NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX (日本経済新聞出版) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ルールを撤廃することで責任をより持つようになる。確かにそうかもしれない。
    ルールに委ねることなく自分で考えるようになる、自分に責任感が芽生える。
    ただ、それをどこまで会社として制限解除するか、そこが難しい。

    フィードバック。どうだろう、日本では根付くか。フィードバックを言い合える文化、それそのものは素晴らしい。だが、運用は難しいし、自分が建設的にフィードバックできるか、というと忖度してしまう気がする。日本人的文化の限界でもあり美徳でもあるとは思う。

    インセンティブの廃止、これは面白い。自分にとっては仕事はインセンティブが多かろうが、頑張るものは頑張る。はじめから自分のポジションにふさわしいサラリーをもらう、これは給料に縛られない意味で目から鱗が落ちる発想ではあった。

    実例を交えながらの解説だったので飽きることなく読むことができた。

  • その昔、「腐ったみかんの方程式」が話題になったことがありました。

    「箱の中のみかんが一つ腐り始めると、他のみかんも腐ってしまう。だから、腐ったみかんは早く取り除かなければならない」

    これを聞いた武田鉄矢扮する金八先生が憤慨していました。

    「私たちはみかんを作ってるのではない。人間を作っているのだ!人間の精神が腐るということは絶対ない!!」

    会社という場所もこれと似ていて、「腐ったみかん=カルチャーの合わない人」がいると、その空気は伝染していきます。でも、会社で作っているのは「人間」というわけでもない。

    『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX』には、足を引っ張るメンバーを1人加えたグループでは、成績が30~40%も低くなったという研究が紹介されています。

    Netflixは、集団に凡庸なメンバーがいるだけで、組織全体のパフォーマンスが落ちると判断。勇気と規律を持って辞めさせるそうです。

    <スピード感があり、イノベーションの生まれる職場には「最高の同僚」だけが集まっている。>

    お互いを「最高の同僚」と認めているからこそ、常に率直なフィードバックを送り、コントロールによるリーダーシップではなく、コンテキストによるリーダーシップを推奨しています。

    率直なフィードバックといっても、「思ったことをなんでも口にしていい」わけではありません。「4A」というガイドラインに則って行われます。

    「4A」ガイドライン
    1 相手を助けようという気持ちで(AIM TO ASSIST)
    2 行動変化を促す(ACTIONABLE)
    3 感謝する(APPERECIATE)
    4 取捨選択(ACCEPT or DISCARD)

    4のフィードバックを受け入れるかどうかは本人次第という姿勢も、Netflixらしいといえそうです。

    休暇日数は指定しないとか、不要な社内規定を全部なくすとか、日本の企業だと「ひょえー」となっていまいそうなシステム。でも「ひょえー」と思ってしまう時点で、乗り遅れているのかもしれない。

    自由って厳しいことがよく分かる一冊です。

  • 仕事をする以前に家族の事が第一に考えたときに、どう両立したいかを究極に考えた結果がnetflixが成功した理由なんだな。

  • 能力密度の高い組織の一つの理想形が垣間見えた。組織論のアルゴリズムがものすごく明確。アップ・オア・アウトの組織としての理想形でそこは弊社とは真逆なんだけど、クリエイティブやイノベーションがワークする組織として通じる部分が多く、ドッグイヤーをたくさんつけました。

  • 自分が具体的なエピソードがあると理解しやすい質なので、とても有効的かつ面白い本だった。
    ただ、失敗を共有するという社風のわりに成功例ばかりあるのが気になり、失敗例をもっと欲しいと思った

  • フィードバックの4A
    「自由と責任」のカルチャー
    本音を語る(前向きな意図をもって)
    情報はオープンに共有

  • 「並の成果には十分な退職金を払え」
    の一言で有名な、NETFLIXのビジネスカルチャーを紹介する本。

    ネットフリックスでは、服装、休暇、旅費の規定が無いばかりか、
    何百万ドルという決済をするのにも、上司の許可なしで実行できるのだという。

    その根本にあるのは、
    『優秀な人材だけを集めて、自由を与えれば、最高のパフォーマンスを発揮する』
    という思想だ。

    (このことを「能力密度を高める」と呼んでいる)

    ルールとは、そもそも凡人を管理するためのものだ。
    本当に優秀な人なら、自由と権力を与えて、自分の判断で動いてもらうのが一番だ。
    ルールなど、クリエイティブへの足かせでしか無い。


