆け引きも減り、仕事へ集中できる。
    ③その上で、コントロールを減らす(規定やルール、承認プロセス等→自律した組織へ)

    2001年のインターネット・バブル崩壊で、ネットフリックスは社員の3分の1を解雇した。
    だが、その後、社内の空気は劇的に良くなり、情熱やアイデアが満ち溢れるようになる。
    優秀な人だけが残り、能力密度が高まったのが原因だ。

    ネットフリックスは、率直に発言する人を大切にする。
    率直なフィードバックが行われると、駆け引きが減り、各人の仕事の成果が高まり、会社全体の業績も向上するからである。

    ネットフリックスでは、クリエイティブ系職種については、凡庸な人材を多く雇う代わりに、最高の人材に最高水準の報酬を払っている。この採用方法により、イノベーションの速度と成果は飛躍的に高まった。
    (ロックスターの原則)

    ネットフリックスでは、「上司を喜ばせようとするな 会社にとって最善の行動をとれ」という標語を掲げている。
    トップダウンではなく、社員がそれぞれの持ち場で自ら意思決定する方が、会社のスピードと革新性は高まる。

  • こんな会社で働いてみたいものです。

    こうして、優秀な人材は外資系に行ってしまうと考えると、日本経済が心配になる一冊です。日系企業もこういう成功例が増えると良いですね!!
    他人事見たいな書き方になってしまいましたが、自分でやってみろって話ですね。

  • ルールがないなんてことは理想だが本当にそんなことができるんだろうか?
    そういうことを想像をしながらこの本を手にとり、自由と責任という意味を深く理解するような形になる本だと思いました。

    まず有能な人材だけが集まる組織を作る。ここにおいて働きアリの原則でいうとある程度の働かない人間が発生しそうだが、高いパフォーマンスが出ない人間は入れ替え、高いパフォーマンスを持った人間だけの組織にするというのは大変興味深く感じます。
    果たして本当にそんなことができるのだろうか?という疑問です。
    ただし、実際にそのように運用ができているという事なのである程度成功した事例として存在しているのでしょう。

    休暇制度もなく、出張支出に関する規則もない。
    ここに書いてあることは最初に浮かぶ疑問に正しく答えるもので興味深く読むことができました。
    曰くみんな休暇をとれないのではないか?またその逆に休暇を取りすぎて仕事に支障をきたす場合があるのではないか?
    この点をきちんとした文脈で経営層が伝え、それを文化として形作れるというのはすごいことだなと感じています。

    この会社で働きたいという気持ちと、この自由を手にするために重たい責任を負う覚悟があるのか?という自分自身への問いかけでせめぎ合う気持ちが生まれる状態です。

  • 紙の本で読了

    ネットフリックスの社風「自由と責任」のカルチャーについての内容が書かれている本。

    ネットフリックスの共同創業者リード・ヘイスティングと、経営学者エリン・メイヤーの言葉が交互に書かれて展開されていく構成。

    「能力密度を高める」
        ↓
    「率直さを求める」
        ↓
    「コントロールを減らす」

    上記の順番で、この3つを更に3段階に分けてレベルを高めていく経営手法の詳細が書かれている。

    章の終わりに毎回、まとめが書かれているので読み返す際はまとめを見ると内容を思い出しやすいと思う。

    旧来の日本的な考えだと、スッとは入ってこない内容も多々あるが、これからの時代の世界的成長企業はこのようなカルチャーが自然になっていくのではと感じた。

    大いに参考にしたい。

    -印象に残った言葉-
    「上司を喜ばそうと思うな」
    「私たちはチームであって、家族ではない」
    「他人の話をするときは、相手に面と向かっていえる事しか言うな」
    「コントロールではなくコンテキストを」

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著者プロフィール

リード・ヘイスティングス(Reed Hastings)
Netflix共同創業者・会長兼CEO
1997年にNetflixを共同創業し、エンタテインメントを一変させた起業家。1999年以降は同社の会長兼CEO。1991年にピュア・ソフトウエアを起業し、1997年に売却。この資金を元にNetflixを創業した。2000年から2004年にかけてカリフォルニア州教育委員会委員。現在も教育関係の慈善活動を続け、DreamBox Learning、KIPP、Paharaの取締役も務める。
1983年ボウディン大学卒業後、1988年スタンフォード大学大学院にて人工知能を研究し修士号(コンピューターサイエンス)取得。大学卒業後から大学院入学まで、米政府運営のボランティア組織、平和部隊の一員としてスワジランドで教員を務めた。

「2020年 『NO RULES(ノー・ルールズ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

リード・ヘイスティングスの作品

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