推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない 自分の言葉でつくるオタク文章術 [Kindle]

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
3.89
  • (14)
  • (8)
  • (13)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 155
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (223ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルと表紙の軽やかさから読まずにいた本だったのですが、ブク友さん達の感想を拝見して手に取ってみたら、中身はかなりしっかりしたものでした。(失礼な表現になっててすみません^^;)

    アイドルやアニメについて語る場面だけではなく、ブクログに本の感想を書く時や、仕事のプレゼンなんかにも使えそうな考え方とノウハウが詰まっていました。

    書評家・三宅香帆さん、他の本も読んでみたいと思いました。

  • 8/27(日)の谷川さんと三宅さんのイベントに先駆けて、拝読。

    読み始める前に、自分の推しを書き出してみたら、ライトなものも含めたら20人以上いて笑えました。
    いや、もっと居るけれど。
    思い出すだけでニヤける対象がこんなにも居るなんて、幸せなものですね。

    せっかく拝読した後の感想文であるのに
    乱文で失礼いたします。

    ・いつか好きでなくなる日の為に、好きな理由を磨いていくこと
    自分でなぞって確認していくこと。
    自分の好きをアルバム保存していくことの大事さ。旅に行って写真や動画をとるように、何に心が震えたのか、解像度を上げて書き連ねていくこと。

    言語化による保存の尊さについて、思い出したのは、自分の似顔絵を描いてもらう経験と別に、自分の経験を話してそれを全てMAPのように書き出してもらうサービスを受けた時、これ程自分のことをクリアに描き出した肖像画はなかったと痛く感動した経験。(ビジョナリーキャンバスという名前でサービスを始められました。)
    図や写真だけでは表現しきれない事柄を、言語化するのは、未来への自分の手紙のようで面白い。
    そこで冷凍保存した感情をいつか開く日が楽しみにも思える。

    ・語彙を増やすというより、妄想力と細分化が大事
    わかりやすく、トライ出来そうだと思いました。妄想は好き。

    ・「自分の言語化ができる前に、他の人の感想を見ないこと」
    この警告にとても共感しました。
    先日、『君たちはどう生きるか』の感想会を仲間内で行った際、ギリギリまで参加を迷いました。自分の言語化がまだだ…!と焦ったからです。
    作品と自分だけの出会い、そこで得た感覚を大事にしたい、と。
    結局のところ、感想会までにざざーっと書き出し、参加したのですが。(いろんな見解が飛び交って、楽しかったです)
    「思考は自分だけの部屋を持てるように。」の言葉、好きです。
    自分の言葉をきちんと磨く時間、確保したい。(料理の時よりも、髪を乾かしたり、グラス磨きしたりしている時間の方が、言葉が出てきやすかった。作業途中で止めて、メモをしたり。)

    谷川さんの『スマホ時代の哲学』とも通じますが、隙間を埋めるように他者の言葉を安易に自分の中に入れてしまっていたことを反省。自分の言葉をつくる楽しさに目を向けたい。それが「自衛」にも繋がるんですね。

    ・「情報格差を埋める」
    自分のこれまでを振り返り、できていなかったんじゃないかなぁ…と反省しました。
    逆に、その前振りができるオタクの友人の話を思い出すと、聴くときに入りやすかったなぁ、と思い返しました。実践しようと思います。
    最果タヒさん、三浦しをんさんの推し活のレポートの瑞々しさも良かったのですが、阿部公彦さんの『説得』書評の例が、読んだことのない本について、読者を置いていかないどころか、ぐっと引き込む書き方が、こんなに推しを伝える文章としても魅力的だということに興奮しました。
    「なぞる」をやってみようと思います。

    また、推しへの愛が表現できると、ファン仲間同士で繋がる経験は(康太郎さんの例含めて)あり、とても共感ができます。
    そして、時々、推しにも愛が届くことがあると、感謝が伝えられて、嬉しくなる。
    その時に、ありきたりな言葉(クリシェ)でなく、双方心に残るような共話が生まれるような、そんな言葉をテーブルの上に広げられるようになれたら。
    そう思いました。

    ・読み直してブラッシュアップすること
    書き出したら、すぐにバテてしまう自分にとって、耳に痛い内容でした。
    せめて、書いたら次の日にもう一度読む…くらいの習慣をつけたいと思います。

    ・推しへの愛を言語化して語ることが自己理解に繋がる
    とても共感しました。
    むしろ、自己表現でもあるとも思えます。同人誌などの制作は、愛が高まり、なぞったり、自分の中で妄想でストーリーのバトンを受け取ったりしながら、紡がれたもの。推しへの愛が、創作活動への一歩になる。それは民衆の表現活動にも繋がる…とも言えると思います。