    またここで言う「優秀な人材」とは、ただスキルが高いだけの人ではない。

    ・他のメンバーと相互にフィードバックし合えること
    ・指示待ちにならず、自分の判断でベストな行動ができること
    ・与えられた自由と権力を悪用しないこと
    ・鼻先に餌をぶら下げなくても、最善を尽くしてくれること

    といった、組織人としての姿勢も問われてくる。
    いわゆる「天才だけど社会的には破綻している」ような人はお呼びではない。
    この点は誤解しないように注意しなければならない。


    他にも、日本では考えられないような型破りな話も多かったが、非常に楽しめた。

    こういったことは、誰しも肌感覚で実感しているはずだ。
    たが、実現は非常に難しい。
    当然多くの批判もあるだろう。

    それを恐れずにやりきってしまうところに、ネットフリックスの強さがある。

    クリエイティブな組織については、今ここが世界の最先端だと思う。

  • 能力+人格の両方が高い人のみの集団を作ると、途端に組織が急成長したという。
    能力や人格が優れている人ばかりだと、質の高いフィードバックをし合うことで相乗効果が期待できる。これが、人格に難がある人がいると、軋轢が生じるのでうまくいかない。
    また、面倒な規則を排除することにより、効率的なシステムを作ることができる。これが、非人格者がいると、そのシステムを悪用するものが出てくるので、うまくいかない。

    ネットフリックスが急成長できたポイントは、とにかく、能力と人格の両方が優れた人のみを高濃縮に集めることに徹底したことに尽きる。

    なるほど、優秀で品格のある子が揃う学校に子供を通わせたい親が多いことがうなずける。

  • Netflixは、とびきり優秀で協調性の高い社員だけを集めて、不必要なルールを徹底的に撤廃していくことで成功を収めた。

    Netflixでは、会社を家族ではなくプロスポーツチームのように考える。スター級以外の社員には十分な退職金を払って辞めてもらうことで、常にチームメンバーの質を高めている。優秀な同僚に囲まれればさらに優秀になるが、凡庸なメンバーが1人でも混じれば、そのメンバーのフォローなどでチームのアウトプットが下がるからだ。

    クリエイティブな職業では優秀な人員が他の10倍以上の価値を持つことは当然のように起こりうる。本当に優秀な人だに同業他社よりも高い給料を払うことは結果的に良い投資になる。

    Netflixでは「自由と責任」のカルチャーがしっかりと根付いており、社員は休暇日数や経費の利用、業務の意思決定に上司の承認を必要とせずに自由に決定できる。一方で、それらの決定が会社の利益につながることを証明する責任が発生する

    ルールではなくコンテキストを共有することで、現場の社員が自ら意思決定できるようにする。間違った決定をしてしまった場合にはコンテキストの共有が不十分だったと考える。

    「ルールと手順」は集団の安全のためのものなので、医療分野などミスが許されない世界では必須。一方、多少のミスが許されイノベーションが目的とされる世界では「自由と責任」の文化の方が、素早く創造的な仕事ができる。

  • Netflixの企業文化に関する情報はネットでちらほら見かけていて、激烈シビアな外資系企業というイメージを持っていたけどこの本を読んで180度見方が変わりました。

    性善説に立った、極めて倫理観の高い企業カルチャー。
    社長はじめ従業員の価値観はユニークかつ先進的。
    そして人間的な成熟も伺い知れるエピソードの数々。

    採用評価から経費精算に至るまで極めて合理的な考え方に基づいていて、全従業員がお互いに建設的なFBをしあえる、発言する方も受け止める側にも相当なメタ認知能力や咀嚼力が求められるコミュニケーションが絶妙なバランスで成立している稀有な会社だと思います。

    読んでいてこんなに素晴らしい会社なら一度働いてみたいとすら思えた。

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著者プロフィール

リード・ヘイスティングス(Reed Hastings)
Netflix共同創業者・会長兼CEO
1997年にNetflixを共同創業し、エンタテインメントを一変させた起業家。1999年以降は同社の会長兼CEO。1991年にピュア・ソフトウエアを起業し、1997年に売却。この資金を元にNetflixを創業した。2000年から2004年にかけてカリフォルニア州教育委員会委員。現在も教育関係の慈善活動を続け、DreamBox Learning、KIPP、Paharaの取締役も務める。
1983年ボウディン大学卒業後、1988年スタンフォード大学大学院にて人工知能を研究し修士号(コンピューターサイエンス)取得。大学卒業後から大学院入学まで、米政府運営のボランティア組織、平和部隊の一員としてスワジランドで教員を務めた。

「2020年 『NO RULES(ノー・ルールズ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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