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感想・レビュー・書評
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《言葉はイライラするもの?》
1.「意味」と「意図」は違う。
意味とは「文そのものが表す内容」であり、意図とは「話し手が聞き手に伝えたいこと」である。例として熱湯風呂の上島竜兵の「押すなよ」の意図は「押してくれ」である。世の中には「空気を読む」という言葉があるが、会話の中で空気を読むということは「意図」を受け止めることではないか。著者は空気を読む必要がある言い方に対して「そんな言い方では伝わらない」と言ってしまうようだ。そして私も大賛成だ、はっきり言いたいことを言えと思うのである。
2.「前提」
これはよく使う。「大掃除やるの?」と尋ねれば「やる」「やらない」と選択肢を与えてしまうが、「いつまでに大掃除やるの?」と尋ねれば、「やる」ことを前提に、それをいつまでに終わらせるかを考えなくてはならない。誘導尋問的に部下の指導時に使ったものである。
言葉の使い方とプロレスに興味がある人には、楽しい読書となること間違いありません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者の趣味であるプロレスについての話がよく出てくる、自分はプロレスのことを全く知らないのでそこだけ理解するのが難しかったが、全体的に見ると日常生活の中に溢れている言葉の不思議の話で、言語に対する関心がさらに深まるような、興味深い内容の本だった。
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オートマトンmeets福音館書店的なお話しを沢山書く川添愛さんは大好きなのですが彼女の言語学エッセイは最高です。ほぼプロレスの話だったりしますが、マイクパフォーマンスが言語学的課題を内包していて、今アカデミズムではどのようなな解釈が主流であるか、などの大変役に立つ情報が満載です。
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言語学というか、文法や非文法までも含めたコミュニケーションについての雑文であって、たいへん楽しい読み物。「意味」と「意図」の違いを上島竜平の「絶対に押すなよ」で説明した後、ラッシャー木村の「こんばんは事件」になだれ込む「01」で相性がよければ、あとはしめたもの。なぜ「恋人『が』サンタクロース」なのかをぐるぐると考察したり、チョムスキーの「宇宙人の言語は地球人の言語とあまり変わらない」の揚げ足をとってみたり、かなり自由自在。著者の他の本も読んでみたい。
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バーリ・トゥードという言葉を知れただけでも大収穫。
飛行機の機内誌はこれで良いとおもう
言語学的な言葉遊びが好きなので
とても楽しく読めた。
言語学専攻してたら、意図と意味の違いはやりたかった。漫才を分析してみたかった。
英文学科だったからできなかったけど。
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とても面白かった
著者はプロレス好きの言語学者で、プロレス話が多くてよく分からないが笑えた
美しいプロレス技を見ると、「脳から変な汁が出る」そうだ
藤波辰爾選手の「ドラゴンストップ」、気になってユーチューブで見てしまった
日本語専門の言語学者だからこそ、こんなに色彩があざやかで楽しい文章が書けるのかな?
記憶に残る「猛者」「にーにーにーにー」って、メロディーとともに頭に残ってるってすごいことだ -
言語学といったジャンルを身近なものから解きほぐす。例や言葉使いが面白く、難しいことにとっつきやすくなる。
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サブタイトルにAI入っているけどAI関連は第二章のみ。日常の言葉観察に関するエッセイで、タイトルからもわかるように、プロレス成分多め
中盤あたりから、実はとても生真面目な人が精一杯ふざけて書いているんだなーという感じがしてくる
イラストが秀逸
STO先生の連載も気になるので
UP年間購読しようと思った。 -
筆者が何度も書いているように軽めのエッセイ集
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「UP(ユーピー)」という冊子の連載に書き下ろしも加えた作品。著者の川添先生は1973年生まれの言語学者。
相手の自虐系発言に対する反応が難しい理由や「海老名市最高層を、住む」の「を」に関する考察など面白い話が沢山でてきます。言葉が色々気になる方にお勧め。
「キャラを際立たせる英語的表現」の例文「イノベイティブなビジネスパーソンがドラスティックなソリューションをクリエイトしてクライアントのベネフィットにコミットする」何言ってるか分からないけど今風ですよね。
この本を読んでから、日本人相手にこちらの思いを伝えるためには、なるべく日本語で表現しようと思いました。