  • レビューや感想を書きたいのにありきたりな表現しかでてこないという方へのコツを伝えてくれています。

    必要なのは語彙力ではなく細分化。
    どこが良かったのか。なぜそこが良かったのか?を
    共感ポイントと新しさポイントに分けてメモしておく。
    他人のSNSを見ずにまずは自分の中の言葉を探す。

    後半にある、推しの文章例の抜粋がまた素晴らしい。
    赤文字で添削するようにこの部分がこう良いと解説してくれている。

    最後に、
    「好きは揺らぐ。むしろ揺らがない好きは本当の好きではない」という言葉に感銘。でなければそれは宗教か洗脳だ。
    だからこそ、その好きだっだ瞬間を書いて文字で残しておくことが大事という。

  • ふむ

  • 私自身、まさしくタイトル通りの「やばい!」しか言えないタイプの人間だ。
    感想文を書かせると「面白かったです」しか言えない私だが、タイトルと表紙のポップさから、これならカジュアルに学べるかもと手に取った。

    まず一通り読み終えて感じたのが、基本的な文章構成の教本ではもちろんあるのだが、なによりも『自分の気持ちの見つけ方』を教えてくれる本だということ。

    感想を言語化するのは気持ちを細分化することであるという点から始まり、ではそれをどのようなプロセスを踏んで行うかが丁寧に説明されている。単純な「面白かったです」という感想でも、どこが面白いのか、どうして面白いと感じたのかをひっつけていくと、それだけで感想にオリジナリティが出る。「面白かったです」という小学生みたいな感想にもそんな発展性があるのかと、目から鱗が落ちた。

    また本書中でも挙げられていた例だが、アニメや映画を見た後にSNS等で他の視聴者の感想を見ると、自分の感想と概ね同じことを言っている人がいることはよくあると思う。それを見つけたら、もう自分が感想を書く必要はないと書くのをやめてしまうことはないだろうか?

    本書では「それでも書くのをやめる必要はない」とされている。他人の影響で推しに対して培ってきた自分の言葉が崩れるのはもったいないことだと。

    私はこれまで映画や舞台などのエンタメを見て、なにか感じることはあっても、それを言語化や文章化することはほとんどなかった。
    SNSを覗いては「そうそう、それそれ」と勝手に他人の感想に便乗していた。もちろんそれは悪いことではないと思う。世の中には私よりも私の気持ちを上手く言語化している人がいて、そういう人に出会うと「上手く言葉にしてくれてありがとう!」という気持ちになる。
    ただ言われてみると、100%私と同じ気持ちの人はまずいないし、それで自分が感じたことが他人の感想に上書きされて薄れるのは、少しもったいないような気がする。

    そんなふうに考えて、ここに感想を綴ってみた。
    これがこの本の効果なのかもしれない。

  • ・「好き」は儚いもので、いつかやってくる好きじゃなくなることを見据えて、自分の言葉で保存する。
    ・好きが溜まっていくと、それが自分の価値観や人生になる。
    具体的な感想の書き方や推し語りも参考になりましたが、そもそもなんで感想を書くの?という問いに対する考え方がすてき!自分の紡いだ言葉で自分の人生が好きなもので豊かになるというのはなんて素晴らしいのでしょう。もっといまこの瞬間抱いているほやほやの好きを大切にしたい…

  • もっと深みのある読書レビューができるようになりたいと思い購入。結果として大当たり。読書の感想を掘り下げアウトプットするのみならず、これは会社の人事考査にも活かせます!私はアピールが苦手でいつも低評価をつけてしまいがちなのですが、自分を推しに見立てることにより、あんなことも出来た!こんなこともやってると、表現するのがスムーズになりました。何度も読み返して、更にアウトプット力を磨いていきたいです。

  • 推しの素晴らしさを語れる表現術を解説した本。

    推しについて語りたいが語彙力の貧弱さに悩んでいる方に向けて、表現力を磨く方法が書かれています。

    推しの魅力を布教したい方にオススメの一冊。

  • 好き

  • 全く同じ事を思ってるタイトルで驚きながら読んだ。すごく読みやすいし、具体的な文章術というのは見た事がなかったので、実践的な教えがとても参考になった。
    ただ読み切りたいという気持ちと早く次に行きたいという気持ちも常にあるので、なかなかメモしながら読んだり観たりゲームしたりするのは難しい。
    あとがきで作者が言葉のナイフの応酬が最近すごいと言っていたので、そういう意味でも本文中にあった修正というのは大切だなって思った。
    と言いながらもこれはほぼ修正を行わずに書いております…。

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1994年生まれ。高知県出身。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。大学院時代の専門は萬葉集。大学院在学中に書籍執筆を開始。現在は東京で会社員の傍ら、作家・書評家として活動中。
著書に『人生を狂わす名著50』(ライツ社)、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)、『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』(幻冬舎)、『妄想とツッコミでよむ万葉集』(大和書房)、『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』(笠間書院)。ウェブメディアなどへの出演・連載多数。

「2021年 『女の子の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三宅香帆の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×